あるタカムラーの墓碑銘

高村薫さんの作品とキャラクターたちをとことん愛し、こよなく愛してくっちゃべります
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「太陽を曳く馬」 連載第十五回 (「新潮」2007年12月号)

2007-11-08 00:57:35 | 『太陽を曳く馬』 連載 雑感
5日は22時半前に会社を出たので、ネットせず。というより、出来るかいな。眠いわ、こんちきしょう(←『照柿』 (講談社)の合田さんのまねっこ)
昼休みに読み損ねた「AERA」2007年11月12日号は、23時まで開いているJR大阪駅の某書店で立ち読み。今回は「食の安全」の違和感について。

6日も2時間ほど残業。寝不足。
眠いけれど、本日7日(あ、日付変わってる)は「新潮」の発売日。いつものように帰りの電車で読みました。
他の掲載作品は興味のあるものしか目を通していないのですが、「太陽を曳く馬」の前後に掲載されている連載物の、1ページあたりの行数の違い、文字の大きさの違いに驚いたわ・・・。「太陽を曳く馬」なんて、上から下まで、右から左までビッシリと文字が詰まってるんだもん。

というわけで、第十五回の雑感を、いつものように、だらだら、ぐだぐだと。
当然、まだ読まれてない方も、入手できていない方もいらっしゃるわけですから、物語の核心については、おおっぴらにネタバレはしませんが・・・警告:隠し字にしておりますが、以下は自己責任でお読み下さいませ。(『晴子情歌』 『新リア王』の内容も、そして『マークスの山』 『照柿』 『レディ・ジョーカー』 いわゆる<合田三部作>並びに<七係シリーズ>の内容についても、「既読」を前提とした上で、多少触れている場合があります。)
また、コメント欄に入力する場合、ネタバレはOKとします。もちろん
「太陽を曳く馬」限定で。未読の方はご注意下さいませ。


***

今回の概要・・・「明円和尚vs合田さん」 これ以外の何ものでもない。対話の内容は、半分は彰閑和尚のこと、半分はそれ以外(←大雑把過ぎる)

長谷川明円和尚・・・前回のコメント、撤回しないといけないかも。
「何だか、スレる前の某義兄を思い出します(笑) 同じような空気をまとっているのではないでしょうか?」
とコメントしたのですが、どうやら合田さんは、そのように感じてはいないようです。
いやいや、某義兄の空気に慣れすぎて、感じなくなったというのも、ありえるか?

どちらにしろ、高村さんはこちらの短絡的でヨコシマな淡い期待と希望も、木っ端微塵に打ち砕いてくださるよなあ(苦笑) 良い意味で裏切ってくれるということですよ。

今回も、彰閑和尚に対する名言がありましたね。(明円和尚の口を借りてますが、発言者は明円和尚の父上だ)
ともあれ、彰閑和尚が明円和尚のことをどう見ているのか、知りたくなってきました。

男性が男性に抱く「嫉妬」というのは、女性同士の抱く嫉妬よりも数段性質が悪いと、個人的には思っています。(その理由は端折る。分からない方は『照柿』の合田さんと達夫さんを思い浮かべるのが、最も手っ取り早い)
その嫉妬に、明円和尚は折り合いをつけたのか。はたまた合田さんがしつこく感じたように、無関心になってしまったのか。元々から精神的な意味で大人に成りきれていない、子どもだったのか。

彰閑和尚と合田さんが相対するのは、まだまだ先のことでしょう。今回分で連載十五回。折り返しなのか、1/3なのか、1/4なのか、さっぱり分かりませんが。

明円和尚が説明した内容に、「アートマン」という言葉がありました。その途端、私が思い出したのは佐藤史生さんの『ワン・ゼロ』(現在は小学館文庫で読めます) この作品は繰り返し読まないと、その面白さが分かりません。

さて、明円和尚の語りを読んでいると(合田さんは「聞いている」ですが)、ここ最近の宗教・・・特に「過激」と称されているものには、「寛容」というものがないのだろうかと思えてなりません。自己と異なる他者を受け入れる寛容。


合田雄一郎さん・・・今回の大部分が、質問者と聞き手の役割。残りが思考・検証の時間。人、それを「刑事の仕事」と呼ぶ。
つまり今回も、「刑事・合田雄一郎」だったわけです。

「刑事は捜査に必要であれば何でも読みます」って・・・これはあなただけではないのか、合田さん? 警視庁随一のインテリ刑事が、あなたでしょ? 『正法眼蔵』吉岡くんが読んでいるとは到底思えないんだが・・・読んでいるんだろうか。

えーっと、他に記すべきこと、あったっけ? 明円和尚に力を入れすぎたか(苦笑) ああ、もう、眠たいよーん。


***

以上、連載第十五回を1回読んだ雑感です。半分瞼がおりた状態で、朦朧とキーを叩いたので、後日追記と修正をするかもしれません。悪しからず。
高村さん、ありがとうございました。続きを楽しみにしております。


