ハンラマン 9話
はっじまるよぉ~~!
第9話 「深紅の決意」
ユズィは考えていた、たとえ夢があるとはいえずっと働かないわけにも行かないとりあえずはバイトでもやろうと職安へと出向いていた。
だが当然のこと自分の好みの職場などそう見つかるものではない。
とりあえずユズィはゲーセンへよってから何か考えようと思った。
「こんなときはやっぱり考えててもだめだな!」
そう言いクイズゲームをやり始める、ユズィはこのゲームが得意でいつも上位に入ってる。
「・・・Aのバレンシアオレンジ!」
次々と出てくる難問を、いとも簡単にクリアする。
「”ゴルバチョフ”と・・・・やりぃ! これで一位だ、俺って最強!」
もはや開き直りに近い行動だったが、次第に虚しくなってゲームセンターをあとにした。
そんなときでもオッパーブは悪事とおっぱいの事しか考えてはいなかった。
「遅かったなブリトニーよ、腕でも錆びたか?」
「ふふふ、時計を見てないんですか?私は時間通りですよ。それに腕も錆びてません、その証拠にハンラマンの首でも1つ手土産にしましょう」
「はははは!冗談の一つも言えるようになったじゃないか」
「冗談ではありませんよ、その証拠に・・・・私の手下を1人送り込んで起きました」
「ほう・・・・面白い、その結果見せてもらおうか」
「楽しみにしててください」
その不適な笑みはよりいっそう深まった。
「あー・・・なにか、俺にしか務まらないような、そんな仕事ないかなぁ」
ユズィはそんな妄言を吐きながら駅にある、バイト募集のパンフレットを漁っていると。
「うぇい? ユズィさんじゃねえっすか?」
「あれ? ウィカさん」
「その手に持ってるのは・・・」
「いや・・はははは、そろそろ仕事しようかなって」
「うぇ? そいつぁめでたいじゃないっすか、みんなを呼んで飲みましょうや」
「おお! じゃあ連絡入れるっす」
その場のノリで皆に電話をする。
場所はもちろん鳥定、あの事件がきっかけだろうかお通しも前よりおいしくなっている。
「かんぱーい うぇーい」
「おつかれ~っす」
「うぉ、このひじきの煮物うめえっすよ」
「確かに!」
ほかの3人と司令も呼んだのだがビリーはもう少ししたら向かうと、ほかの3人は仕事と用事があるからこれないといわれた。
「レイさんも呼んじゃう?」
「うぇい?でもバイト中じゃ?」
「くるんじゃね?」
「なら、呼んじゃいましょうか」
などとしゃべってるとバンダナをつけた女が寄ってきた。
「ええと・・・相席らしいんですよ、よろしいですか?」
対して混んでるようには見えなかったが、酔ってる2人にはどうでもよかった。
「なになに!? うぇい~、いいよ~」
「んぁ~、じゃあ俺・・・・・・・・ビール・・・2杯」
「ユズィさぁ~ん、俺はビールじゃなくて、日本酒じゃなきゃー」
「んぁ? いいっていいって!俺が2杯飲むから」
「楽しそうですね、じゃあ私はレモンサワー」
とりえずテンションの高くなってた2人なので何の不思議も持たずに了承した。
だが、この油断が危険を招くのであった。
そして10分もしないうちにバイトを抜け出してきたレイさんと用事が終わったビリーが来た。
「あれ、その子は?」
来て早々ビリーが聞いた。
「うぃー? んぁ・・・相席だっていうから・・・」
ウィカは眠そうに返事をした。
「もー、呼んでおいて、こんなに酔ってるなんて」
レイさんは少し呆れていた。
「ん・・・・んー・・・ん・・・?」
レッドは何故か変な酔い方をしていた。
その後飲みが盛り上がっていた、だが皆知らなかった。
この相席になった人こそがオッパーブの三幻神からの刺客”バンダナ男爵”だった。
どう見ても女性の姿だが、キャッチーと三幻神以外は怪人になったら、男爵をつけなければならないという鉄の掟によって、男爵をつけられてしまった。
バンダナ男爵はブリトニーの作戦が成功すれば、男爵を名乗らなくても良いというので、この作戦に乗った。
「なんか・・・眠いなぁ」
「ですね・・・ふぁぁ・・・」
途中で変な薬を入れられたのだろう、ビリーとレイさんは寝てしまった。
ウィカは酔いすぎてるせいか薬の効きがいまいちらしくふらふらながらも動いている。
