風箱の徒然ブログ

旅の思い出話から、木工、日常の徒然を気ままに

九州を離れる

2010-01-21 22:08:00 | 1996~97原付日本一周後半編
1997年5月31日

今日九州を離れる。
16:00出港。

フェリー「ふく彦」は、一応船首などの区別はあるようだが、一見前後がどっちか分からない前後対称になっている不思議な格好をした船だ。

運賃は、原付+人で250円。
関門トンネルより値段は張ってしまうが、気は楽だ。
いきなりフェリーの事を書いてしまったが、話は少し遡る。

ここ唐津の虹の松原は、その名の通り、松林の続く道である。
天気が良いと言うこともあって、実に気持ちの良い通りであった。
今日中に九州を出て、本州に入りたいと言うのがあったが、その割には出るのが遅かった。

とにかく走った。
見たいところはいくらでもあるのだが。
九州ラーメンでも食べたかったがそれもやめた。
そのくせ、ジョイフルなんてファミレスで昼食取っているのだから自分の気持ちもいい加減なものだ。

いつもそうなのだが、午後になると何だかイライラしてしまう。
尻も痛い。
体も疲れてくる。
ろくに休みもとらずに走りっぱなしにしてしまうのがいけないのだろう。
僕はどうしていつも突っ走ってしまうのかな?

我ら波照間キビ刈り隊のもんぺ姫、AYさんの事を思ったりもした。
自分に都合の良いことばかりイメージしてしまって、片思いかもしれないのに。
左胸のポケットにはAYさんが作ってくれたテルテル坊主が入っている。

15:30フェリー乗り場に着いた。

いよいよ九州ともお別れだ。
でも近いうちにまた来るような気もするし、これからもちょくちょく来ようと思っている。
九州、良い所だ。

フェリーはわずか13分。
あっという間に着いてしまった。
16:13。日が暮れないうちに早いとこテント張れる所見つけたかったし、風呂に入りたかった。
4日入らないとつらい。

本州最西端の(日記空欄)という所に広い空き地があり、とても良いテント場になりそうだったので、ここに張ろう。

その前に風呂だ。
ちょっと遠いが川棚温泉まで行った。
そして戻ってきて、ここに張った。
波の音が聞こえ、夕陽が美しかった。


明るいうちにズボンの両膝に開いてしまった穴を繕った。
ヘタクソな裁縫だが。
4日振りの風呂は実に気持ち良かった。

束の間の出会い

2010-01-19 23:17:00 | 1996~97原付日本一周後半編
1997年5月30日

冷水岳の近くの坂道の空き地にテントを張って飯を炊き、そしてすぐに眠ってしまった。

朝、起きて、道沿いに咲いているアジサイがきれいだなあと思いながら見ていた。
テントの結露がすごい。


ここはちょっと蚊が多い。
松林は蚊が少ないが、杉林はブンブン飛んでいる。

家に帰るのもあと数週間だろう。
梅雨になる前にとにかく九州は出たいので、かなりの急ぎ足で走ってきてきたが、後悔はしていない。
それよりベンリイ号が心配だ。
3本もスポークが折れた状態で走り続けているので、気が気でない。
エンジン・ミッションのメカノイズも少しザラついてきたような気がする。

のどかな田舎道を走っている時だった。
家の軒下にチョコンと座っているおばあちゃんが、ニコッと笑って頭をコクッとしてあいさつしてくれた。
本当に嬉しい。

ほんの一瞬のすれ違いにも出会いはあるのだ。
テントを片付けていた時にも、通りがかりのおじいさんが、「おはようございます」とあいさつしてくれて、泣きたくなるほど嬉しかった。

しかし、都会に近づくにつれて、そういった温かい一瞬の出会いすらなくなってくると寂しいものだ。

なぜ?どうして話せなくなるの?
素直になれた沖縄が懐かしく思われた。

四次元パーラー「あんでるせん」その3

2010-01-10 11:28:00 | 1996~97原付日本一周後半編
手品なのか、本当の超能力なのか、今になると解らない物もいくつかあったが、どう考えても超能力なのかなと感じる「奇跡」もあった。

これは自分がどう第三者に伝えようとも、あまり意味の無い事なのかもしれない。
目の前で起きた事実をただ、自分がどう受け取ったかで良いのかなと思っている。

ここでは、ただ単に見たことを書きとめておくに留める。

・・・さて前回の続き。
どこから来たのか知らないが、この「不思議を」見に来た人はざっと20名以上。
同じような目的で来た人達だから、もっとフレンドリーかなと思ったのだが、意外と閉鎖的で、客層と言うか雰囲気はあまり良くなかった。
・・・いやこれは自分がその時そう感じていただけなのかも知れないが。

マスターはとても良い人で、時々ジョークを飛ばしてギャラリーを沸かせる一方で、世の中の事物の確信に触れるような発言もしたりする。
単なる不思議な人ではなく、メッセンジャーなのかなとも感じた。

ショータイムは13:30~16:00まで。
自分達が店に入ったのが10:40だったから、えらく長居している事になる。
中には待ちきれずにショーが始まる前に途中で引き上げた人もいた。

