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脱衣戦隊ハンラマン 28話

2013-11-03 14:19:34 | 小説

第28話  「正義の揺らぎ」

「がはははは! どうした全然効かないぞ!!」
「っく・・・! 4・5班も戦闘準備、全員に火炎弾装備の指示を」
「了解」
炸裂型の弾丸を次々と当てるもののまったく有効打にはなりえなかった。
「まったく人間は脆いな!!紙くず同然だぜ!」
そういいまるで遊び道具を投げる子供のように人間を投げ捨てた。
「これなら俺が出ることもないな!出よ!キャッチー!」
「アニキー!!」
キャッチー達がどこからともなく現れて場が混乱し始めた。
「っち・・・4班は1・5班のフォロー、全員態勢を立て直す、一時撤退だ!」
「了解! 作戦コードα!もう一度繰り返す作戦コードα!」
「がはははは! こりゃいいやこの調子で全員倒してやるぜ!!」
「だめです!! こちら1班・・・もう残り3人・・・全く刃が立ちません!」
「っち・・・・」
そのころハンラマンは物陰に避難していた。
幸いレッドにダメージはない、どうやら人間の作った武器ぐらいでは致命傷は与えられないようであった。
「っく・・・まさか攻撃してくるなんて」
「本当に・・・ボク達テロリスト扱いされてるなんて・・・・」
「くそっ・・・・」
珍しくレッドが感情的になっている。
「俺達は・・・一体何を信じて・・・何を守ればいいんだ!」
「・・・・・・」
「俺達の正義は、常に目の前にあるものじゃないのか?」
聞き覚えのある声がした、後ろを振り向くとシルバーの姿がある。
「あんた・・・この状況がわかってるのか?」
レッドは冷たい目線を送るように言い放った。
「俺はたとえ1人になっても戦う」
「・・・っく!たまにだけ出てきてそんな調子のいいことばかり・・・」
「レッドよしなよ!」
「いや・・・俺も同じ意見だな・・・」
「・・・・・・・・・ボクは・・・」
「ピンクも・・・ブラックはどうなの!?」
その言葉に返事はない、無論ブルーも迷っていた。
「俺は何を言われてもいい、オッパーブを壊滅させるために・・・俺は戦う!」
「うぇい・・・遅れてきたらなんだか真剣な話じゃないっすか」
ようやく用事を終わらすことができたウィカがきたのであった。
「イエロー・・・」
「何があったかしらないけど、俺もシルバーの意見に賛成だね、さっさとこいつら倒して平和にして飲もうぜ!」
「俺はたとえ1人になっても戦うさ」
「寂しいこというんじゃねえっすよ~、俺もいくぜ~!」
2人だけ戦場へと向かうのであった。
「・・・・・・」
「ね・・・ねえ!2人とも!!」
「じゃあ、聞くがよ・・・ブルーあんたも守るはずの人間に攻撃されたらそんなこと・・・」
ピンクがブルーに突っかかった。
「・・・そんなこと、わかるはずないだろ!」
「ま・・・まあ二人とも!」
「ブラックも日和ってるんじゃねえよ!」
「ボクはそんなつもりじゃ・・・」
4人はそこから動く気配はなかった。
「ハンラマンさんじょ~う!」
「なんだハンラマン!逃げ帰ったんじゃないのか!? ほう、新手か」
「よし 超脱衣! 下着フォーム!!」
「俺が前に出る、そこの警察達を襲ってるキャッチーを倒してくれ!」
「おっけい、倒しちゃって俺の出番なくさないでくれよう!」
イエローはなぜかすでにフラフラであった、その奇妙な動きで次々とキャッチーを蹴散らす。
まるで風にでもなったかのようにキャッチーの群れの間をすり抜けていった。
「まったくもー、いつもなんでこんなに数がいるんすかー」
「アニキー!!アニキー!」
圧倒的な力でキャッチーを倒していくが数が多いのでなかなか減らないでいた。
「レッド・・・・ピンク・・・ブルー・・・」
ブラックだけ一人立ち上がる。
「ボクも・・・正義って奴をまた信じてもいいと思う・・・・」
「てめー・・・一人だけ正義面かよ!」
「・・・・レッド・・ブルー・・・2人は来てくれるって信じてますよ」
「おい!お前・・・俺はどうなるんだよ!」
ピンクが不服そうに突込みを入れた。
「・・・・・お前は突っかかってきたじゃないか!」
そういいブラックも戦場へ向かう。
その頃イエローは多数のキャッチー相手にいらいらしていた。
「アニキーー!」
「うぇ~い!! あ~~、イライラが最高潮っすよーー!!!」
キャッチーが溢れるように沸いてきた、いつもなら何人かいるので楽勝なのだが今回はたった一人でキャッチーを相手にしている。
「たった2人だと辛いな!?ハンラマン!」
怪人もシルバー一人の相手ぐらいなら楽勝といった表情であった。
「っち・・・イエロー早くキャッチーを倒してくれっ」
「うぇい・・・キャッチーが多すぎててんてこ舞いっすよ~」
「まあキャッチーなんぞやられても俺がいるから、お前らはここで負けてしまうわけだがな!」
「ま・・・まて!」
「ん? なんだ戻ってきたのか!」
怪人はまだ余裕な表情だった。
「イエロー!今そのキャッチーを倒すの手伝いますよ!」
「さんくすー!よぅし、ここからが本領発揮っすよー」
2人でキャッチーを倒すことによってどんどんとその数が減っていった。
「ようし、いっちょあがり、次はあの怪人だけだぜ」
そのころシルバーは一人で怪人と戦っていた、その屈強な肉体の前になかなか有効な攻撃が与えられずにいた。
「一瞬でもいいから隙を作らないと・・・」
「シルバー助けにきたぜ!」
「助かった・・・・」
「ほほ?キャッチーを全滅させたか!」
ブラックはいつものように攻撃をしかける、だが今までの怪人よりも強いのかあまり効果がない。
「っく・・・ボクの攻撃じゃびくともしない・・・」
「効かんわ!!」
3人は一度距離をとることにした。
「なんだ!逃げるのか!」
「うぇ~い、お前をやっつける作戦会議っすよ!」
そういい物陰に一度隠れた。
「うぇい・・あっちしょぼくれてる3人はまだこないのか?」
「今はいい・・・迷いのある戦士なんて邪魔だ」
「・・・とりあえずボクだけはこっちにきました・・・後はあの3人を信じるだけ」
これは3人にとっても辛い戦いになることは目に見えていた。
「隊長・・・あいつ達・・・」
「ああ・・・わかってる、だがな俺達はあいつ達全員を撃退しろという命令が下っている・・・そむくわけにはいかない!」
そういい隊長と呼ばれた男は指示をした。
「残ってる人数を一度招集、その後フォーメーションを組みなおして再度攻撃を開始する・・・、俺達だって戦えることを証明するんだ!」
「了解!」



