風箱の徒然ブログ

旅の思い出話から、木工、日常の徒然を気ままに

西表島の人を訪ねる

2008-07-13 13:38:00 | 1996~97原付日本一周沖縄編
波照間島で知り合ったジュンさんが教えてくれた、西表に住むジュンさんのスピリチュアルフレンドの加藤さんを訪ねた。
自然農法で米を作っている人だ。

自分が訪問した4月は割合暇な時期のようで、別の仕事をしていた。
17:00頃訪ねると、部屋の方から元気な明るい声が返ってきた。
「あー!どうぞぉー!」

「失礼します。」

玄関に、猫が5~6匹山のようになってかたまって眠っている。
「いやー、もっといるんだけどねー。」

「え!?この他にまだいるんですか?」

「そうよぉ。」

部屋に入り、雑談する。
ジュンさんとの関係を聞いてびっくり。3回しか会ったことがないと言う。
加藤さん曰く、人とのつながりは会う回数ではない。
たとえ1回きりでも、互いがその時楽しかったらそれで良いと思う、と言うことだ。

加藤さんは西表に25年(1997年当時)住んでいる。
17~19歳の時に歩いて旅をして、あちこち行っていたようだ。
この人も旅人だったんだと知ると、気さくな飾らない話し振りもあって、歳の差とか関係なく、とても親しみがわいてきた。

米作りをしているとジュンさんから聞いていたので、「農業なんですか?」と聞くと、即座に否定した。
「いや、僕は農業は嫌いなんだ。工業とかと同じで、ただ無味乾燥に物を生産して、病弱な品質の悪い物を売る事はしたくないんだ。」
「僕は百姓で、作る事が楽しいんだ。」

ははー。ジュンさんがこの人を教えてくれた理由が分かったような気がする。
加藤さんは、とにかく水稲を育てるのが楽しくて、楽しくて仕方ないらしい。

そのとき、奥さんも帰ってきた。
姉さん女房で、東京の人だった。波照間大好き人間だ。

ピタンガという果実を出してくれた。
赤い色で、一見野イチゴのような形をしている。
酸っぱくて、いかにもビタミンCがいっぱいと言った感じの、美味しい果実だ。


奥さんも加わって、3人で雑談を楽しむ。
二人のお話を聞いていると、どうもこの家には様々な人種、様々な性格・年齢の人が訪れるらしい。
来るものは拒まず、まさに「人を呼び寄せる家」なのだ。

僕のように口コミや、伝手をたどって来る者も多い。
だからと言って、ここは民宿でもユースホステルでもない。

「変な所でしょ?」
とご夫婦揃って言いつつも、そう言うのをとても楽しんでおられるようだった。
猫達も人懐っこくてスリスリして寄ってきてくれる。

すっかり陽も落ち、夕食をごちそうになり、さらに話を聞く。
加藤さんは旅人だったから、タテの関係ではなく、ヨコの輪と言うものをとても大切に考えているようだった。
そうしてできた友達や知り合いを、とても誇りにしているし、大切にしている。

これって、人間が人間らしく付き合う原点なんじゃないかなと思った。

会った回数ではない、互いが打ち解け合い、楽しいと言う事。充実していると言う事。
それを「うらやましい。」と突き放して指をくわえて見るのではなく、そこに入っていけばいいんだ。
彼らは「絶対」良い人達だから。

一つの場所にこだわる必要はないんだ。
視野を広げて、たくさんものを見るがいい。
必ずそこには会うべき人がいるから。

加藤さんの話を聞いていると、楽しくてワクワクする。
まだまだ興味は尽きないが、夜も更けたので、お開きになり、一泊させてもらった。

西表島へ

2008-07-07 23:18:00 | 1996~97原付日本一周沖縄編
1996年4月28日~30

朝7:00頃起きて、早速パッキングの準備にかかる。
なにしろ荷物が多い。
早いところ、余計な物は家に送らなければ。
フィンランドの話を聞かせてくれた、大阪のNさんが起きてきて、話しかけてきた。
Nさんは5月1日に帰るとの事だった。

準備は整った。
8:00出発。
8:40頃離島桟橋着。
西表の大原行きの船に乗る。
フェリーかりゆしという名前だ。
一見すると、自衛隊か軍の上陸用舟艇みたいだ。


船一杯、ギチギチに荷物を積んで、バイクはギリギリ載ったという感じだった。
覆うものがないので、天気が悪かったら、まともに波をかぶってしまうだろう。

天気が良くてなによりだった。
のんびりと100分船の上で過ごす。

11:10大原港着。
さあ、やっと西表に着いた。
港にある東屋の下で少し休んでから、南風見田(はえみだ)へ。
大原から7~8km位のところだった。
浜にテントを張る人はほとんどなく、浜に沿って生えている林の中にひっそりとテントが散らばっていた。

とりあえず下見だけして、この日は星の砂の取れる浜へ向かった。
20km位走ったところで、雲行きがあやしくなり、とうとう雨が降ってきた。
ちょうど由布島のあるあたりで、屋根のある美原のバス停で雨宿り。


