8月28日松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM)
力を合わせて
不況の風が吹き、不景気の波が押し寄せるという情況に世間があるときには、それぞれの会社も何らかの形で、その影響を受けないわけにはいきません。
ただそんなときに一番大切なことは、全員の冷静な判断と力強い協力だと思います。船長が沈着に針路を過たず、船員が冷静に協力を惜しまなければ、その船は どんな嵐にあっても着々と進んでいくでしょう。それを、それぞれが慌てて勝手な判断をし、勝手な振舞をしたならば、それがたとえ善意から出たものであって も、船の前進は望めません。
不況、困難なときこそ、“和親一致の精神”が一番に求められるのです。
筆洗
2013年8月27日筆洗(東京新聞Web)
▼国語辞典で、「地名」と引けば、<土地の名称>とある。二十四日に九十二歳で逝去した民俗学者の谷川健一さんは、地名を、こう定義した。「人間の営為が土地に刻んだ足跡」「時間の化石」
▼谷川さんにとって地名とは、決して単なる記号などではなかった。それは悠久の時の流れの中で、大地と人のつながりが紡いできた物語の結晶だった
▼例えば、鹿児島の薩摩川内市には「悪」という地名がある。このアクは、阿久津や芥(あくた)と同じく低湿地に由来するものという。だからこそ悪戦苦闘しつつ低湿地を切り開いた先人たちの労苦を、こういう地名に偲(しの)ぶべきだと、指摘した
▼ そんな先人の営みが宿った地名も高度経済成長期から進んだ行政による地名変更で、無残に失われてきた。谷川さんは「地名を守る会」をつくり、「地名が消え るのは、村の過去を知っていた古老が死ぬのとほとんどおなじような悲劇…つまり幾千年以来の…歴史はそこで終止符を打つ」と訴え続けた
▼「古老」は天災の語り部でもある。海から離れているのに、津波が遡上(そじょう)した「大船沢」や、古歌通りにその手前で波が止まった「末の松山」…と、その重みは東日本大震災で再認識された
▼今年三月に出版された『地名は警告する』で谷川さんは、地名とは<人間が大自然の中の存在であることを忘れないように>との教えであると説いていた。
2013年8月28日天声人語(OCN*朝日新聞デジタル)
天声人語
▼自由と民主主義の国と仰がれるアメリカの、恥部といえるのが人種差別である。遠い昔の話ではない。1960年代になっても白人と黒人を厳しく隔てる差別が南部にあった。通う学校から飲食店、水飲み場、バスの座席もベンチも二分され、結婚も禁じられていた
▼「神が黒人を罰するために、白人とは違う姿にお造りになった」と言う州知事さえいた。そうした抑圧の時代、雲間から差す光のように降りてきた言葉が「私には夢がある……」だった。キング牧師の歴史的な演説から、今日で50年になる
▼「私には夢がある。いつの日か、あのジョージアの赤い丘の上で、かつての奴隷の息子と、かつての奴隷所有者の息子とが同じテーブルに座れる日の来ることを……」。言葉の力と輝きを、ここまで高めた演説はまれだ
▼黒人が対等の権利を求める公民権運動に、保守的な白人は憎悪を露(あら)わにした。南部アラバマ州にある記念碑には運動に関連して殺された人々の名が刻まれている。のちに凶弾に倒れたキング牧師の名もある
▼時は流れて「夢」は今なお道半ばだ。法や制度は勝ち取ったが、有形無形の差別は残る。皮肉なことに、法的平等ゆえに、貧しさを個々の黒人の責任に帰する不寛容を、アメリカ社会は強めてきたように思われる
▼「私には夢がある」は誰に限らず、苦境にある者の松明(たいまつ)となって燃え続けるだろう。演説原稿にはなかった即興として口からほとばしり出たそうだ。思えば現代史上の、大いなる遺産である。
8月27日松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM)
職責の自覚
お互いに欠点というものはたくさんあり、何もかも満点というわけにはいかない。だから、自分の足りないところは他の人に補ってもらわなければならないが、そのためには自分自身が自分の職責を強く自覚し、その職責に対して懸命に打ち込むという姿勢が大切である。
仕事に熱心であれば、おのずから職責の自覚が高まるし、職責の自覚があれば、人はまた常に熱心である。そうした自覚、そうした熱意は多くの人の感応を呼び、協力も得られやすくなる。
そういうことから、みずからの職責を自覚し、全身全霊を打ち込むという心がけだけは、お互いにおろそかにしたくないと思うのである。
筆洗
2013年8月26日筆洗(東京新聞Web)
▼取り壊しには反対です。津波に破壊された建物を『もの言わぬ語り部』として永遠に残してほしいと思っています。私たちは海で生活しています。今ここで生きていくためにも同じ過ちは絶対に許されないと思います」
▼岩手県釜石市鵜住居(うのすまい)の地区防災センターの祭壇に、身ごもっていた娘さんを亡くした母親のメッセージが張ってあった。遺族会や地元の要望を受け、市は解体を決めたばかりだ。遺族の中でも思いは割れる