一度崩れた陣形などまるでもともとなかったかのように完璧に陣形を組みなおす、その辺は何度も訓練されているらしく寸分の狂いもなくまるでこうなることを知っていたかのようにスムーズに終わった。
「1班は俺とともに待機、残り全員で目標MB18にのみ集中砲火・・・・、まずは一体倒す!」
「了解!」
「脚を集中して狙え!」
「砲撃準備、2の合図とともに一斉発射・・・1・・・・2!」
「撃て!」
合図とともに携帯男爵の足元に攻撃が集中した。
「ぐぁお!? なんだ!!?」
人間の攻撃で足元が少しだけぐらつく、そのおかげで一瞬注意がそれた。
「よし注意が逸れた!」
「っく・・いまなら大技で倒せるのに!」
「早くフォーメーションを組むんだ!」
「レッド・・・・!? みんな!!」
「うぇい、遅いっすよー」
「悪かった・・・俺達の覚悟はきまったよ」
レッドの声にほかの2人も頷いた。
「よし!いくぞ! ハンラ流奥義!」
ハンラフォースブーストキーーック!!
「ぬぁ・・・!? 油断してしまった・・・ぐぁあああ!!」
突如無駄にセクシーな女が登場する、その女は怪人に薬を渡した。
「あらぁ?せっかくクリュー様に強化してもらったのにその様ぁ?」
「く・・くそぉ」
「なら、これをあげる・・・・最後まで暴れて頂戴?」
「へへ・・・・わかったぜ!」
もらった薬を躊躇なく口へ放り込み巨大化する。
「この遊園地ごとぶっ壊してリサイクルしてやるぜ!」
「司令!」
-わかった! 今から送る!-
そういい3体のメカは合体した、シルバーのロボットであるシルバーパックももちろんきている。
「2対1だと!?」
『お前は強敵だからな・・・特別に2体で攻撃してやる!』
「ぬぬ・・・食らえ!巨大携帯ヌンチャク!」
そのスピーディーな攻撃はまるで生き物のようにピクシーロボを襲う、だがこちらには味方であるシルバーパックがいた。
『油断するな!こっちにもいるぜ!』
「ぐぁ・・・卑怯だぞ!」
怪人がシルバーのほうを向く。
『こっちにもいるぜ!』
ピクシーが隙を突き背後から攻撃した。
「くそっ! 卑怯だぞ!」
『だから油断するなって!』
何度も何度も挟み撃ちで攻撃され敵は自棄になった。
「むがああああ!!! どいつもこいつも!」
そうしてタダ闇雲に突っ込んでくる。
『よし!合体だ!』
『わかった!』
そうしてピクシー・ロボとシルバー・パックが合体する。
『エネルギーチャージ!!』
「うがああああああ!!」
怪人の巨大ヌンチャクが振り下ろされ攻撃が当たる瞬間であった。
『エネルギー100%!! ファイヤーー!!!』
高出力のエネルギーが発射された、この攻撃には耐えれず吹き飛んでしまう。
「くそっ・・・・卑怯だ・・・ぞ」
そういい爆発するのだった。
「シルバー・・・助かった、ありがとうな」
「悪かったな・・・・」
「ああ・・・たまにしか助けにこれなくて悪い、だが俺はまたピンチな時に駆けつけられるようにする!」
「おう!」
シルバーとレッドは熱い握手を交わしたのだった。
「っと・・・まあ、これから帰るんすけど~」
どうやらウィカがあまりいい気分ではないようだった。
「・・・・・わ・・わかった! 今回はぐずった分俺たちが・・・」
ユズィとモディ、最後にしぶしぶとリーが返事をした。
「よし、鳥定だな・・・」
「でも・・・最近行きづらいよね・・・」
「ん~・・・・・」
3人は考えた。確かに今まで何度も騒ぎを起こしてしまったので鳥定はあまり気乗りがしなかった。
「よ・・・よし、今日は俺が立ち飲みでも・・・」
「お!さすがリーさんじゃないっすか!」
全員でリーの提案に乗り、駅前の立ち飲み屋に行くのだった。