「うぇい、うぇーい・・・みんなだらしないっすよ、俺等より後に来たのに・・・」
「ふふふ・・・薬が効いたようね」
「うぇ?」
「あら、聞こえなかった? 薬を入れておいたのよ」
「ユズィさん・・・大変っすよ、こいつオッパーブっすよ!」
「う・・・うーん・・・うー・・・」
ユズィはどうやら薬か酒、もしくわ両方が効いてるようだ。
「仕方ないっすぁ・・・ここは俺一人でお仕置きっすよ・・・」
「へぇ・・・まだ動けるんだ!」
酔えば酔うほどわけのわからなくなるウィカだがさすがにダウンだったらしい、立ち上がった瞬間に寝てしまった。
「バカな奴、知らないうちに死んでしまったほうが無念も残らないだろうに」
だが一人だけ薬を飲んでない人間がいた、そうユズィである。
さっさと酔ってしまって、後半はバンダナ男爵が頼んだカクテルを奪っていた。
「うっぷ・・・・話は聞いてたぜ・・・」
先ほどからちょっと寝たおかげか回復している、だがお酒のせいで少しフラフラしていた。
「そんな体調で私に勝てるとでも!?」
「うっぷ・・・・ウコンの力さえあれば・・・」
ユズィはそういい変身した、酔ってはいたものの思ったより体のキレも悪くない、一進一退の攻防となった。
だが少しずつ押され始めてきた。
「やべ・・・これ以上動いたら吐きそう・・・」
「あら? さっきまでの勢いはどうしたのかしら?」
バンダナ男爵はふらついたユズィに追撃をしようした、だが、そこに思わぬ介入者が現れる。
「うぇ~~~~~い!」
後ろから突然の援護が来た、どうやらよっぱらって何が何だかわからなくなったウィカが起きて得意の酔拳を使ってきた。この不意打ちのおかげで一瞬にして形勢が逆転した。
「まさか・・・動けるなんて、さすがハンラマンってところかしら?」
だがやはり薬の効いているウィカだが、もう限界に近かった。
「すまん・・・レッド・・・ブレイカー落ちるわ・・・・」
そういいまたもや倒れる、もう1度立ち上がって加戦するとは考えにくい状況だった。
「くそ・・・またもやピンチか・・・」
だがどこかでサクサクとスナック菓子を食べる音が聞こえた、どうやらビリーがバナナチップスを食べているらしい。
「バナナチップス・・・・なんでここに?」
ユズィが振り向と、そこにはシルバーの姿があった。
「お前・・・・何者だ!?」
バンダナ男爵は身構えた。
「名乗るほどのものじゃない、強いて言うならシルバーとでも言っておこう」
そこにはピンチの時に駆けつける謎の戦士 シルバーの姿があった。
「シルバー!?ハンラマンの味方か!」
「そうだな、俺は貴様らオッパーブを倒すために存在する」
「貴様の声聞き覚えがあるぞ・・・?」
その言葉でシルバーの雰囲気が変わる。
「どうやらお前は気づいてはいけないことに気づいたようだな」
「まさか・・・貴様!?」
とっさにクリューに連絡をとろうとする、だがその一瞬の隙をみのがすはずがなかった。
「油断したなっ!」
「!!?!?!」
そういい一瞬で勝負が決まった。
「そんな・・・・私はただ・・・男爵をとりたかっただけなのに・・・・」
そう言い爆発する。
まさに正義を体現したと言っても過言ではないような強さ、これぞヒーローと言った感じだった。
「助かったよ・・・ええと」
「シルバーで良い」
「ああ、ありがとうシルバー、でも・・・どうしてバナナチップスを?」
「いや、ビリ・・・そこの男が何かを食べたそうにしてたからな」
昔ビリーは、酔っ払うと甘いものが食べたくなると言っていたのを覚えていた。
ユズィはビリーをちらっと見ると、ビリーは気持ちよさそうに寝ていた。どうやらバンダナ男爵が入れたのは睡眠薬だったようだ。
「なにはともあれ・・・あれ? いない・・・」
ユズィがシルバーに視線を戻した頃には、シルバーの姿はなかった。
次回予告
レイ「ふっふーん♪」
リー「どうしたんですか?」
レイ「見てください! エコポイントがこんなにたまりました!」
ビリー「へえ、すごいですね、レイさんはしっかりエコバック持って買い物してますからね」
ユズィ「俺なんて、家にレジ袋が溜まっちゃってさ」
ウィカ「うぇい、ホントそうっすよ」
モディ「みんな、レイさんを見習わないとだめだね」
次回 第10話 「レジ袋男爵の猛攻」 お楽しみに