▼防災センターは避難訓練に使われ、指定避難所と思い込む住民が多かった。遺族連絡会の調査では二百四十四人が避難し、二百十人が亡くなった。震災で最も多くの人が犠牲になった建物だ
▼二階の天井近くに浸水した跡が残る。わずかな隙間に顔を突き出せた生還者は屋上に逃げた人も含めて二十六人。割れたままの窓、はがれ落ちた天井…。「物言わぬ語り部」は雄弁だが、住民に辛(つら)い記憶を呼び起こす
▼宮城県気仙沼市の市街地に打ち上げられた大型漁船「第18共徳丸」は今も県外からの見学者が絶えない。市は「震災遺構」として保存する意向だったが、市民アンケートで賛成が少数にとどまり解体が決まった
▼何を保存し、何を取り壊すのか、被災地は決断の時期を迎えているのかもしれない。被災者の声にじっくりと耳を傾け、記憶を未来に伝えてゆく知恵を広く結集してもらいたい。
2013年8月27日天声人語(OCN*朝日新聞デジタル)
天声人語
▼ コーヒーをめぐる名句の一つに、18~19世紀のフランスの辣腕(らつわん)政治家タレーランの言葉がある。「悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使 のように清く、愛のように甘い。汝(なんじ)の名は珈琲(コーヒー)」。イメージはぴったり、修辞はきらびやかで重厚だ
▼日本へは、江戸時代にオランダ人が持ち込んだという。いまや世界有数の消費国だが、気になる記事を読んだ。1日に4杯以上飲む55歳未満は、飲まない人に比べて死亡率が高いそうだ。米国の研究チームが発表したという。しかし、待てよ
▼6年前、コーヒーを毎日飲む人は肝臓がんにかかりにくいと厚労省の研究班が発表して、小欄も書いた。飲まない人に比べて発症率は約半分と聞いて、気を良くしたコーヒー党もいたに違いない
▼さて、悪魔なのか、天使なのか。その後の記事を調べると、体にいいと言われたり、良くないとされたりコーヒーも忙しい。大まかに見ると近年は各種の研究でかなり株を上げていた
▼古くから欧州では、コーヒーが毒か薬かでもめたようだ。北欧の王様が2人の囚人にコーヒーと紅茶を飲ませ、どちらが早く死ぬか試したという話もあると聞く。2人ともピンピンしていて、どうやら王様の方が先に死んでしまったらしい
▼珈琲をはじめ、幾つかある漢字の当て字の一つを「可否」としたのは慧眼(けいがん)だった。健康に可か否か。といっても話題ととらえ、朝の一杯、午後のブレークを楽しみたいものだ。一喜一憂で馥郁(ふくいく)たる香りを逃がしては、もったいない。
8月26日(月)放送予定
- ほっかほか 噺の朝ごはん
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「廃棄物バスターズ」が日本代表として世界大会へ
滋賀県立大学工学部・材料科学科 有機複合材料分野 「廃棄物バスターズ」代表 竹村翔太さん - あっちこっちほっかほか便り
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9月初旬の各地の行事
近江中山の芋競べ祭り 滋賀県蒲生郡日野町中山 日野観光協会 - 都もはんなりおこしやす
- 悪徳商法にだまされるな
京都消費生活有資格者の会 理事 消費生活専門相談員 松本久美子さん
8月27日(火)放送予定
- ほっかほか 噺の朝ごはん
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「子どもの村Kyoto」の活動について
NPO法人「子どもの村Kyoto」 事務局長 石原幸江さん - あっちこっちほっかほか便り
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9月初旬の各地の行事
平城京天平祭☆夏2013 奈良市平城宮跡 平城宮跡にぎわいづくり実行委員会 - 都もはんなりおこしやす
- 今朝のみそひともじ
歌人 林和清さん
8月28日(水)放送予定
- ほっかほか 噺の朝ごはん
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「障害者スポーツのつどい」について
京都障害者スポーツ振興会 「障害者スポーツのつどい」スタッフ 岩谷礼子さん - あっちこっちほっかほか便り
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9月初旬の各地の行事
白鬚まつり 滋賀県高島市 白鬚神社 - 都もはんなりおこしやす
- ちょっといい話 僧侶 川村妙慶さん
8月29日(木)放送予定
- ほっかほか 噺の朝ごはん
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京都の在日コリアン、戦前戦後の歩みを冊子に
京都市地域・多文化交流ネットワークサロン - あっちこっちほっかほか便り
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9月初旬の各地の行事