次回予告

ゼロ「クック・・・」

クリュー「何を笑っておる?」

ゼロ「いやぁ・・・クックック・・・」

ミンスー「多方・・・新しいおもちゃでも見つけたってところかな?」

ゼロ「クック・・・」

クリュー「まあ良い、で?次回は?」

ゼロ「ク・・クククク」

次回 第29話「ゼロ 始動」 お楽しみに







脱衣戦隊ハンラマン 27話

2013-10-23 17:27:25 | 小説
第27話  「人間の意志」

カタカタとキーボードを押す音が聞こえる。
”・・・・・またもや謎の怪人を倒した謎のヒーロー、彼らの行動が今後も見逃せない。”
ムナは会社でパソコンの前に向かっていた、そこにはハンラマン特集の記事がった。
「ん~~~~~~~・・・・」
何か思いっきり溜め込んだ後一言叫ぶように言うのであった。
「でっきたっ!」
出来たうれしさと今まで真剣に仕事をしていた体中の凝りをほぐすための2つの意味をかねて思いっきり腕を伸ばした、その先に人がいたらしく手が当たってしまった。
「ご、ごめんなさいっ!」
「ん・・!? ああ、いいよ」
「あ、カナメ先輩じゃないですか!」
そこには同じ会社で働く記者のカナメがいた。
「ん・・・、お前は仕事がんばるなあ、楽しいのか?」
「もちろん! 最近は特に楽しいですね」
「ん・・・・・、その記事は」
カナメはムナの書いてる記事をみつけた。
「あっ、このヒーローの特集記事って結構人気があるんですよ」
「そうか・・・」
その言葉の後少し顔をしかめる。
「・・・・、とりあえずTVを見たほうがいいぞ」
「??」
言われたままTVをつけた。
「・・・でったー!いやぁ、そのおっさんなんだけどですねぇ」
「おお!!これは・・・マスオカオスマじゃないですか!」
マスオカスオマは人気お笑いコンビである。
「ふむふむ、おっさんがどうしたんだよ?」
「鼻から鼻毛とすね毛だしてるんですよ!」
「すね毛は鼻からでねえよ!」
「あははははは!」
会場とお笑い芸人がまるで一体になってるかのように笑いが起こった。
「違う・・・・」
「え・・・? ですよねぇ・・・」
ムナは違う番組にまわした。
そこには丁度中年の男性が映し出されている、姿格好を見る限りでは警察関係の人間に見えた。
「・・・・・は、我々の安全を脅かしてきた存在ですが、彼等をテロリストと定めこの国の力を以って制圧することを目的とした組織”アレウス”を創設し、今までのような破壊行動をする武装集団を排除することになりました。」
どうやら警視庁も黙ってはいなかったらしい、選りすぐりの精鋭を集めオッパーブに対抗する組織を作り上げていた。
「また・・・・このテロリスト達が現れるたびに姿を現す5人組も同じく敵とみなし排除することになりました」
「うそっ!! こいつら馬鹿じゃないの!?」
さっきまでTVをおとなしく見ていたムナが突然立ち上がり部屋を出る。
「お・・・おい!どこにいくんだ!?」
「取材です、街中の声を聞きに行きます」
「おーい、勝手に出歩くな~!!」
停止を呼びかける声だけがむなしく部屋に響くのだった。
そしてムナが向かった先は街中などではなく喫茶店のアトモスフェアだった。
「いらっしゃい・・・」
「ちょっと!! このTVなんなんですかっ!!」
「へっ!?」
そのとき偶然一人で店番を頼まれていたビリーがいた。
「TV・・・?何のこと?」
もうこの時間ではどの局でもさっきの話はやっていないらしい。
仕方ないので自分が聞いたことをそのまま話した、そしたら最初は笑っていたビリーの表情が次第に青ざめていった。
「あれか・・・あれがトドメだったんだな・・・」
「あれ?? もしかして・・・」
「いやぁ・・・この前の怪人を倒すとき町もね・・・一緒に壊しちゃったっていうか」
この前の影男爵のとき、ピクシーロボを使い町がめちゃくちゃになってしまったのだった。
「はぁ・・・呆れた、そんなことやってたんですか」
「そうじゃなくても最近の怪人は強くなってきてね・・・」
「そんな言い訳するんですか!?」
その後も畳み掛けるように言われたのでビリーは不慣れながらもコーヒーを出した。
「ええと・・・見様見真似なんですけど・・・」
「あ、わざわざごめんなさいね・・・・ん?」
一瞬表情が強張る。
「これは・・・?」
「えっと・・ええと・・・」
あまりコーヒーに詳しくないビリーは適当なのを選んで出していた。
「・・・・・これはやっぱりいりません」
「え・・・?ああ、ごめん」
ビリーはそのコーヒーを一口飲んだがまずいとは思えない、ワリと味音痴なので何を飲んでもおいしいと思うのであった。
「とにかく! みんながいい人だってアピールしなきゃ!」
「そ・・それは、どうやればいいんだろ・・・」
「ん~・・・・・・・町に落ちてるごみを拾うとか? 困ってる老人を助けるとか?」
「確かにそういう地味な活動はいいかもしれないけどね・・・」
「取り合えず!いろんなことをやってみないと!」
「そ・・・そうですね」
ムナは時計を見た、そして少しヤバい時間だということに気がつき店を出た。
「私はみんなが正義だって信じてますから!!だからきっと大丈夫ですよ!」
「はは・・・ありがとう」
突然嵐のように現れたルナだったがその一言は確かにビリーには届いた。


