[前回までのあらすじ]
初めて海上に出た人魚姫は嵐で遭難した王子様を助け、浜辺へと上がります。そこに悪魔の使いがちょう番の娘が現れて…
「…あの、私、やっぱり皆さんに謝って、何とか許してもらいます」
人魚姫は弱気な表情で口を開きました。
「何年かかっても、誠意があればきっと伝わると思いますから…」
がちょう番の娘は冷笑を浮かべ、水晶球を取り出しました。
「貴女の選択は、そんな簡単なものではないと思いますよ」
水晶球は海辺の城を映し出しておりました。そこにはズラリと旗を持った兵士が並んでいます。
「羅将バン様の遺体が流れ着きました」
「…讃えよ!」
一人の男が命令すると、旗持ちが一斉に旗を掲げました。水中に浮かぶ屈強な男の遺体に命令した男が歩み寄ります。
「…バン」
男は遺体を抱きかかえました。
「安らかに眠るがいい。おまえの敵はこの俺が、必ず!」
水晶球に映っていた風景が消えました。
「あのバンは船に乗っていた人です。見覚えがあるのではありませんか?」
「う、うぅ…」
「そして、あのヒョウガなる男はもう一人の羅将であり、そして双方ともに記憶はないけれど実はそこに眠る王子様の兄なのです!」
がちょう番の娘、勝ち誇ったかのような笑みを浮かべました。
「貴女は王子様を助けてしまったために、王子様の兄の強敵(とも)を死に至らしめたのです。もはや兄弟の対決は必至…ということですわね」
「ガーン!」
「…貴女には悠長に他人の許しなど乞うている時間はないのです。私とともに参る以外に更生する道はありません」
「で、では、どうすればいいのでしょう?」
人魚姫はすがるようにがちょう番の娘を見上げました。
「簡単です。貴女が見捨てた船の人達が全員生き返れば、貴女は誰も見捨てなかったことになります。つまり、船に乗っていた人を全員生き返らせればいいのです」
「そ、そんなことが地上ではできるのでしょうか?」
「もちろん普通には無理です。しかし、この世に七つある竜の棒・ドラゴンポール(bではなくp[笑])を集めて、七つ集めたら呼び出せるという神竜に頼めばいいのです」
「ドラゴンポール…」
「貴女に残された道はそれしかないのです」
「……ですが、私には足がありません」
確かに人魚姫の下半身は魚のままです。これでは陸上で動くことができません。
「ふむ。まあ、足の問題解決までやると3000字を超える超長文になりますので、それは今後に引き継ぐとしましょう。あとは仲間が足りませんわね。仲間がいないとこれから待ち受ける困難をしのぐことは到底不可能でしょう」
「えっ、私を助けてくれないんですか?」
「何も悪いことをしていない私がどうして貴女を助ける必要があるというのでしょうか? 大体口調が同じなので読む側も混同しそうではないですか。ここまであれこれ考えてあげているだけでも感謝してもらうべきなのですよ」
「す、すみません…」
人のいい人魚姫はがちょう番の娘の言葉をそのまま信じ込みました。
「そうそう。頼りになる犬がおりますので、これを仲間として使ってください」
がちょう番の娘はがちょうの番犬を一匹連れてきました。それは白と黒のストライプの奇麗な犬でした。
「まあ、何とも端正な犬…あっ?」
人魚姫が犬の頭を撫でようとすると、突然犬が光り輝き、白と黒のストライプは青と黒のストライプになりました。
「この犬はズラタンといい、技巧・パワー・スピードを兼ね備えたスーパードッグです。ただし、自分勝手で気に入らないことがあると主人であってもすぐに噛みつきますので気をつけてください」
「そんな犬しかいないんですか?」
人魚姫の抗議を無視してがちょう番の娘はズラタンに話しかけます。
「ズラタン。これからは人魚姫のために頑張るのですよ」
「ワンワン(訳:給料と三食とおやつをきちんとくれて、休暇もしっかりくれるなら、しんどくならない程度に頑張るぜ)」
「おやつまでいるんですか」
「ワン、ワン(訳:そんなの常識さ)」
「男おやつ」が常識に(IT media)
「……」
「それでは、足の問題をどうにか解決しましょう。ついてきてください」
「は、はい…」
人魚姫は、地上は甘くないのだということを思い知りました。
続く
初めて海上に出た人魚姫は嵐で遭難した王子様を助け、浜辺へと上がります。そこに
「…あの、私、やっぱり皆さんに謝って、何とか許してもらいます」
人魚姫は弱気な表情で口を開きました。
「何年かかっても、誠意があればきっと伝わると思いますから…」
がちょう番の娘は冷笑を浮かべ、水晶球を取り出しました。
「貴女の選択は、そんな簡単なものではないと思いますよ」
