人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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福永陽一郎指揮『蔵王』他

2017-02-11 05:00:00 | 音楽

昨日、2月10日は、福永陽一郎先生(→こちら)のご命日であった。
福永先生は、東芝を中心に多くの合唱録音を残してくださった。佐藤
眞の『蔵王』や『旅』もその一つだ。

佐藤眞の『蔵王』については、既に少しばかり書いた→こちら。佐藤氏
がこの混声合唱曲を作曲したのは、東京芸大の学生で、まだ22、3歳
の頃だったという。

先日、ネットをウロウロしていたら、東芝の合唱名曲コレクション--
福永先生指揮、日本アカデミー合唱団、ピアノ三浦洋一の『蔵王』中古
盤が破格の「送料込み398円(!)」で販売されていたので、懐かしく
て買ってしまった。

「懐かしくて」というのは、以前LPで持っていたが、数年前にマーケット
で売却してしまったためである。

演奏は、このブログを書いている今も聴いているが、福永先生らしい、
何というのかしらん、こじんまりとしていない、声の響きも十分な、本格
的発声のスケール大きな演奏だ。



演奏している「日本アカデミー合唱団」は、「本名」は隠されているが、
たしかほとんど&/or全く、京都エコー合唱団である。

京都エコーは、昭和38(1963)年に前合唱連盟理事長の浅井敬壹
さんが23歳で立ち上げた混声合唱団だ。福永先生が東芝の合唱名
曲コレクションシリーズを録音する時に、「日本アカデミー合唱団」と
いう名前で録音していた。

京都エコー合唱団は、今年で創立54年。メンバー交代がうまく行って
いるのかしらん、今も浅井さんとともに健在のようだ。

長い余談となってしまうが、
浅井さんは昭和14年の生まれ、2歳から7歳半まで満州に育ち、終
戦後引き揚げたという。
浅井さんの「私の合唱人生」(『日本の合唱史』内)がおもしろい!

これによれば、同志社グリーの学生指揮者だった浅井さんは、OB会
に相談せず、福永陽一郎先生を「技術顧問」として招聘したために、
同志社グリーの「OB会によって除名に近い扱いを受けた」という(へ
~、そんなことがあったんですね~)。

「志賀高原の合宿に、福永先生の兄貴分の畑中良輔先生が来てくだ
さった。あまりにも偉大な方なので驚いたと同時に本当にうれしかっ
た。すばらしいレッスンをしてもらった(いまも先生に指導してもらって
いる慶応ワグネル・ソサィエティーは幸せだ)」(2011年『日本の合唱
史』--「私の合唱人生」より、原文のまま)



話を戻して、
福永先生が生きておられれば、現在、90歳を迎えておられる。63歳
でのご逝去が今更ながら惜しまれる。いつの日か、木下先生や畑中
先生とともに音楽の素晴らしさを教えていただいた感謝の意味を込
めて、お墓参りに行ってみたい(兵庫県かしら?)。



これが398円


福永陽一郎著『演奏ひとすじの道』
--こちらは福永陽一郎先生を知る必読書


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