妙見山 八朔祭 大阪府能勢町 能勢妙見山 - 都もはんなりおこしやす
- ほっかほかふれあい広場
【メッセージテーマ】失敗談
8月30日(金)放送予定
- ほっかほか 噺の朝ごはん
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日本の森から次世代エネルギーを
株式会社 Hibana - あっちこっちほっかほか便り
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9月初旬の各地の行事
上賀茂 紅葉音頭大踊り
京都市 上賀茂神社 一の鳥居保存会 - 都もはんなりおこしやす
- 松竹芸能
ヒコロヒー
8月26日松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM)
矢面に立つ精神
人間が大事に際して、その 難局の「矢面に立つ」ということは、人生としてはおそろしいことであり、大変に勇気のいることである。スリルがあるとか、あるいはこれはおもしろいな、と いう人も、今日の青年の中にはいるかもしれないが、ほんとうに腹を割ったところ、あまり愉快ではないと思う。しかし、こういう場合に敢然として、その矢面 に立つことも男子の本懐と喜んで事に当たることも大切である。
そしてそういう人こそ、大事において、うろたえず、ものを決断することのできる人であり、人多くして人なき社会において、ほんとうの人物として立っていくことのできる人であるという思いがする。
筆洗
2013年8月25日筆洗(東京新聞)コラム
▼昨年亡くなった中沢啓治さんには「はだしのゲン」の続編を描く構想があった。目の病気で実現できなかったが、広島平和記念資料館の展示室で下書き原稿を見ることができる(九月一日まで)
▼敗戦から十四年後、ゲンは絵の修業のために上京する。理髪店で被爆のことを話すと、店主から「原爆を受けた者に近づくと放射能がうつる」と罵倒される。東京大空襲で親を失った子どもに同情し、財布を盗まれる場面もある
▼絵が描かれているのは一ページだけ。鉛筆でこま割りやせりふを指定する粗いスケッチだが、波乱に富む新生活を予感させる。続編では被爆者差別を描こうとしたそうだ
▼累計部数一千万部超。二十カ国で翻訳されているこの漫画が、松江市の小中学校の図書館で自由に読めなくなった。旧日本軍の暴虐さを描いた一部の描写が過激とされた
▼校長四十九人のうち、制限が必要と答えたのは五人。結果的に政治的圧力に屈する形になった市教委の判断は理解に苦しむ。週刊少年ジャンプで連載中、人気が下位に沈んでも、編集長が子どもに読ませたいと判断し連載は続いた。どちらが教育的だろうか
▼麻生太郎外相(当時)の肝いりで核拡散防止条約の国際会議に政府代表団が英語版「はだしのゲン」を配布したことも。下村博文文部科学相は閲覧制限を認めた。大の漫画好きの麻生さんの考えが聞きたい。
2013年8月26日天声人語(OCN*朝日新聞デジタル)
天声人語
▼処世訓にも色々ある。竹下登元首相の語録に「汗は自分でかきましょう。手柄は人にあげましょう」がある。自分で実行するか、できるかは別にして、記憶に残る言葉ではある。竹下氏は「辛抱、辛抱、永久辛抱」を旨とした
▼控えめにふるまうのも競争に勝ち残るための戦略に他ならないが、それとは正反対の世界を人気ドラマが描いている。TBSの「半沢直樹」だ。手柄を部下にあげるどころか、自分の失敗の責任を押しつけてくる上司と、主人公は激しく戦う
▼番組の公式サイトを開いて噴き出した。いきなり「クソ上司め、覚えていやがれ」とあった。半沢は、バブル期に銀行に入った中間管理職である。「やられたらやり返す、倍返しだ!」の啖呵(たんか)が冴(さ)える
▼倍返しという言葉、80年代末にバレンタインデーのお返しの常識として使われた記憶がある。あの騒々しかった時代ははるか遠い。同じ言葉が仕返しという物騒な意味合いで再登場したのも、ご時世か
▼「ブラック企業」「追い出し部屋」……。会社の仕打ちに辛抱ならなくても、現実にはなかなか刃向かえない。10倍返しの返り討ちに遭いかねない。せめて堺雅人さん演じる半沢の目力(めぢから)と行動力に溜飲(りゅういん)を下げる。そんな思いの人も多いだろう
▼「チャンバラ小説の痛快さ」を狙った。原作を書いた作家の池井戸潤(いけいどじゅん)さんはかつて本紙にそう語っている。といって単純な勧善懲悪ものでもない。『オレたちバブル入行組』の最終盤の一行に首がすくむ。「人事が全てだ」
広9-2ヤ 広島が大勝
広島が大勝で5季ぶりに4カード連続勝ち越し。0-1の一回にキラの11号2ランなど3点で逆転。三回は広瀬、木村の適時打で3点と加点も効果的だった。バリントンは7勝目。ヤクルトは3回6失点の小川が自身初の連敗で4敗目。
◇セ・リーグ
広島-ヤクルト18回戦(9勝9敗、18時、マツダスタジアム、28168人)
ヤクル100 010 000-2
広 島303 100 20×-9
▽勝 バリントン23試合7勝9敗
▽敗 小川20試合12勝4敗
▽本塁打 キラ11号(2)(小川)岩本5号(2)(藤田)