「あっ、ビリーさんごめんね~、店番ありがとうございます」
レイさんは大きな買い物袋を持って店に入ってきた。
「今すぐにお茶いれますね!」
そういいお茶をくれた。
「いやいや・・・・、そいやレイさん・・・・・ハンラマン、警察に目をつけられちゃってテロリスト扱いうけてるって知ってます?」
「そ・・そんな!?なんかの冗談では?」
「それがニュースでもやってるらしいんですよ」
どうやらレイさんはこのことを知らないようであった。なので相当なショックを受けている様子である。
「まったくよー、リーはえげつない手を使うよな・・・」
「はぁ?勝つためには最善の手段を尽くすもんだろ?」
「あ、2人ともこんにちは!」
「聞いてくださいよ~、リーの奴ひどいんすよー」
「それはお前が先にやったから俺がやり返しただけだろ!」
「え・・?喧嘩ですか?」
「いえ、カードのことっすよ~」
「正確にはトレーディングカードゲームですけどね」
リーがどうやら相当えげつない方法で勝ったらしくそれに対してユズィが講義しているようだった。
それから少したってモディも姿を現す。
「いやぁ、みてよ!」
そういい同じ漫画を2冊取り出した。
「これが通常版・・・そしてこれが限定版! なんとドラマCD付!」
どうやら今日は休みでこれを買いにいったらしい、微妙に表紙が違うが同じ漫画を2つ買う気にはなれないと皆が思った。
「お!!!! モディさんそれは!!」
突如司令も現れた、どうやら仕事が終わって来たらしい。
「いいでしょ~~、もうこれ1冊しかなかったからね!」
「漫画はいい! そのドラマCDを・・・・」
「だ~~め!!」
そしてイエローを除く全員がアトモスフェアに集まったのだった。
「あれ?ウィカさんは?」
「何でも仕事がどうしても終わらないんだって」
「そうか・・・・」
とりあえず4人と司令はしゃべっていた。
「みんな敵が現れたって! 場所は千葉”同郷猫ランド”!!」
「ここからならそんな遠くないな!」
「よし!みんなウィカさんがいないけどとりあえず出発だ!」
「連絡は俺がしておく! だからみんなきをつけるんだ!」
「行ってくるぜスー!」
「ああ!敵が巨大化したらすぐに連絡をくれ!」
千葉の同郷猫ランドについたらランド内で怪人が暴れていた。
「俺の名前は携帯男爵!! お前達の携帯を全部リサイクルしてやるぜ!!」
この怪人はまだ契約などを切っていない携帯を勝手に回収してリサイクルするというはた迷惑なものだった。
「きゃーーー!!!」
「ふはは! お前の母親は非常に残念だな! その年齢と共にたれた頬!そしてシワ、シミ!さらには白髪まで!」
「な・・・なんてこというのよ!」
「うぁ~~ん!」
「ようし!俺についてきたらその母親をリサイクルしてぴっちぴちのグラマーママーンにしてやるぞ!」
「え!?」
その言葉を聞き母親の方が大きく反応した。
「うぁ~~~~ん!」
「どうする坊主!?」
「そこまでだ!!」
「その声は・・・・!!」
声の向く方向へと怪人が振り向く。
「ほほう! ようやく来たか!」
「その親子を放せ!」
「ほほう?しかしこの母親はまんざらでもない顔をしているぞ!?」
「奥さんそんな話、信じちゃだめだ!」
「でも・・・グラマラス・・・」
「そんな事ないさ、そのままでも素敵だって!」
「ああ、無駄に着飾ることはないぜ、それにな・・・・・」
そういい指をさしてキメ台詞を言おうとしたそのときであった、リーの携帯からコミカルな音楽が流れる。
「っち・・・電話かよ」
どうやらレイさんからのようだ。
『あ、ようやくつながった・・・ほかの皆にはつながらなかったんで・・・ウィカさんは後で合流するそうです!』
リー以外の皆は戦いの前で電源を切っていた。
「あ・・・はい、わかりました~」
「キメ台詞を邪魔されるなんてかっこ悪いな!」
「うるせえ! いいか、世の中うまい話には絶対落とし穴があるのさ!」
と、リーが言ったときにはどうやら親子は逃げ出していたらしい。
「ま・・まあ、気を取り直してね!」
モディがとりあえずこの場をまとめた。
「超脱衣!!」
レッドのハンライザーは未完成のまま渡されたので直接脱衣フォームになるしかなかった、他の3人は普通に変身をする。
「覚悟!!」
「こいハンラマン!」
携帯男爵は携帯をヌンチャクのように使用することにより4人を圧倒する、だがパワーアップしているレッドはそんなのを無視するかのように間合いに入った。
「ぐぐ・・・やるな!!」
「まだまだ本気じゃないぜ!」
レッドの強さも本物なのだが怪人も強くなっている。このまま短期決戦では終着しないだろうと思われた。
だが、そこに警察と思われる組織が現れた。
「2班と3班は俺とここで待機! 1班は戦闘準備、特殊弾装を許可する」
「わかりました」
そういい武装された人間達が言われたとおりのフォーメーションを組んだ。
「何だ人間どもか!」
「・・・っく!危ないここに来ちゃだめだ!」
レッドが人間の方に近づく、それによって人間達は攻撃をやめようとすると思っていた。
「奴らもテロリストだ、かまわん」
そういい襟元にあるピンマイクを口に近づける。
「容赦はするな、奴らの弱点はベルトらしいからな、集中砲火しろ!」
「了解!」
「撃て!!」
「え!?なになに・・・ ぐぁ・・・・」
そういいレッドに集中砲火を浴びせた。
「な、なんだ!? 人間達が攻撃をしてくるなんて・・・」
ダメージはさしてなかったもののレッドは確実に攻撃されている。
「まさか・・・本気で攻撃してくるなんて・・・・」
ブラックは困惑していた、たとえ敵対意識を持っていてもこんなに簡単に攻撃をするものなのかと、これは敵意ではなく拒絶だということに気がついた。
「みんな・・・レッドを連れてここから逃げるぞ!」
「え? でもブラックそれじゃ・・・」
「っち・・・確かにそのほうがよさそうだな・・・」
ハンラマンは一旦形勢を立て直すためにレッドの近くに行くことにした。
「はっはっは!こりゃ傑作だ!ハンラマンが攻撃されておるぞ!」
「標的1 MB18と思われます」
「かまわん攻撃準備、2の合図とともに一斉射撃」
「了解」
「1・・・・2! 攻撃を集中しろ!」
そういい携帯男爵も攻撃された、だが対怪人用に作られたといわれる武器でさえ怪人にとっては脅威にはならなかった。
「ごほっ・・ごほっ・・・痛てえじゃねえか!!」
「効いて・・・いない!?」
「お前らの持っている銃を全部回収してリサイクルしてやるぜ!!」
「っち・・迎撃用意! 奴を迎え撃つぞ!」
「了解!!」
怪人”携帯男爵”の猛攻が始まったのであった。



次回予告! 

