ホンマにねえ、腹立つニュース。食の都・大阪で、それも超一流の名を冠したお店で、よもやの偽装。
更にタカムラーのはしくれとしては、心臓に悪いニュースだ。同じように心臓に悪い思いをしている方もいらっしゃるでしょうから(決めつけてる)、ちょっと検証してみましたよ。
《(前略) ……ほんとうは『はり重』でも『吉兆』でも行きたいが、人目につくところは、今は無理なので。尾行に気をつけて下さい。では、また後ほど》 (『神の火』下巻p101)
新版『神の火』(新潮文庫)に出てきた、ハロルドさんの台詞。今回の一連のニュースで、真っ先にここを思い浮かべましたよ。
でもこの当時はまだ創業者が健在でしたから、府警の強制調査が入った暖簾分けしたグループではありませんでしょう。
大阪で「吉兆」といえば、まずこの吉兆をさす。ハロルドさんが島田先生をお誘いしたかったのは、このお店でしょう。
・・・私も今回のニュースが流れるまで、グループ分けされているとは全く知りませんでしたが。
***
【2007.11.19】 以下、追加修正しています。
もう一つ、私の心臓が妊娠しそうになった(おいおい)小ネタ。
残業もひと段落着いたようなので、先週は憂さを晴らしに書店へ頻繁に寄っておりました。
そこで見つけた、この本。 『知っ得 21世紀を拓く現代の作家・ガイド100』
何かピーン! とくるものがあって、目次を見たら高村さんのお名前が。その後奥付を見たら、今年(2007年)7月に発売されたもの。
一度だけ立ち読みしただけなのですが、見開き2ページ3段組でぎっしりと情報が詰まっておりました。私が知らなかった過去の批評(賛否両論有り)もちょこっと取り上げられて「なるほどなあ」と流し読み。
上記のページを見たら、「作家ガイド」「作品ガイド」「文体・表現の例」「スタディガイド」の4本立てで、一人の作家さんの紹介をしているようです。
「作品ガイド」には合田シリーズ・・・つまり、『マークスの山』 『照柿』 『レディ・ジョーカー』が取り上げられていました。
で、問題は「文体・表現の例」なのです。書店が公共の場でなかったら叫んでおりましたよ。
「文体・表現の例」で取り上げられた部分を、省略せずにご紹介しましょう。
ああ、この男は分かっているのだなと雄一郎は思う。貴代子と雄一郎がこの家の空気から飛び出して堕ちていった世界へ救いの手を差し延べながら、その実、密かに雄一郎と貴代子の世界に吸い寄せられていた男の目だ。憐れみと懐疑と愛憎が分かちがたくなっている男の目だ。その目に、理性の靄がかかっている。
雄一郎は、際限なく自己嫌悪と悪意の螺旋階段を下りながら自分の片手を伸ばし、テーブルの上にのっていた義兄の片手の甲に触れた。ちょっと撫でた。 (単行本『照柿』p253~254)
何で・・・何でここなの!? こんな危うくもほのかな官能性を秘めた部分を「文体・表現の例」で取り上げるなんて! 凄いですよ! もう玄人好みの部分ですよ! しかも寸止め!(爆) あの会話のやりとり直前! これがのたうちまわらずにどうします!?
「高村さんの項目を担当したのは誰!?」・・・と最後に執筆者の名前を見たら、浜田雄介さんという方。
・・・雄一郎の「雄」に、祐介の「介」!?(偶然!?) 「・・・そうか。ならば当然だな」とお名前で納得するのもどうなんだ(苦笑)
それはともかく、検索かけてみましたら成蹊大学で教授を務めてらっしゃる方だそうです。素晴らしい! ありがとうございます! ・・・とひっそりと賛辞を送らせていただきます。
更にタカムラーのはしくれとしては、心臓に悪いニュースだ。同じように心臓に悪い思いをしている方もいらっしゃるでしょうから(決めつけてる)、ちょっと検証してみましたよ。
《(前略) ……ほんとうは『はり重』でも『吉兆』でも行きたいが、人目につくところは、今は無理なので。尾行に気をつけて下さい。では、また後ほど》 (『神の火』下巻p101)
新版『神の火』(新潮文庫)に出てきた、ハロルドさんの台詞。今回の一連のニュースで、真っ先にここを思い浮かべましたよ。
でもこの当時はまだ創業者が健在でしたから、府警の強制調査が入った暖簾分けしたグループではありませんでしょう。
大阪で「吉兆」といえば、まずこの吉兆をさす。ハロルドさんが島田先生をお誘いしたかったのは、このお店でしょう。
・・・私も今回のニュースが流れるまで、グループ分けされているとは全く知りませんでしたが。
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【2007.11.19】 以下、追加修正しています。
もう一つ、私の心臓が妊娠しそうになった(おいおい)小ネタ。
残業もひと段落着いたようなので、先週は憂さを晴らしに書店へ頻繁に寄っておりました。
そこで見つけた、この本。 『知っ得 21世紀を拓く現代の作家・ガイド100』
何かピーン! とくるものがあって、目次を見たら高村さんのお名前が。その後奥付を見たら、今年(2007年)7月に発売されたもの。
一度だけ立ち読みしただけなのですが、見開き2ページ3段組でぎっしりと情報が詰まっておりました。私が知らなかった過去の批評(賛否両論有り)もちょこっと取り上げられて「なるほどなあ」と流し読み。
上記のページを見たら、「作家ガイド」「作品ガイド」「文体・表現の例」「スタディガイド」の4本立てで、一人の作家さんの紹介をしているようです。
「作品ガイド」には合田シリーズ・・・つまり、『マークスの山』 『照柿』 『レディ・ジョーカー』が取り上げられていました。
で、問題は「文体・表現の例」なのです。書店が公共の場でなかったら叫んでおりましたよ。
「文体・表現の例」で取り上げられた部分を、省略せずにご紹介しましょう。
ああ、この男は分かっているのだなと雄一郎は思う。貴代子と雄一郎がこの家の空気から飛び出して堕ちていった世界へ救いの手を差し延べながら、その実、密かに雄一郎と貴代子の世界に吸い寄せられていた男の目だ。憐れみと懐疑と愛憎が分かちがたくなっている男の目だ。その目に、理性の靄がかかっている。
雄一郎は、際限なく自己嫌悪と悪意の螺旋階段を下りながら自分の片手を伸ばし、テーブルの上にのっていた義兄の片手の甲に触れた。ちょっと撫でた。 (単行本『照柿』p253~254)
何で・・・何でここなの!? こんな危うくもほのかな官能性を秘めた部分を「文体・表現の例」で取り上げるなんて! 凄いですよ! もう玄人好みの部分ですよ! しかも寸止め!(爆) あの会話のやりとり直前! これがのたうちまわらずにどうします!?
「高村さんの項目を担当したのは誰!?」・・・と最後に執筆者の名前を見たら、浜田雄介さんという方。
・・・雄一郎の「雄」に、祐介の「介」!?(偶然!?) 「・・・そうか。ならば当然だな」とお名前で納得するのもどうなんだ(苦笑)
それはともかく、検索かけてみましたら成蹊大学で教授を務めてらっしゃる方だそうです。素晴らしい! ありがとうございます! ・・・とひっそりと賛辞を送らせていただきます。
玄人=タカムラー(笑)
ここだけのために買ってしまいそうです。
ありがとうございました。
うわ、今読み直したらとんでもない変換ミスが本文に・・・! 訂正しておきます。
>正に玄人好みな選択です!
さすがに国文学者、侮れませんね。
義兄弟の隠微(←高村作品用語)なところを、余すところなく伝えている部分ですよね。