人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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カラヤン生誕100年(3) そしてムラヴィンスキー

2008-05-17 07:47:55 | 音楽

横浜山下公園に程近い場所に神奈川県民ホールができたのは昭和50(1975)年
である。その大ホールはNHKホールをモデルにしたとされ、約2,500席の収容
人数、音響もなかなかいい。
昭和52(1977)年9月25日(日)、その大ホールでムラヴィンスキー、レニング
ラード・フィルハーモニー管弦楽団を聴いた。

プログラムは、
1.ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
2.ワーグナー/歌劇「ローエングリン」第1幕への前奏曲
3.ブラームス/交響曲第2番
というものだった。

会場は開演時間になり異常なまでに静まり返る中、オーケストラが整然と入場。
その後も咳(しわぶき)ひとつ聞こえず、聴衆全員が「本当にムラヴィンスキ
ーは現れるのだろうか」と固唾(かたず)をのむ中、ムラヴィンスキーがゆっく
りとした足取りで登場し、割れんばかり盛大な拍手が起こった。

その後に演奏されたワーグナーは本当にすごかった。弦のピッチもボウイング
もまさに一糸乱れず、とくに速めのテンポの「マイスタージンガー」を聴いた
9分間というもの、まったく呼吸することすら忘れて聴いたかのような思い出が
残っている。ムラヴィンスキー、当時74歳。生で聴けたことは一生の宝である。

さて、ムラヴィンスキーより5歳年下のカラヤン。この人の「ワーグナー管弦楽
曲集(Ⅰ)(Ⅱ)」がまたいい。録音時期・場所は1974年10月ベルリン。この
“LP”を買ったのは、クラシックレコードを購入し始めた初期、昭和50(1975)
年12月(28日)である。

その中の「マイスタージンガー」第1幕への前奏曲は快調なテンポ、色彩感にあ
ふれ、興奮の極みである。トライアングルもきれいに録音されている。

この演奏は現在でもEMIからCDとなって発売されている。(CD番号;TOCE
-14077~8@1,500-)カラヤンはワーグナー管弦楽曲の一部を'80年代にデジタ
ル録音しているが、'74年の録音には満足していたのであろう、これだけのもの
は再録音しなかった。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
日記から復元? (楽しい倫敦です)
2008-05-18 22:36:34
こんな古い話をどうやってこれだけ克明に文章に書き起こされているのか、とびっくりです。日記の類から復元されているのですか? 
返信する
Unknown (katsura1125)
2008-05-19 05:41:53
こんにちは。有難うございます。
手帳も日記もないのですが、あの手この手で
調べています。結構大変なのです。
返信する

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