人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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都響第770回定演 畑中先生三回忌(『音楽の友』4月号) CD三昧 週間フォト日誌

2014-05-19 05:00:00 | 音楽

5月12日(月)、叔母(母の妹であるから「叔」)さんのピンチヒッター(隣
の席は母方の従兄弟)で、東京文化会館の都響第770回定期演奏会
Aシリーズを聴く。

朝、お、今日は都響だ、とチケットを確認しようとしたら、叔母さんからも
らったチケットがない!あきらめて、家を出る。

しかし、勿体ないので、お昼休みに都響に電話してみる。ぶっちゃけ、か
くかくしかじか、個人情報も言って、「なんとかならないでしょうか?」いわ
ゆる駄目元である。

「分かりました。再発行しましょう」ヤッター!叔母はシルバーエイジ会員
(65歳以上。私は63歳)なので差額はいくらでしょう?と訊いたら1,550
円とのことだった。

午後6時過ぎ、精養軒で食事をし、開演30分前に文化会館のチケット売
り場で、再発行チケットをもらう。チケットをすんなりくれたので、「あの~、
差額を。1,550円と伺いましたが・・・・・・」と言うと、しばらく待たされ、「定
期会員同士の差額450円で結構です」と二度目のヤッター!となった。
あとで叔母さんに言ったら、「言わなければ分かんないじゃない(笑)」。


<プログラム>
1.ラヴェル 道化師の朝の歌(1918年編曲)
2.ラヴェル 組曲「クープランの墓」(1919年編曲)
3.トゥリーナ セビーリャ交響曲(1920年作曲)
4.レスピーギ 交響詩「ローマの祭」(1928年作曲)
指揮;ユージン・ツィガーン
コンサートマスター;矢部達哉

ユージン・ツィガーン(32)はアメリカ人と日本人を両親に持つ若手指揮
者である。。東京生まれのようだ。「ようだ」というのはウィキペディアに
書いてあるのであって、むろん本人から聞いたわけではない。

ユージン・ツィガーンの友人は、(ゆずの)悠仁か?(つまらないですネ~。)


1.ラヴェル 道化師の朝の歌(1918年編曲)
 この日のプログラムは、20世紀前半音楽、しかもラテン系(仏伊)の国
 のそれが並んだ。1と2はもともとピアノ曲。「管弦楽の魔術師」ラヴェル
 ならではのオーケストレーションを楽しむ。どうやって、ピアノの音符を
 各楽器に割り振るのかしらん。
 1は、1stが16~コントラバス8という大編成。長身ツィガーンは長い指
 揮棒をあやつり、膝を使っての指揮ぶり。

2.ラヴェル 組曲「クープランの墓」(1919年編曲)
 こちらは1st12~コンタラバス4と、小ぶりの編成。クープランは8世紀
 に活躍したフランスの作曲家--初めて知った。クープランなどフラン
 ス音楽への「オマージュ」(--「尊敬」、「敬意」という仏語とのこと)とし
 て作曲されたとのこと。ツィガーンは全身でリズムをとっていた。

3.トゥリーナ セビーリャ交響曲(1920年作曲)
 トゥリーナ(1882~1949)は、スペインの作曲家、ピアニスト。初めて
 知り、初めて聴いた。近代フランス音楽の書法で「独自の民族的な作
 風を追求」したという。
 これも1st16~コントラバス8の大編成で熱狂的な部分がある。休憩
 中、隣の従兄弟に「(第2楽章の)あの楽器、何?」と訊かれ、「たぶん
 イングリッシュホルンでしょう」と答えたが、はたしてそうだった。
 (「新世界より」第2楽章に出てくる。コールアングレともいう)。

4.レスピーギ 交響詩「ローマの祭」(1928年作曲)
 メインプログラム。第1楽章から第4楽章まで続けて演奏される。ツィ
 ガーンは、集中する所は暗譜で振っていくから、そこを過ぎると何ペ
 ージもどんどんめくっていた。第4楽章はパーカッションも全員参加で
 熱狂的!ユージンは、盛り上がって、最後に音を切る時に、180度反
 転し、客席を向いた。客席はブラボーを叫ばずにはいられない。


演奏会終了後、都響会員の友人に「2階Lで聴いていました。よかった
ですね~」とメールしたら、「去年からBシリーズです」と返信が来た。



東京文化会館入口


かにクリームコロッケ


座席より


休憩中。東京文化会館のロビーは広い。これだけの広さはそうそうない。


プログラム



トスカニーニ/NBC交響楽団の名盤 レスピーギ三部作

「ナポリを見てから死ね」ならぬ「トスカニーニのレスピーギ三部作を聴い
てから死ね」。



        *        *        *        *

週間フォト日誌

5月12日(月)





本郷通り




5月13日(火)









5/13 7:40 神田駿河台3丁目の一本桜

すっかり日が長くなった。会社を出る時もまだ明るい。
  ↓
5/13 17:50 上と同じ桜を逆方向から撮影(冬なら真っ暗な時間)



5月14日(水)






カフェ ベローチェ


「地下にあります」--日本人的なきめ細かさの案内?