しかし雨は激しくなる一方だった。
このままここにいるわけにもいかないので、雨装備をし、バス停を出ようとしたその時だった。

手押しでバイクを切り返そうとした。
荷物が重くて少しバイクがふらついた。
はじめ、後輪が土手の縁に落ちて、あわてて前ブレーキをかけたが効かず、そのまま土手にズルズルと落ちてしまった。
土手の高さは2メートルはあったろうか。

ア!アレアレ・・・アレレレ・・・・。

左足が挟まって抜けなかったが、痛くはなかった。ちょうど溝に入ってバイクに当たらなかったようだ。

さて困った。

バイクを起こそうとしたが重くてだめだった。
その時に、NTTの人が2人通りがかって、「大丈夫か?」と助けに来てくれた。
3人で土手から上げ、ようやく落ち着いた。
助けてくれたNTTの人にお礼を言い、気を取り直して星の砂に向かおうと思ったのだが、とにかく雨の降りが激しい。

土手の一件でドッと疲れたので、南風見田浜に引き返す事にした。

そうしたら、いつの間にか雨は上がり、シットリと濡れた雨具も乾いてしまった。
青空も見えてきた。
これが南のジャングル島、西表の天気なのかな?と思った。

とりあえず、浜の入り口付近にテントを張ることにした。


偶然の再会

2008-07-03 22:24:00 | 1996~97原付日本一周沖縄編
1996年の7月に、北海道を回っていた時の事。美瑛の白金キャンプ場で大阪のキャンパーNさんと出会った。

そして、1997年になって、ここ米原で偶然再会。
彼は自分の名前を覚えていてくれて、ダンロップのテントとベンリイCD50を見て僕だと確信し声をかけてくれたのだそうだ。

ソーセージなど焼いて食べさせてくれ、1月にフィンランドに行った話しを聞かせてくれた。
マイナス30℃にもなると鼻毛が凍るという感じが分かったと言っていた。
消費税が22%で、治安は良く、夜も割合安心して出歩けるらしい。

ただ、食べ物が合わないと言っていた。
香草を何にでもたっぷり使うので、香りが強すぎて、美味しくなかったらしい。
持参したレトルト粥の方がはるかに美味しかったとか。
野菜の酢漬けにからしをつけたものや、トナカイ肉のステーキも味付けがひどく、食べられなかったらしい。
Nさんにとって、フィンランドの料理はいまいちだったようだ。

彼は、次回はオーストラリアに行くと言っていた。
大阪に来たらぜひ寄ってくれと言ってくれた。

さて、自分は、そろそろ八重山巡りをしたいな。
まずは西表に行こうと決めた。

不思議なきのこ

2008-07-01 21:21:00 | 1996~97原付日本一周沖縄編
のんびり米原キャンプ場生活。

波照間では、ろくにベンリイCD50に手入れをしなかった。
サビ取りに、チェーン張りに、チェーンオイルの補充に、クラッチの調整。

あとはずっとキャンプ仲間とだべっていた。
自分としては、ここに長居せずに残りの旅をしないとなあという思いがある。
しかし、みんなは「もっと長く居ろ~。」と言う。
居心地が良いので、時間とともにダラーっとしてくる自分がいて危ない危ない(笑)。

夕方、クマさんがどっかから採ってきたという、きのこのスープを作っていて、ひそかに待っていた。
晩飯は煮た米とたまご焼き。それに、クマさん特製の怪しいきのこのスープ。
スープの味は悪くない。

「で、クマさん。このきのこ、何?」
「あ、それね。マジックマッシュルームだよ。」
「牛の糞によく生えているよ。大丈夫、ちゃんと洗っているから(笑)。」



は?




マジックマッシュルーム?

牛のウンコォ~?


一緒にいたキャンパーに、少し詳しく説明を聞いてびっくり。


マジックマッシュルームとは
ウィキペディアにリンク


幻覚キノコの一種で、LSDのきのこ版らしい。
ものすごくハッピーな気分になったり、反対に沈没したり、色彩が鮮やかになったりするらしい。
ただし、一度に大量に食べると、幻覚が過ぎて、高いところも恐怖感がなくなり、飛び降りたりして、死ぬ事もあるとか。

ひえ~こんなもの食べちゃったの~?

クマさん曰く
「K君のはごく少しだから、大丈夫だよ(笑)」

1時間くらいしたら、脳がジワジワとシビれてきた。
体中の力が抜けていく感じだ。

クマさんに連れられて、砂浜に出た。
キャンプ場は砂浜の隣なので、歩いてすぐが砂浜なのである。

自分は黄色いもの、例えば落ち葉とか流木などが鮮やかに見えた。
海を見てみるとさざ波が虹色に見えた。
はじめは風で波が立っているのかなと思ったが、動きが変だ。
よく見てみると勝手にうねっている。
自分の意識で、その虹色の波を動かせるのだ。

ははー、これがマジックマッシュとやらの効果の一種ですか。
軽ーーい麻薬みたいなものだろう。

クマさんは僕のは量が少ないと言ったが、それでもけっこうフラフラする。
酒に酔ったのとは違うフラフラ感。
何人かそのスープを飲んだが、全く症状が出なかった人もいて、効果は人それぞれらしい。

その後もう一度別の友達とマジックマッシュルームを食べる機会があったが、この時は何も症状が表れなかった。

これは1997年当時の話です。
2002年から、マジックマッシュルームを、幻覚遊びなどで栽培・採取する事は法律で禁じられています。