さて、ショーの続き。
アナログ時計の針を手に載せただけでリュウズを使わずに止めたり、長・短針をグルグル回して見せたり。
これは、時計のムーブメントをマスターのパワーで無理やり動かしているのだそうで、機械が壊れる事もあるとか。

マスターは右脳と左脳のバランスの事について言及する。
こういった事は主に右脳による「イメージすること」が大切になるらしい。
左脳はどうしても理屈になってしまうから、こういう事をやるには理論的思考は邪魔になるらしい。

スプーン曲げなど、もうごく当たり前の事だった。
スプーンをフォークに変える事もやった。
スプーンの頭をグッと握ったら、(どっちの手だったかは失念)腕の関節辺りからフラッシュのような閃光がパッと出た。
マスターが握った手を開くと、グニャグニャのフォークになっていた。

100円ライターを、まるで柔らかい飴でも曲げるかのようにグニャリと曲げてしまう。

ギャラリーの中の何人かの、(互いに初対面のはず)名前を当てる。

予知能力で、その日の朝にマスターが何かメモを書いているらしい。
ギャラリーの誰かを指名して白紙を渡し、その場でメモや絵をを書いてもらう。

マスターが朝に書いたメモをカウンターの隅に置いてある財布から取り出し、今指名した人に書いてもらったメモと照合する。
マスターのメモには、書いた人の名前と車の絵が。
指名された人のメモの車の絵と見事合っている。
しかもその人の名前はマスターの書いたメモの名前の人だった。

さすがにこの時は狭い室内のギャラリーの皆がどよめいた。


ESPカードやトランプを使った絵当てや数字当てもあった。
全て正解。間違いゼロ。

また念写もやった。
これは自分だけかも知れないが、マスターが電池の無くなりかけたポラロイドに手を当ててバッテリーを回復させていたのに内心笑ってしまった。

ギャラリーのある人を指名して、適当に選んだトランプの数字と模様を覚えてもらう。
それからマスターがその人をポラロイドでパシャリと一枚。

数分すると、ボーっとその人の顔が出てきたが、頭の辺りにそのトランプの絵柄と少女の顔が小さく一緒に写っていた。

その人が覚えたイメージって脳裏にこういう風に映るんだなと。これはとても興味深かった。
因みに少女顔は心霊写真ではなく、その人の知り合いとか関係なく、潜在的に印象に残った物がよく一緒に写ったりするらしい。
写された当人が言うには、妹さんの幼少期ではないか?ということらしかった。

理論とイメージは違う物のようだが、マスターはその両方をバランスよく持っているのかなと思うのが、店内のあちこちに置いてある折り紙だ。
誰かの似顔折だったり、動物だったり、平面的な物もあれば立体的な物もある。
単に紙飛行機や鶴を折るのとはわけが違う。
高度に数学的な緻密さを感じさせる物ばかりだ。
全てマスターが自分で考えて折ったのだそうだ。
それらの折りの角度もちゃんと数式で書くことが出来るという。

円周率もその場で100桁をスラスラ言っていた。
3.141592653598793238462643383279....
自分も前に円周率の数字に興味を持っていて、一時頑張ろうとここまでは覚えていたのでなるほど合ってると思えたが、これ以上はこっちが解らないから、合っているのかも解らないわけだが・・・・

マスターの予言の一つに、ノストラダムスの予言の1999年の地球の滅亡はないと言うのがあった。
そして、意識革命と今の学校教育について言及。
今の日本の教育は左脳優先、理論が全てといった方針で、これでは、イマジネーションばかりでなく、自然治癒能力さえも低下させてしまったと言っていた。

眉間に第三の目があり、チャクラが出る場所でもある。
頭の頂点に宇宙のエネルギーを取り入れる入り口があるという。

マスターの超能力を調べるために、いくつかの企業や大学もここを訪ねて来たらしい。
SONYにはESP研究部という部署があるらしく、様々な機器を使って超能力を画像に記録しようと試みた話は面白かった。
マスターは、おそらく生まれつきこういう能力が強かったのだろう。
それを自身で気づき、ESPカードなどを使って、訓練したことで、今のこの並外れたパワーを維持できるのかなと思った。

日本のマスコミと言うか、テレビ番組でこの手の内容を扱う事があるが、放送や記事を作っている人のセンスが無いのか、ただの安っぽいオカルトネタの扱いにしか感じられず、自分としては誠に残念に感じている。

スプーンを曲げたり、100円ライターを捻ったりする事自体が超能力なのではなく、宇宙エネルギーやチャクラなどのまだ解明されていないエネルギーを、雑念の無いイマジネーションによって、物質の組成を自在にコントロール出来る事が超能力なのだ。

まあ、超能力と言われる不思議な事が、具体的に説明できていない(一部の人にしか扱えない、一般的に出回っていない能力)ので、単なる手品のようにしか見えないし、関心の無い人たちにはどうでも良いことなのかなと。