水晶球は海辺の城を映し出しておりました。そこにはズラリと旗を持った兵士が並んでいます。
「羅将バン様の遺体が流れ着きました」
「…讃えよ!」
一人の男が命令すると、旗持ちが一斉に旗を掲げました。水中に浮かぶ屈強な男の遺体に命令した男が歩み寄ります。
「…バン」
男は遺体を抱きかかえました。
「安らかに眠るがいい。おまえの敵はこの俺が、必ず!」
水晶球に映っていた風景が消えました。
「あのバンは船に乗っていた人です。見覚えがあるのではありませんか?」
「う、うぅ…」
「そして、あのヒョウガなる男はもう一人の羅将であり、そして双方ともに記憶はないけれど実はそこに眠る王子様の兄なのです!」
がちょう番の娘、勝ち誇ったかのような笑みを浮かべました。
「貴女は王子様を助けてしまったために、王子様の兄の強敵(とも)を死に至らしめたのです。もはや兄弟の対決は必至…ということですわね」
「ガーン!」
「…貴女には悠長に他人の許しなど乞うている時間はないのです。私とともに参る以外に更生する道はありません」
「で、では、どうすればいいのでしょう?」
人魚姫はすがるようにがちょう番の娘を見上げました。
「簡単です。貴女が見捨てた船の人達が全員生き返れば、貴女は誰も見捨てなかったことになります。つまり、船に乗っていた人を全員生き返らせればいいのです」
「そ、そんなことが地上ではできるのでしょうか?」
「もちろん普通には無理です。しかし、この世に七つある竜の棒・ドラゴンポール(bではなくp[笑])を集めて、七つ集めたら呼び出せるという神竜に頼めばいいのです」
「ドラゴンポール…」
「貴女に残された道はそれしかないのです」
「……ですが、私には足がありません」
確かに人魚姫の下半身は魚のままです。これでは陸上で動くことができません。
「ふむ。まあ、足の問題解決までやると3000字を超える超長文になりますので、それは今後に引き継ぐとしましょう。あとは仲間が足りませんわね。仲間がいないとこれから待ち受ける困難をしのぐことは到底不可能でしょう」
「えっ、私を助けてくれないんですか?」
「何も悪いことをしていない私がどうして貴女を助ける必要があるというのでしょうか? 大体口調が同じなので読む側も混同しそうではないですか。ここまであれこれ考えてあげているだけでも感謝してもらうべきなのですよ」
「す、すみません…」
人のいい人魚姫はがちょう番の娘の言葉をそのまま信じ込みました。
「そうそう。頼りになる犬がおりますので、これを仲間として使ってください」
がちょう番の娘はがちょうの番犬を一匹連れてきました。それは白と黒のストライプの奇麗な犬でした。
「まあ、何とも端正な犬…あっ?」
人魚姫が犬の頭を撫でようとすると、突然犬が光り輝き、白と黒のストライプは青と黒のストライプになりました。
「この犬はズラタンといい、技巧・パワー・スピードを兼ね備えたスーパードッグです。ただし、自分勝手で気に入らないことがあると主人であってもすぐに噛みつきますので気をつけてください」
「そんな犬しかいないんですか?」
人魚姫の抗議を無視してがちょう番の娘はズラタンに話しかけます。
「ズラタン。これからは人魚姫のために頑張るのですよ」
「ワンワン(訳:給料と三食とおやつをきちんとくれて、休暇もしっかりくれるなら、しんどくならない程度に頑張るぜ)」
「おやつまでいるんですか」
「ワン、ワン(訳:そんなの常識さ)」
「……」
「それでは、足の問題をどうにか解決しましょう。ついてきてください」
「は、はい…」
人魚姫は、地上は甘くないのだということを思い知りました。
続く
((((;゜Д゜)))
しま模様は白黒から青黒になりましたが、どんな時に黄色のオプションになるのか気になります(笑)。
ということはズラタン=シャチですか?(笑)
がちゃさんも書いてますが,ズラタンの黄色はあるんですかね?
監督のご機嫌損ねたままですが…。
黄色のオプションは全く考えていませんでした。
黄色のオプションも全然考えておりませんでしたが、あっても良さそうなので何か考えることにします。
までスケールがでかいですね
(☆゜∀゜)ノ彡アハハハ
今後の展開が気になってしかたないです。
職場のおやつってよくみんな食べてましたね。
お客様の見えないブースじゃ別にいいんじゃないかとは思いますけど、
ハタからみたら確かにだらしなくは見える
とは思います。
職場おやつは別にいいとは思いますけれど、食べた後に職場が汚れる可能性もあるでしょうし、方法は考えるべきなのではという気がします。