リー「っち・・・なんだか雲行きが怪しくなってきたな」

ウィカ「うぇい・・・」

ユズィ「なんで作者はこんなシリアスな展開にしたんだろう?」

ビリー「さぁ?」

モディ「まあ、ふつー名前も明かさない謎のヒーローなんて怪しいからね」

リー「ったく・・・やってらんねーよ」


次回 第28話  「正義の揺らぎ」  お楽しみに







そいえば 久しぶりだな ハンラマン




脱衣戦隊 ハンラマン 26話

2013-09-29 15:33:44 | 小説
   





   第26話 「快進撃!無敵の下着フォーム」

4人はビシッと決めポーズをとり1人だけダレていた。
「酒忘れたぜぇい、だけどこれだけパワーがあふれるなら酒いらねえぜ~」
そういい影男爵のほうへと向かう。
「出でよ、キャッチー共」
その掛け声でキャッチー達が姿を現した。
「アニキー!」
「うぇい、今となっちゃキャッチーなんていてもいなくても同じっすよー!」
キャッチー達を何事もないないかのように蹴散らす。
「すげー、チョー強いっすよ~」
「アニキー!!」
「うぇぇぇい! まるで自分の体が流れる水の如く・・・そして拳が突き刺さる風の如く・・・」
イエローはなんだかどんどん気分がよくなってきた、まるで自分に酔うかのように頭がふらふらしてきた。
「今の俺なら水でも最高なテンションになれそうだわ」
イエローはそういいさらにキャッチーを蹴散らす。
「ん・・・ この何のデータもない奴でやってみようなかな」
そういい、ブルーは空のCDを投げつける、当社比2倍の威力といっても差し支えない威力になっていた。
「おぉ・・・これでこの威力なら・・・・ユズィちゃんとリーちゃんの秘蔵コレクションなら・・・・」
一瞬2人が固唾を飲んだ。
「それは・・・勘弁して」
「冗談だって~」ブルーの声が本気に聞こえる。
「さて、手始めにっと・・・」
そういい次々と攻撃を仕掛けた、まるでシューティングゲームの敵のように消えていくキャッチー、このブルーの弾幕をかいくぐることができずに簡単に全滅してしまった。
ブラックは半ば八つ当たりに近い感じでキャッチをぶっ潰していた。
「1匹・・・・2匹・・・・・3,4・・・・あぁっ・・・数えんのめんどくせ・・・・」
「アニキィィィ!」
キャッチーの1体が後ろに張り付く、だがブラックは肘を思いっきり腹に打ち込んだ、それにより一瞬だけ動きが止まったキャッチに懇親の右ストレートをぶち込む。
ブラックは他の2人に比べればペースは落ちるものの、驚異的な速さで敵を倒した。
3人の活躍であっという間に出てきたキャッチーを倒した。
「後はお前だけだ!ええと・・・」
「我は影男爵だ」
「そう!影男爵!!」
その言葉の後にすぐ影男爵は5体に分身した。
「ふはは!貴様達を我が一人だけで相手をしてやるなどと思ったか?」
「うぉ!?増えたよ!?」
「行くぞ、ハンラマン」
各自1体ずつ請け負う。
「っつ! 胴っ!!!」
面を警戒した影男爵は面を打たせないためにガードを高くあげていたそのために胴は無警戒で簡単に一発いれられた。
「ぐ・・・やるなお主!」
「面は打たせねえってか?」
だがかまわずピンクは打ち続けた。
「ぐ・・・まだまだ!」
「っけ、知ってるか? 腹を打たれるとなダメージはあるんだが意識がはっきりしているんだ・・・」
そういいもう一発胴に木刀をたたきつけた。
「我は貴様の作戦になんぞ・・・」
「頭を叩かれるとな意識が飛んだりしてダメージがわからなかったりするんだがよ、腹は鈍い痛みがずっと残るんだぜ」
ずっと腹を打たれ続けてきた怪人は呼吸が変になる。
「故に腹への攻撃は地獄の苦しみっていうんだぜ?」
「うがぁあ!」
胴への執拗な攻撃に耐えれなくなった影男爵はピンクに掴みかかろうとした。
「頭の防御を解いたな?  めぇーーーーん!」
リーの攻撃は見事に決まり一瞬で勝負がつくのであった。
「うぇーい、お仕置きタイムっすよー」
「貴様なぞすぐに倒してやる」
影男爵が先制する、だがすべての攻撃をまるでやわらかい布になったかのように受け流す。
「あれれ?攻撃してるんすか、ぜんぜん当たらないっすよぉ~?」
「・・・小癪な!」
前に出ると思ったら後ろに下がり、横にいくのだと思ったら下にかがみ、次々と奇妙な動きを見せつけ敵を翻弄した。
「ぜ~んぜん当たる気がしないっすよ、それじゃあこれからこっちのターンっすね」
そういい突如突進をする、これにカウンターを合わせて攻撃をしようとした影男爵だがイエローが突如右に避けたことにより攻撃をはずしてしまう。
そして体勢を崩している間に足払いをして影男爵を転ばせた。
「うぇぇぇい、なんだか動いていい気持ちっすよ~」
「この!」
影男爵も黙ってはいない、イエローの腕を掴みかかろうとしたときだった。イエローはわざと近くに寄り、お互いの全力で殴れる距離へと近づいた。
「パワーなら我の方が上のハズだ・・・、この距離に来たことを後悔させてやる!」
影男爵の攻撃をひょいひょいと躱す、そのうち相手の動きが鈍くなってきた。
「な・・・体がフラフラする・・・」
「俺の力っすよ、相手も酔わす、そして自分も酔っぱらう!」
エイローの強烈な一撃が入る。
「ぐ・・・まさか・・・」
「うぇい、いっちょ完了っすよ」
ウィカはその奇妙な動きで相手を翻弄して圧勝するのであった。
「ん~・・・いいCDないかな」
「貴様は飛び道具だな」
とりあえず空のCDを投げつけたのだがあまり効果が見られない。
「あった、これならどうだ!」
「貴様の攻撃など当たらないわ」
「食らえー! アニメ”モケモン”のシングルCD手裏剣!!」
だが影男爵の言った通り簡単に避けられた、だがブルーはそんなことは当然といった表情で一言言った。
「ふふっ、油断しちゃだめだよ。勝負は勝って帰るまでが勝負だよ」
「な・・・なんだと!?」
「う し ろ」
影男爵は慌てて後ろを向いた、だが後ろには何もなかった。
「向いたら危ないよ~」
そういい今となっては伝説のアイドルとなった山田梅目のCDを投げつけた。
「ぐぁあああ・・・卑怯だぞ!!」
見事に足にヒットするもその攻撃を耐えて見せた。
「タフだねー、今度はこのCDにしようかな・・・」
数々の古びたCDを取り出す、これはどうやら古本屋などで買った中古CDのようだった。
「そんな攻撃よけてやる・・・・」
強がっていた影男爵であったが足を負傷している、当然動きが鈍くなっているので遠距離攻撃の恰好の的になってしまったのだった。
「さて・・・・一件落着」
ブルーも難なく難敵影男爵を倒した。



