人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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10/7 東響第68回川崎定期

2018-10-11 05:00:00 | 音楽

明治維新から10年余、明治12(1879)年に音楽取調掛が設置され、
我が国に「五線譜」と「洋楽」がやってきた。

明治20(1887)年、東京音楽学校が設立され、洋楽の邦人作曲家も
誕生する。明治維新後、19世紀後半を誕生日とする邦人作曲家は伊沢
修二(1851年生)に始まり、瀧廉太郎(1879)、本居長世(1885)、
山田耕筰(1886)、中山晋平(1887)、信時潔(1887)と続く。

1900年生まれ以降は続々で、清瀬保二(1900)、大木正夫(1901)、
諸井三郎(1903)、・・・・・・。
東京音楽学校に進学もせず、管弦楽曲を作曲する人が増えてくる。


10月7日(日)、二日酔いでまったく飲まず食わず、ふらふらしなが
ら、東響の川崎定期(於ミューザ川崎)へ。

この日の川崎定期は、20世紀初期を誕生日とする邦人作曲家の管弦楽
を取り上げた。

この作曲家も4人とも東京音楽学校の卒業ではない。深井史郎は明治40
(1907)年生まれ。後の3人は大正3(1914)年生まれだ。

指揮者は、藝大出の大井剛史さんだ。大井さんは、以前『海道東征』
を聴いて、なかなか「感心」(もしかしたら上から目線?)した。


<プログラム>
1.深井史郎(1907-1959) 架空のバレエのための三楽章
(1)発端
(2)踊り歌
(3)幕切れの踊り
2.早坂文雄(1914-1955) ピアノ協奏曲*
(1)レント
(2)ロンド
 --休憩--
3.小山清茂(1914-2009) 弦楽のためのアイヌの唄
4.伊福部昭(1914-2006) 
 シンフォニア・タプカーラ(1979年改訂版)
(1)レント・モルト~アレグロ
(2)アダージョ
(3)ヴィヴァーチェ
指揮;大井剛史
ピアノ;阪田知樹*
コンサートマスター;グレブ・ニキティン


いつもながら、いささかのつたないコメントを・・・・・・

1.深井史郎(1907-1959) 
 架空のバレエのための三楽章(演奏時間概算12分)
(1)発端
(2)踊り歌
(3)幕切れの踊り
拍手によるオケの入場(ここでは入場時に拍手が起きる。)に続き、
長身のコンマス、ニキティンさんが入場、正面で「どうも、どうも」
といった感じのおじぎ。その後、背筋を伸ばした大井さんがスタスタ
と登場。

静かに粛々と、弱音から音楽が始まった。(2)はスケールの大きな音楽。
フルートは日本の横笛だ(日本的な響き)。ヴァイオリンのメロディー
合奏がすばらしい。(3)は賑やかな踊り。大井さんが身体を揺すり、打
楽器全開となった。
弦は14型(14-12-8-10-7)。木管センターは、荒(オーボエ)、相
澤(フルート)、吉野(フルート)、福井(ファゴット)の各氏。

しばしのPause。ピアノが上手から中央へ。

2.早坂文雄(1914-1955) ピアノ協奏曲(同35分)
オケとともにピアノの譜めくりも登場。弦は一回り小さく、12型(12
-10-6-8-5)になる。

ピアニストの阪田さんはフランツ・リスト国際ピアノコンクール第1位。
ニキティンさんと同じくらいの長身で、手も大きそう。ラフマニノフを
彷彿とさせる?

(1)レント
コントラバスの低音にホルンのメロディー(主題)が始まる。テーマは
クラリネット、オーボエなどに受け渡されていく。その後、ピアノの主
旋律に弦が絡んで進んでいく。一緒に階名で歌える音楽だ。長いピアノ
ソロもすばらしかった!

(2)ロンド
こちらは明るい、ファンファーレ風に始まる、8分の6拍子のお祭り的
音楽で、文字どおりピアノとオケの協奏となる。大井さんの右手が細
かく動く。途中で4分の3拍子に変化。再び6/8へ。

阪井さんには、大井さん、オケも含め、会場中が盛大な拍手。大井さ
んは最後にファゴットの福井さんをすぱっと立たせた。

大井さんが下手のイスに座って、阪田さんのアンコールへ(譜めくり
さんの下手退場が演奏開始ギリギリになった)。
初めて聴く曲。半音階、ポツンポツンとゆっくりしたもので、拍子が
あるのかないのか。後から発表を見たら「武満徹」だった。

休憩時間は、ぐったり~と文字どおりの休憩タイム。ワインも飲まず。
飲んだら「迎い酒」?


3.小山清茂(1914-2009) 弦楽のためのアイヌの唄(同6分)
桐朋学園のオーケストラのアメリカ公演のために作曲されたという。楽
器構成は、再び14型の弦楽五部に鈴、ティンパニなどのパーカッショ
ン。細かく動く主題が印象的だ。短い曲だが、中身の詰まった、おもし
ろいというか、独特のリズム(アイヌのリズム?)の音楽だった。


4.伊福部昭(1914-2006) 
 シンフォニア・タプカーラ(1979年改訂版)(同30分)
(1)レント・モルト~アレグロ
(2)アダージョ
(3)ヴィヴァーチェ
前ステージより増え、大人数に。弦は引き続き14型。

(1)はゆっくり~速く~ゆっくり~速くという音楽。速い部分で熱が入
る。
(2)はどちらかというと、雄大に、時間がゆっくり流れる。イングリッ
シュホルンにファゴットが重なり、郷愁を誘うシンプルメロディーだ。

(3)に入ると、パーカッションも参加して、途端に賑やかというか華や
かになる。最後の3分は全員参加(全奏)となる、ものすごい勢いで盛
り上がった。大井さんは、別人になったかのごとく、両手、両足を広げ
て、ここぞと渾身の指揮。東響の合奏力、恐るべし。

伊福部音楽に酔いしれ、伊福部音楽が好きになった。--いい物は好き
になる。そして会場はブラボーの嵐となった。



プログラム



12:16 秋晴れ


12:19


12:20


12:21


12:23


12:29 旧カリタス女子短大 建機が入っている。


12:39 あざみ野


12:49


12:53 南武線 武蔵溝ノ口


13:15 川崎に到着


13:17


13:18 ミューザ川崎の広場


13:19


13:21 ミューザ川崎ホール入口


13:28


13:34 最後は階段を40段上る。いい運動!なり。


13:35


15:06 前半が終了


15:08 休憩中


16:13 お開き


16:18


16:19


16:20 川崎駅へ


16:23


16:28 思わず購入してしまう。


16:29 川崎


17:00 武蔵溝ノ口


17:01


17:03


17:12 溝の口


17:22 あざみ野


17:23 薄暮のあざみ野駅前


     ------------------------------------

同じ時間、第一生命ホールでは早慶合同演奏会があった。

「早慶交換演奏会」があったのは8年前までかしらん。

今回は、その「復活」ではないようだ。何も「昔」とまったく同じよ
うにやらなければいけないものではない--というのも「一つの考え
方」だろうか。

一定の「合理性」というか「普遍性」は必要だろうが。


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