5月15日(木)
OB練習。先週は小澤の演奏会で欠席したので、事前にTさんに
「曲は、『わがふる』でよかったよね?」
とメールする。
「正解です」
と返信あり。

夕方、お茶の水のスープストックで食事をし、丸ノ内線で池袋に着くと、
プラットホームでTさんとバッタリ。お互いに
「あれっ、どこ行くの?」
「今日は池袋でしょ?」
「違うよ、文京シビックだよ」
「ガチョ~ン。今朝、確認したんだけど・・・・・・・」

どうもスケジュール表の違う行を見てしまったようだ。最近、ヒューマンエ
ラーが増えている。交通事故に気をつけなければ。













先輩との帰路、
「70代の方(OB)はお元気ですね~」
と話しかけたら、
「70代前半は高原状態かな(笑)」。


5月16日(金)
いつもは新聞を読まないが、この日は重要な問題が一面に載っていた
ので、産経新聞を持って家を出る。
「首相 (集団的自衛権)行使容認へ強い決意」とある。がっぷり四つの
冷戦時代とは違い、米国が引いてきているという国際状況の変化を考
えれば当然かとも思うが、一方では、イデオロギッシュな反対論は別と
して、多面的に検討しなければならない。新聞を読んでも100%までは
理解できていない。まずは「報告」の全文を読んでみようかしらん。

同じく産経新聞によると--「(ベトナムで)反中デモ 一部暴徒化」
中国外務省の報道官は「ベトナム側に厳重な抗議を申し入れる。・・・・・・
国内の反中勢力や不法分子を放任していたことと直接関係がある」と述
べた。

中国が日本にやっていることを、中国はベトナムからやられてしまったと
いうことだろう。永井荷風的にいえば、中国外務省のコメントは「笑止千
万なり」かな?






チューリップは別の花に植え替えられている。


朝の駐車場待ち


5月17日(土)
一人、リビングを占領し、一日CD三昧。

以前書いたものがあるかも知れない。あるとすれば、同じ感想だろう。


ストラヴィンスキー「ペツルーシュカ」、「春の祭典」
ブーレーズ指揮/クリーヴランドの新盤(New Bossより拝借)
旧盤(未聴)より進化しているとの定評。


ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番
M.ポリーニ E.ヨッフム/ウィーン・フィル
第2楽章は意外とテンポが微妙に揺れている。第3楽章は何回聴いても
「これ、これっ」とひきつけられてしまう。


モーツァルト ピアノ協奏曲第20番ニ短調、第21番ハ長調
ピアノ・指揮バレンボイム/ベルリン・フィル
いずれも「第2楽章」だけを聴くことがある。それぞれ、20番の第2楽章は
変ロ長調、21番は有名で、ヘ長調である。
バレンボイムはモーツァルトが得意。21番の方がMGM向きかな(笑)。


庄司紗矢香 ルーブル・リサイタル2001
ピアノ;イタマール・ゴラン
ドヴォルザーク「4つのロマンティックな小品」第1曲にひきつけられる。こ
れをロマンチックといわずして何をロマンチックといおう。ブル先生ならな
んとおっしゃるかしらん。
当日、休憩後かな?、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調もい
い。


マスカーニ 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」
コッソット(Mez.)、ベルゴンツィ(Ten.)、カラヤン指揮/ミラノ・スカラ座
(管)
No.「15」第7景の二重唱--とくにコッソットがすばらしい。
No.「18」Intermezzo間奏曲はいかにもカラヤン。


チャイコフスキー 交響曲第5番
カラヤン指揮/ベルリン・フィル(以下BPO)
母と同様没後3年の宇宿允人さんがお好きだった曲。
これは、カラヤン63歳時、エンジェルへの録音である。BPOとともに気
力充実の熱演である。

カラヤンはこの曲を5回録音しているうちの3回目の録音だという。たし
か、フィルハーモニア(管)、BPO、BPO、BPOと来て、最後がウィーン・
フィル。
福永陽一郎先生は、たしか、当盤を推薦されていたのではなかったかし
らん。今度調べてみよう。


ホセ・カレーラス 「トスティ歌曲集」
E.ミュラー指揮/イギリス室内(管)
一時、何回も繰り返し聴いたCD。カレーラスらしく、思い入れを持って歌
い上げている。No.8「暁は光から」は絶唱。オーケストラ伴奏もうまい。