「絞め技地獄であの世に送ってやるぜ!!」
そういいレッドは組み付く、まるで今までとは違うパワーを得たレッドはその力を試すかのように敵をブン投げた。
「おお・・・パワーがついてる!」
「投げた程度では我を倒せんぞ」
さすがに投げただけでは致命傷とは言えないようであった。
「これだけパワーがあるってことはな・・・・」
そういいもう一度組み合う、そして相手の首を思いっきりロックした。
「絞める力も強いってことだよ!!」
「ぐっ・・・・・・・」
チョークスリーパーの体制になり思いっきり絞めた。
「ぎ・・・ギブ・・・」
その言葉を聞きワザとロックをはずす。
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・我をはずしたな! 甘く見たな・・・後悔させてやる!」
そういい多彩な攻撃でレッドを翻弄するはずだった、しかしそのすべてが綺麗にさばかれる。
「っく・・・まだまだ!」
影男爵はその後も攻撃をしたがレッドはその腕を掴んだ後そのまま腕を引っ張り倒れこむ。
そして今度は腕を決めた。
「ぐぁああ・・・・まってくれ・・・ギブだ・・・・」
だが今度こそ相手の話など聞かず腕に大ダメージを与えることに成功した。
「ぜぇ・・・・ぜぇ・・・ぜぇ・・たかが右腕が使えない程度!!」
そういいもう一度攻撃を仕掛けてくる、だが今度はさばくことなくがっちりと掴みそして思いっきり投げた。
その攻撃で影男爵はノビてしまった。
「ちぇ・・・技をいろいろ試したかったのに」
4人はその圧倒的な強さで影男爵を倒した。
「くらえ!」
ブラックは得意の打撃を何発も叩き込んでいた。
相手の反撃こそ食らわないもののまったくダメージがない、このままでは勝負がつかないようにも見える。
「っく・・・まだ倒れないのかよっ!!」
「どうした?攻撃しているのか?」
「な・・・なんだと!」
ブラックの攻撃を何度も受けてるはずなのにびくともしない。その事実を見た影男爵はニヤけながら言った。
「ふはは、貴様だけが足を引っ張ってると見た」
「うるさい!」
ブラックは思いっきりローキックをぶちかます、それにより一瞬動きが止まったので渾身の右ストレートを心臓に打ちつけた。
「バカにするな・・・・ この影野郎ーーー!!」
心臓を打ちつけられた影男爵はまるで動けなくなったかのようになる、そして半ば八つ当たりな感じで影男爵を倒した。
「思ったより手ごたえのない奴だったな」
「いや、俺らがパワーアップしたんじゃね?」
レッドとピンクが余裕な感じでしゃべっている。
「正直ブラックすごいよ・・・、相手のスピード、パワーともに今までの怪人より上だよ・・・通常状態で勝つなんて・・・」
「・・・・・」
「うぇ~い、なんだかもう眠くなってきたうぇい」
5人はもう帰るようなそぶりを見せたが影男爵は生きていた。
「貴様達、これで終わりか?」
「なにっ!?」
後ろを振り返ると5人の影男爵がまだいた。
だが分身を消して1人に戻る。
「少々興醒めた、巨大化して潰してやろう」
そういい巨大化薬を飲みだした。
「司令! ピクシーロボをお願いします」
-わかった、すぐに送る!-
その連絡の後すぐにピクシーロボが現れた。
『よし!すぐにケリをつけてやるぜ!!』
正面にいる影男爵に脱衣剣を振り下ろす。
だが、その剣は何事もなかったかのように地面へと到達した。
『あああっ!? 銀行斬っちゃったよ・・・』
「後ろだ」
『なんだと!くそっもう一回!』
少し頭に来たレッドがまたしてもぶん回す。
『レッド! 頭を冷やして落ち着いて!!』
ブルーの静止もまったく聞こえないようであった。
その間に町がめちゃくちゃになる。
『おいおい・・・これじゃ俺らの被害のが大きいぜ?』
ピンクが不吉なことを言った。
「我は影、その実態を追うなど愚かなり」
先ほどからどうも様子がおかしい、相手が一度も攻撃する気配がない。
ブルーが集中して考えた。
『・・・・・・・そこの大きいビルの屋上!!』
そこには影男爵の本体がいた。
それを見つけて即座にピクシーで捕獲した。
「ようやく見つかったか、だが私の任務は終わった」
そういい影男爵はまるで砂にでもなったかのように消え去った。
『最後の最後まで・・・わからない敵だったね、今までみたいな理由がない・・・・』
5人はなぜか勝った喜びよりもその不吉な予感のほうが大きかったのであった。


