三島由紀夫『裸体と衣裳』

誰であったかなど正確な記憶も薄れており、今その出典を明らかにすることは時間
の都合上できないのだが、「三島由紀夫は第一に批評家、第二に劇作家、第三に小
説家だ」といった人がいた。

げに三島由紀夫の批評、随筆は魅力いっぱいである。本書は、新潮文庫では『小説
家の休暇』、『アポロの杯』に続く3冊目の評論集であり、今日でいえば三島由紀
夫の「ブログ」である。
新潮文庫では現在絶版であるが、amazonなどできれいな中古本が安く手に入る。
（最低価格は￥10-なのである。）＜裸体＞とあるように、ところどころに三島の
ホンネが現れている－－それはどこなのか？－－本である。

三島由紀夫は大正14（1925）年の生まれであり、したがってその年齢は昭和年号と
一致する。生きていれば今年83歳である。三島が昭和45（1970）年11月25日（水）
に亡くなって38年になろうとしている。