自分としては、本来人間、あるいは生き物が持っていた能力が、理由は解らないが、退化してしまったのでは?と思っているのだが。


こうして2時間に及ぶショーは終わった。
2000円するESPカードは飛ぶように売れていた。
自分も買ったうちの一人だ。マスターのサイン入り。

店を出て、バイクに乗って走り始めてしばらくは、マスターのずば抜けた超能力の数々が頭に浮かんで消えない。

右脳・左脳かぁ。
僕は左脳で考える方なのかな。
旅の間なるべくイメージという物を意識していたつもりだったが、そんなの全く持って微々たるものだなあ。
自分は全体として左脳で考える傾向なのかな。

意識革命は絶対必要だなあ。
可能性というのは、自分自身でどうにでも変化する。
自分でダメだと思い込んでしまえばそれで可能性のの芽は育たなくなる。
前向きに考えるようにしてゆけば、自分もその周りもそのように変化してゆく。

マスターを見ていたら、少し楽になった。

四次元パーラー「あんでるせん」その2

2010-01-09 21:52:00 | 1996~97原付日本一周後半編
さて、長い事待った(待たされたと言った方が正しいか?)エスパーショーが始まった。

早い者順に店の開店前に整理券が配られ、早い人はカウンターのいちばん近い所で見る事ができる。
このショー自体は無料だ。
何でも信じやすい自分は、目の前で起こっているこれらの「奇跡」が単なる手品であるとは到底思えなかった。
本物の超能力だと感じていた。
こういった「不思議」を目の当たりにしたのは生まれて初めて。

千円札を手のひらで浮かすのは序の口。
まるで蝶のようにヒラヒラと宙を舞う。
マッチ棒を手のひらの上でいとも簡単に立たせる。
そのマッチ棒の先端からマスターの「気」がモヤのように視覚で確認できるらしいが、角度が悪くて見れなかった。

この人のパワーは半端ではない。

豆電球を宙に浮かせながら光らせたり、ニクロム線を持っただけで赤く熱してしまう。

500円玉を手のひらに載せて、4cm位の木の板で、まるでせんべいでも割るかのように簡単に割ってしまう。
しかもその割れた硬貨はすぐに手で元の姿に戻ってしまった。

100円玉にたばこを通してしまう。
引き抜くと穴が開いている。
タバコに金属の分子が溶け込んでいるらしい。

再びその穴に入れて、引き抜くと、元の100円玉だ。

・・・硬貨のタバコ通しはマジックのネタでも存在するので、半信半疑だが・・・

1000円札も同じようにボールペンでプスリと通す。
これはだれでもできる。
しかし、違うのは、通したまま札の中を移動してしまうのだ。
引き抜けば穴は無い。

50円硬貨を1000円札に刺す事もやった。

色が全くバラけたルービックキューブをぽんと上に放り投げたら、瞬時に全ての面の色が揃ってしまった。

コカコーラの瓶にどう見ても瓶の口より大きい500円硬貨を入れてまた出したり、ガラス瓶の中のボルトとナットを触らずに緩めたり、まあ、ただただ驚くばかりだった。
でもこれも、今はテーブルマジックでやる人けっこういるんだよなあ・・・

続く・・・


ハウステンボスと四次元パーラー「あんでるせん」その1

2010-01-01 23:01:00 | 1996~97原付日本一周後半編
1997年5月29日
朝5:30に目が覚め、昨日炊いたご飯の残りで朝食。
この後、ハウステンボスに向かった。

妹尾河童氏の本にここの事が書かれていて、ぜひ一目見ておきたいと思ったのだった。

塀の外からドム・トールンが聳え立っているのが見える。


それを見ただけでも、単なるテーマパークとは違い、力の入った施設なのかなと思った。
入ってみようと受付まで行ったが、入場4200円!!もかかるので今回はあきらめた。

そしてここを離れ、超能力喫茶「あんでるせん」へ向かう。
ここは川棚と言う所にある。
天気が心配だったのでやめようかとも思ったが結局行く事にした。
10:40に店は開く。
すでに店の前には超能力を見ようと数十人が待っていた。

シャッターが開き、店に入ったは良いが、ここからが長かった。
注文はサンドイッチ。600円。

店自体は1970年代テイストの、ちょっと薄汚れた何の変哲もない喫茶店。
もし、マスターが超能力を持っていなかったら、とっくに潰れていたのでは?(失礼)と思えるほどのしけた店構え。

しかし、その中で、たくさん飾られた、不思議な折り紙が目に付いた。

注文のサンドイッチが来るのに1時間。
不機嫌そうに店を歩き回る奥さんらしき女性が印象的。
一度に20数名が押しかけてきたわけだから大変なのは分かるが・・・。

ひたすら「超能力ショー」を待っていた。

その待ち時間が長かった。

ああ、今日はそんなに動けないなと思った。

サンドイッチなどとっくに食べ尽くし、あまりに退屈で仕方無いので店内を見回すと、折り紙の他にもも不思議な物がゴロゴロ。

・・・待つ事3時間・・・
もうほとんど待っているだけで疲れてしまった。

ようやくエスパーショーは始まった。

続く