次回予告

ウィカ「うぇーい、影男爵・・・不気味な存在だったぜぃ」

モディ「だね、なんだったんだろうか」

リー「馬鹿な敵が多かったから気づかなかったけど、オッパーブって危険な相手だな・・・」

ユズィ「ああ・・・」

ムナ「大変です・・・・」

モディ「あれ、どうしたの?」

ムナ「TVを見てください!」

全員「どれどれ・・・」


次回 第27話  「人間の意志」 おたのしみに

脱衣戦隊 ハンラマン 25話

2013-09-22 14:02:09 | 小説


第25話 「零の恐怖」

「クククク・・・レッド・・・レッドかぁ・・・・・」
レッドの戦いをそれから何度も見て研究したゼロの表情は狂気に満ちていた。
「パワーアップした・・・すごい・・・すっごいぞぉ!!」
まるで自分が見ているTVヒーローのパワーアップを目の前にした子供のようである。
レッドの攻撃パターンや癖、性格を研究し尽くしている。
この執念にも似たゼロの行動こそが、ゼロ本来の恐怖であった。
「よう、相変わらずだな・・・・」
「・・・・・・お前か、ミンスー」
楽しい時間を潰されたゼロは敵意丸出しの表情を向ける、だがその表情にひるむことはなかった。
「いいか・・・ミンスー、レッドは俺が倒すんだ」
「ああ、好きにしろ。俺は違う奴を倒す予定だ」
「・・・・・・・・・」
「そう怖い顔するなよ、仲間じゃないか?」
「・・・・・・・・」
「まあいい、今回はお前のお手並み拝見とするよ」
「・・・・・・・・・・」
ゼロはすでに怪人を送り込んでいたのだった。
「何を送り込んだんだい?」
「・・・・・影」
「はは、奴か・・・・ずいぶんエグいのを送り込んだね」
「奴なら確実に混沌を引き起こせる」
2人の反応からしておそらくその怪人っというのは強力であることは確かであった。
ブルー、イエロー、ピンクは3人とも傷もすっかり癒えていた。
「うぇい、禁酒なんてもうこりごりだぜ」
「いや~、まったくあんな激戦の後でもほぼ無傷なビリーって化物かよ」
「そんなこと言ってると、ビリーちゃんにまた殴られちゃうかもよ?」
3人は元気に退院してアトモスフェアに来ていた。
「わあ、3人とも退院おめでとうございます!」
「おー、傷は男の勲章だね諸君!」
ビリーが嫌味をいうがレイさんが元気に出迎える。
「退院祝いのケーキです!」
「おぉ、病院食は味が薄くてまずかったんですよ」
「うめぇ~~!ありがとうレイさん」
「うぇ~い、たまには紅茶とケーキっていうのも乙なもんですよ」
「ええと・・・ボクの分は・・・?」
ビリーの引退の時は何もなかった。
「あっ・・・・こ、今度買ってきますよ!」
少し苦笑いをしながらビリーはそれならいいんですよと言った。
「あ・・・あとこれ、みんなの分のハンライザー改(カスタム)です!」
「おー!」
「うぇーい」
「さすがスーだぜ」
3人はおのおの喜びの声を上げた。
ただ1人を除いては。
「ねえねえ! ボクのは? 当然あるでしょ??」
「あっ・・・・え・・・うん、・・・多分作ってるんじゃないかな・・・?」
レイさんの表情が曇った。
「・・・・・」
「ちょ・・ちょっとスーさんに聞いてみます」
そういい奥へと言った後5分程度で戻ってきた。
「ビリーさんはそのままでも十分強いから、いいだろうって言ってましたよ・・・」
「そ・・・そっかな・・??」
4人は一生懸命ビリーをほめた。
「キングオブマッスルっすよ! もうパワーで怪人なんてねじ伏せちゃってくださいよ!」
「そ・・・そうかな??!?」
ユズィの言葉で気を良くする。
「ほら、ウチなんて遠距離だからさビリーちゃんみたいに前衛がいないとだめだしさ!」
「うぇい、そこに酒が加われば鬼に金棒っすよ」
モディもウィカも参加する。
「ま、コイツが酔ったら手がつけられないがな」
「・・・・・・・」
リーの一言で今までの努力がすべて無駄になるのであった。
「リーちゃん!」
「だって、事実じゃんか」
「あーあ・・・ビリーさんスネちゃったぁ」
レイさんが冷たい目線を送る。
「いいんだ・・・僕は・・・はははは」
ビリーは不貞腐れていた。