レナート・ブルゾン 「トスティ歌曲集」
こちらもオーケストラ伴奏。バリトンによるトスティも、しみじみとして、なか
なかいいものである。芸風いろいろ、ブルゾンはブルゾンらしく、折り目正
しい歌唱だが、RIDONAMI LA CALMAでは思い切り気持ちを込めた。



ロジェー・ワーグナー合唱団「THE NEGRO SPIRITUAL」
本場、ロジェー・ワーグナー合唱団の演奏だけあって、英語の発音がう
まい。しいて難を言えば、模範的、予定調和的である。そして、ホール・
トーンをきかせ過ぎの録音がよろしくない。
どなたかTHE NEGRO SPIRITUALについて、いいCDをご存じないか
しらん。


ベルリンのヴァルトビューネ(森の劇場)コンサート2011を視聴。ザルツ
ブルクに行く時に、機内で放映されていたもので懐かしい。ネトレプコの
蝶々夫人は何回聴いてもひきつけられる。いわゆる、「好キ好キッ」とい
うものなり。→おすすめ!

http://www.youtube.com/watch?v=0sSQ_G1yPns


<BOOKS>


川西政明編『川端康成随筆集』(岩波文庫)

川端康成や三島由紀夫は、随筆、評論がうまい。

本書p344
 ・・・・・・いく度も質問の手紙を受けるのは、「伊豆の踊子」の次のくだりで
 ある。
 「はしけはひどく揺れた。踊子はやはり唇をきっと閉じたまま一方を見つ
 めていた。私が縄梯子に捉まろうとして振り返った時、さよならを言おう
 としたが、それも止して、もう一ぺんただうなずいて見せた。」
 ここでうなずいたのは、「私」か踊子かという問いである。教科書によっ
 て、「伊豆の踊子」を学習の時に、教室で疑問が出て、議論となって、中
 学生が、あるいは中学の国語教師が、作者の私に問いただして来るわ
 けだ。
なるほどですね。


<畑中先生三回忌--先生の思い出>
5月24日(土)に畑中良輔先生の三回忌を迎える。

平成23(2011)、東日本大震災の3月に母が亡くなった。母は畑中先生
の一つ下で大正12年生まれだった。平成22(2010)年の夏、母の入院
中、畑中先生のCDだよ~と、母にCDを聴かせてやったところ、同室に
入院中ののお婆さんから「私、畑中先生、知ってる。大阪の工場で歌を
教わった」といわれた。その時は「えっ、そうですか」と答え、詳しい身の
上話は聴かなかったが、そんなことがありました、きっと日紡貝塚の女工
さんでしょう、という趣旨の手紙を先生にしたためた。(*)

それから半年以上経ち、母が亡くなった、まさにその3月に発売になった
『音楽の友』平成23(2011)年4月号の、畑中先生連載のエッセー「荻
窪ラプソディー」は次の書き出しで始まっていた。

  私が五十年以上(今もなお!)指揮を続けている慶應ワグネル男声
  合唱団のOB、××君(注;私の名前)から、突然手紙が来た。
  (--47字省略--)このところ合唱指揮の本番ステージには立って
  ないので、何か書いたものについての感想かな?と思いながら封を
  切った。内容は彼の母上が入院されて、当分動けない状態なので入
  院生活も退屈だろうからと、同室の人の邪魔にならぬよう小さな音で、
  私の歌ったビクターから発売されたCDをかけてやっていたところ、隣
  のベッドに寝ている老婦人から声をかけられたという。
  「もしもし」と言われ、これは「うるさいのでもっと小さくして」と言われる
  のかと思っていたところ、「今歌っているのは、畑中さんという人の歌
  でしょうか?」と訊いてきたという。


その続きは、私が、一行ほどご報告したことが1500字以上の物語となっ
ている。すぐに4月号を買い求めたのはいうまでもない。

(*)先生に差し上げた手紙(の部分)は、平成22(2010)年12月4日付
の「追伸」で
 追伸
 このところ、母が「多発性脳梗塞」で入院中ですが、畑中先生のCD「歌
 の翼に」を聴かせてあげたところ、突然隣のベッドのご婦人(ご老人)か
 ら「畑中先生、私も聴きたい。大昔(--55年以上前でしょうか?)、紡
 績工場で先生の歌を聴いたの」と言われてびっくり(!)しました。
という一文だった。(5/24追記)


『音楽の友』連載の「荻窪ラプソディー」は先生の没後、単行本となった。
(定価;2000円+税)


畑中良輔『荻窪ラプソディー』(音楽之友社)

[本稿は書き掛けです]。


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