犬がおるので。

老犬から子犬まで。犬の面倒をみる暮らし。

しろちゃん

2016年04月21日 | おせわがかり日誌


ほんとの名前は知らなくて勝手にそう呼んでる
しろちゃん

うちから5分くらいの二世帯住宅に住んでる
たぶん女の子 というかおばあさん
柴犬とも違う むかしよくいたタイプの雑種
ちょっとからだが小さくて
可愛い赤い首輪をしてる

引っ越してきたばかりのころ
もう14年前なんだったかな そのころも
十分大人だったけど まだまだ元気で
前を通りかかろうもんなら 犬小屋から飛び出して
わわわわわん!と吠えかかってきた
でもかわいかった
たいていそのあとくーんくーんといって
困ったように犬小屋に帰っていくから




少し離れた神社の近くのおうちの男の子(人間でいえばおっさん)
こんちゃんが大好きなあの子(人間でいえばおばさん)は
多分しろちゃんから生まれたか
しろちゃんの生まれた年の違うきょうだいか
見た目も似てるし性格も似てる
しろちゃんのたぶん家族だった子だ

しろちゃんちの隣のうちの柴犬のりゅうくん
オレコの初恋のわんこで
朝ご近所の子供たちが登校するとき
必ず出てきてみんなにおはようをするような子で
15歳くらいでお星様になってしまったんだけど
そのりゅうくんはお隣のしろちゃんが大好きだった
いつも隣を気にして風に乗って運ばれてくる
しろちゃんの香りを顔をあげてふむふむしてた
そのりゅうくんが先にお星さまになり
しろちゃんはもう
誰が通っても吠えかからなくなった




オレコは決まったところしか通らないので
こんちゃんの散歩のときには必ず
一日に一度はしろちゃんちの前を通る
姿を見かける日はほっとして
見かけない日はそわそわする
あくる日 また
小さな白いせなかを見かけると
嬉しくて胸があたたかくなる
また明日ね と
声をかけて こんちゃんと家に帰る

明日も会えますように
きっと会えますように

飼い主さんは知らない
本当の名前も知らない
でもこの街に来た時からずっと
しろちゃんのことは気になってた
こんちゃんが来てからはもっと
気になる存在になってた

明日もしろちゃんに会えますように
もし会えなくなったら
お空でりゅうくんと仲良く過ごせますように




こんちゃんがいつか行ったら
仲良くしてくれますように