余談ながら、単行本版『照柿』(講談社)に、司法試験に合格し、検事になりたいと言った加納さんに合田さんは、判事の方が向いているんじゃないかと説いた、という内容の文章がありました。
・・・今となっては・・・ねえ・・・? えらい伏線だなあ、と(苦笑)
文庫版では、削除されてたのかな。覚えがないのですが。

うげげげ、もうこんな時間・・・また寝坊しちゃうわ。
それではおやすみなさい・・・ 



6 コメント

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Unknown (ゆぅべ)
2007-11-09 21:51:58
からなさん、こんばんは。
「刑事は必要であれば、云々」←絶対にないですよね、これ。少なくとも吉岡君は読んでない、と私も思いました~。吉岡君は彼なりに、出来過ぎた上司を煙たく思ってるのかも、なんてちょっと同情したりしました(笑)。はっ、これも一種の嫉妬?

それより、『照柿』のその部分、すっかり忘れていました。伏線だったのか?!
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義兄弟に飢えてます。 (からな)
2007-11-10 01:04:42
ゆぅべさん、こんばんは。

>「刑事は必要であれば、云々」←絶対にないですよね、これ。

断言してもいいですよねえ。刑事さんが出てくる他の作品はあまり存じませんが、こんなに本を読んでいる刑事さん、きっといないと思います。

>『照柿』のその部分

連載に義兄が登場しないのと、単行本『マークスの山』を再読したせいか、義兄弟に飢えておりまして(笑) たまに、義兄弟の出ているところだけの拾い読みをしているんです。付箋紙貼ってるので、すぐ分かります(義兄弟の出ているページを付箋紙で貼っている方は、かなりいらっしゃるはず)

そうしたらこの部分が出てきて、およよよよ、と(苦笑)
文庫版では削除されていると思うんですが・・・チェックしてみましょう。

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嫉妬といえば (タカサカ)
2007-11-12 12:42:03
からなさん、お久しぶりです。
すっかりご無沙汰してしまいました。
11月下旬で考えていた例の件なのですが、ちょっと難しそうなので(紅葉が…)延期してくださいませんか? こんな直前でのご連絡で申し訳ありませんm(_ _)m
そうそう、明日急遽大阪出張が入りまして、久しぶりに大阪の空気を吸ってくる予定です。

で、タイトル部分の「嫉妬」ですが、私は文庫版の又三郎が頭に浮かびました…。単行本から敬語になったせいで余計にそう感じられます。
「太陽を曳く馬」を全然読んでいないので、嫉妬の意味がまったく違っていましたらすみません、、。
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男の嫉妬 (からな)
2007-11-13 00:27:33
タカサカさん、こんばんは。
こちらこそ「メールしなきゃ~!」と思いつつも、ご連絡をするのを失念してしまい、申し訳ございませんでした。

>明日急遽大阪出張が入りまして

あらま! 大阪も朝晩の冷え込みが厳しくなってきてますので、ご注意を。

>「嫉妬」ですが、私は文庫版の又三郎が頭に浮かびました

そうですね、文庫版の又さんの合田さんへの全ての言動の元になっているのは、「嫉妬」の要素も大きいですよね。
自分よりもたった二歳年下なのに、階級は合田さんが上。警察という組織では年功序列ではなく、階級が絶対ですからね。
「この野郎、こんちきしょう」と毎日顔を合わすたびに思ってるんじゃないでしょうか。


>「太陽を曳く馬」を全然読んでいないので、嫉妬の意味がまったく違っていましたらすみません、、。

いえいえ、お気になさらず。タカサカさんのように連載を読まれていない方が、私の雑感を読んでどう感じられたか・・・は、出来るだけ気にしないように努めていますので(笑)

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う~ん嫉妬の行方 (野鍛冶屋)
2007-11-14 00:47:54
こんばんは。野鍛冶屋です。コメントどうもありがとうございました。
(合田さんがしつこく感じた)無関心になってしまった。←個人的にはここで合田さんが何か面倒になって「無関心」と片付けているように感じられたのですが。。
う~ん。嫉妬の行方は気になります。
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嫉み妬み (からな)
2007-11-15 00:24:51
野鍛冶屋さん、こんばんは。コメントとTBをありがとうございました。
毎月、野鍛冶屋さんのブログの更新が楽しみでなりません。私が見落としている部分や、異なった切り口から感想を述べられていらっしゃるので。

>嫉妬の行方は気になります。

嫉妬の行く末は、更なる憎しみに突き進むか、転じて愛情を覚えるか、嫉妬しても仕方がないと折り合いをつけるか、のいずれかのパターンに当てはまると思うんですよ。
明円和尚の場合、それのどれでもない「無関心」なのでしたら、この人、人間として底が浅いし魅力もない。(断言してもいいのか?)

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