11月6日(土)、慶應義塾ワグネル・ソサィエティーOB合唱団の定期演奏会2010
を聴いた。(大田区民アプリコ大ホール)
大田区民アプリコ大ホールは定員1,477人。ほどよい規模のホールである。緞帳
(どんちょう)はない。13:55ギーンゴーンと大きなチャイム。アナウンスの声が
大きい!14:00ちょうどに下手からOB合唱団が入場してきた。温かい拍手に迎え
られる。
90名弱による、オープニングの「塾歌」によって、そこのホールトーンの度合いが
分かる。2階で聴いていると、よく響くがややボワーッとなるように聴こえる。
1.シベリウス合唱曲集「六つの男声合唱曲」(指揮;大久保光哉)
OB六連より“進化”していてよかった。この曲の生演奏を聴ける機会はそう多く
ないのでうれしい。Topを中央にするフォーメーションもおもしろかった。終曲「我
が心の歌」ではあえてザッツを出さない大久保さんの指揮によくつき、心の演奏だ
った。予期せぬアンコールの「フィンランディア」にはなぜか涙が出た。
藤森氏のプログラム解説「民族の覚醒~フィンランド音楽の誕生」がよかった。と
くに「六つの男声合唱組曲」の内容がコンパクトで分かりやすい。
2.「沖縄美(ちゅ)ら唄」(編曲・指揮;須田和宏、ピアノ;中村友美)
かりゆし(?)スタイルの登場に会場がわいた。(写真ご参照。)「花」、「涙そ
うそう」など誰もが一度は耳にしたことがある曲が並んだ。やや音符の見える部分
もあったが、“自然体”のよさが会場に広がった。終曲の「島唄」は編曲がおもし
ろかった!
3.「女声合唱とピアノのための 赤い鳥小鳥-北原白秋童謡詩集-」より
(指揮;樋本英一、ピアノ;中村友美、ワグネルOG合唱団)
唯一の暗譜ステージだった。OGの皆さんは、なにより姿勢(ポスチャー)がい
い。北原白秋の童謡を6曲メドレー(信長貴富編曲)として歌った。ニュアンスも
なかなかに、樋本先生がここぞというところで大きく振って、精一杯鳴らした。
コンクール的にいえば入賞間違いなしでしょう。
4.男声合唱曲「枯木と太陽の歌」(ドイツ語版)
(指揮;佐藤正浩、ピアノ;前田勝則)
あらためて気づいたが並び方がきれいである。佐藤先生は指揮棒なし。ピアノ伴
奏は、期待通り出だしからすばらしかった。珍しい独語版による演奏。個人的に
は、独語版は(オーバーにいえば)無謀ではないかと思われたが、譜面持ちなが
ら、大変よかった。デュナーミクもあり、ハッとさせられる部分もほどほどの粘
りもあり、すばらしかった。私は、独語の「努力賞」に対して、ブラボーを叫ん
だ。
アンコールは「同じ信長さんの別編曲」で「この道」。--こった編曲だった。
15:58終演。
* * * * *
11月7日(日)、レンチャン(連荘)となったが、新日フィルのトリフォニー定期
2日目を聴いた。(すみだトリフォニーホール14時)
1957年ドイツ、ハノーファー生まれの才人インゴ・メッツマッハーが新日フィル
に初登場である。幅広いレパートリーを持ち、革新的なプログラムも魅力なよう
だ。ベルリン・フィル、ウィーン・フィル等にも既に呼ばれている。
この日はマーラー生誕150年の年を記念して、交響曲第6番という大作、一本勝負
であった。(オンステ人数は120名)。
開演15分前に着席。ステージに目をやるとコントラバスが下手に並んでいる。上
手にはハープとチェレスタが2台ずつ。演奏が始まって気づいたが、ヴァイオリン
は対向配置だった。
マーラー 交響曲第6番「悲劇的」
第1楽章 アレグロ
第2楽章 スケルツォ
第3楽章 アンダンテ
第4楽章 アレグロ
指揮;インゴ・メッツマッハー
コンサートマスター;豊嶋泰嗣
インゴメッツマッハーは178cmくらいだろうか。指揮棒なしの指揮。左手のサイン
が大きい。
演奏は、メッツマッハーの確信によるものだろう、第2楽章から第4楽章までが続け
て演奏された。第1楽章23分、第2楽章13分、第3楽章17分、第4楽章29分合計80分
を超える、ppp から fff まで・・・・・・喜怒哀楽のルツボである。
これだけ長いと、パーカッションの出番も大変だろう。途中で出たり入ったりす
るパーカッション奏者もいた。(トイレ休憩?まさか。)シンバルなど打ち損なっ
たら大変である。パート譜を見てみたい。
メッツマッハーは、オーケストラを見事にコントロール。第1楽章の「死の行進」、
第2楽章のオーボエとフルート、第3楽章のホルンとヴァイオリンソロ、そしてきれ
いな弦によるメロディー、終楽章のマーチとパーカッション(ドンというハンマー
は2回打ちつけられた。)等々弛緩(しかん)のない80分だった。
f から p で演奏が終わるやブラボーの嵐となった。これだけの大曲でこれだけの
演奏はそうそう聴けるものではないだろう。外来のオケと較べても遜色ない!?
インゴ・メッツマッハー、新日フィルへの次回登場は来年の10月の予定である。
(曲目調整中)
インゴ・メッツマッハー著『新しい音を恐れるな』(小山田豊訳。春秋社)
次回は、M.ヤンソンス/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を取り上げる予定。
<News>
(平成22年)11月20(土)、21日(日)全日本合唱コンクールが行われました。
(於 兵庫県立芸術文化センター)
11月20日(土)大学部門 関西学院グリークラブ 金賞
11月20日(土)一般部門A マルベリー・チェンバークワイア 金賞
マルベリー・クワイア 銀賞
11月21日(日)一般部門B 小田原少年少女合唱隊 銀賞
おめでとうございます!
審査員
清水 敬一(合唱指揮者)
寺嶋 陸也(作曲家)
長谷川冴子(合唱指揮者)
樋本 英一(指揮者)
藤井 宏樹(合唱指揮者)
堀 俊輔(指揮者)
丸山恵美子(声楽家)
本山 秀毅(合唱指揮者)
Jon Washburn(ジョン・ワッシュバーン)(カナダ、合唱指揮者)
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