「我は影男爵」
怪人の間の手はすでに街へと伸びていた。
「ええと・・・誰だね君は!」
影男爵が現れたという情報を聞きつけた警察が出動していた。
「貴殿には用事はない、早くハンラマンを連れて来い」
「ハ・・・ハンダマン?」
「ハンラマンだ」
「ハンララン?」
「ハ ン ラ マ ン!」
「ランララン?」
影男爵は話の通じない相手に攻撃を仕掛けた。
「うっ・・・なんだ・・・影に何かが絡み付いて・・・うぁっ!!?」
警察がこの事態に対応するがその警察すら被害に遭う一方だった。
「緊急事態ですっ・・・あっあ・・・・このままでは!!」
ニュースで中継に来ていたアナウンサーも次々と影に取り込まれていった。
「ん・・・・? うぉ・・・・」
「キャーーー・・・・」
歩いてる人々の影に入り込み次々と暴れていた。
「ハンラマンよ、早く我の目の前に姿を現せ」
そういい次々と影に忍び込み多くの人間を襲い始めた。
「もう・・・俺たち警察じゃ手に負えないのか・・・!?」
度重なる怪人の襲撃、だがそのすべてにおいて人間達は無力だった。
そして被害が増え始め街も混乱し始めたころ5人は到着した。
「な・・・・なんだこの光景は・・!?」
ユズィがこの奇妙な光景を見て思わず何もできなかった。
「今までこんな無差別な奴いたっけ?」
「きっとオッパーブだ・・・だけどこんな奴見たことない!」
モディが冷静に分析をする。
「左様、我は影男爵」
先ほどまで遠くで暴れていた怪人の声が、背後から聞こえた。
「うぇ、なんだコイツ!?」
「いつの間に移動したんだ!」
「いっちょお仕置きといきますかあ」
レッド以外の4人は普通に変身した、そしてレッドだけ下着フォームへとなる。
レッドのハンライザーは未完成のまま渡されたことにより直接下着フォームになるしかないのであった。
「うぁ・・・そりゃねえよ」
「その格好になるには、酒が・・・酒がたんねえっすよ」
「ウチはちょっと・・・パスかな」
「・・・・ボクだけパワーアップしない・・・」
4人は思い思いの言葉を発した。
「見るな! 俺だって・・・恥ずかしいんだよっ!」
しかし、その恥ずかしさすら力に換えるハンライザー。それこそがハンライザー本来の実力であった。
「さっさと倒すぞ!」
そういい活を入れた。
「よし、俺たちも!!」覚悟を決めた3人は叫ぶ。
『下着フォーム!!』
「あれ・・・竹刀じゃなくて木刀になってる!?」
「あ・・・ウチのは変わらないかな・・・?」
「俺も変化ねえっすよ、脱いだこと以外は」
だがブルーにもイエローにも大きな変化が現れていた。
-ブルー、聞いてくれ。そのCDだが入ってるデータの重要度で威力が増すんだ、DVD・・・いや、ブルーレイにすればさらに威力が上がる-
「えー・・・諸刃の剣じゃない・・・」
モディの秘蔵コレクションだった場合の威力は前回のCD手裏剣の20倍以上だと言う。
-イエロー、君の場合はより酒に酔えるように改造しておいた、その威力は近くにいる相手も酔ってしまう程に・・・ー
「そんなのなくても常にフルスロットルなのに~」
ウィカ本来の攻撃力に加え、相手も酔わす事で判断力を下げさせる、ハンラマンでも実力者だったイエローをさらに強くする結果になった。
-そしてピンク、お前は木刀だ-
「それだけかよ!」
相変わらずのボケとツッコミだ。
-ブラック・・・ええと・・・がんばれ!!-
「常に全力っすよ?」
ビリーも突っ込む準備をしていたが、ボケを振られなかった。
5人そろったところでビシっとユズィが言う。
「よし!俺たち5人の力見せてやろうぜ!」
「「おう!」」
「へーい・・・・」
4人は大きく返事をして1人だけ微妙なテンションだった。




次回予告

ウィカ「うぇい! ようやく退院です」

リー「ほんと・・・退屈だったな」

モディ「えー?ずっとゲームに熱中してたじゃない」

ウィカ「そっすよ、俺なんて酒飲めなくて全然テンション上がらなかったんすよ」

リー「結構高かったような気がしますけどね」

モディ「確かにねぇ」

ウィカ「んなことどーでもいいんすよ、来週は俺等が大活躍するってことっすよ!」



第26話 「快進撃!無敵の下着フォーム」

脱衣戦隊 ハンラマン 24話

2013-09-14 15:06:36 | 小説



前回そういえば



カテゴリが雑記だったなぁ




第24話 「超脱衣 下着フォーム!!」

それから数日今までの激戦が嘘のように安全な日々が続いた、このままオッパーブの勢力が衰え悪など存在しなくなればいい、5人のヒーローはそんな風に思うようになってきたのであった。
「ふぅ、平和だねぇ・・・・」
ビリーはバイト先で一人つぶやくのであった。
「テメー! サボってるんじゃねえよ!」
バイト先の店長がキレる、この人は昨日夫婦喧嘩をしたらしい。その八つ当たりだろう。
「ひぃ、サボってません!」
「平和とか言ってたじゃねえか!」
結局さんざん怒られたビリーは多少落ち込んでいた。
「はぁ・・・・結局平和じゃないや・・・」
だが事態は急変した、突然ビリーに連絡が入る。
-今ビリーさんがいるところの近くに怪人が現れた!至急向かってくれ!-
ビリーは店長にうそをつきバイトを切り上げて向かうことにした。
「すみません!! インフルエンザになったんで早退します!」
突然の出来事に首をかしげる。
「は・・? お前なんでそんなことわかるんだよ」
「なんとなくです!」
「ふざけんなっ!!!」
当然こんな嘘ではバレてしまう。
「ん~・・・実は・・・」
「ど・・どうしたんだ急にトーンが下がって・・・」
「ミゼルが・・・ミゼルが大変なんです・・・あと何日も持ちそうもないんです・・・最後を看取ってやらないと!」
「お・・・そ、それなら早く行ってやれ!」
ミゼルとはビリーの飼っている金魚の名前だった。だが、そんな事など店長は知らない。
「本当ですか!?」
「ああ、暇だしな」
ビリーはその言葉など聞かずに走り去った。
「あの野郎タイムカード押し忘れたな・・・・」
その頃怪人はいたるところで写真を撮っていた。
「この町は今日からスキャンダル男爵の配下だっ!」
「うぁっ・・・やめてくれ!エロ本を買ってるのを学校中にばら撒かないでくれ~~!」
「硬派な高校教師がロリ系のエロ雑誌を買うなんてな!! 次の日学校にいけなくなるぜ!!」
「うぁ~~~俺には嫁も娘もいるんだ~~!」
怪人は横暴なまでに写真を撮り続けた。
「ようし、一通りスクープはゲットしたからな・・・子供でもさらうか!!」
「まてっ!オッパーブ!」
変身したビリーがハンラブラックとして登場した。
「きたなハンラマンめっ!お前たった一人なのか?・・・・へっへ!スキャンダルして紙面一面に飾ってやるぜ!」
「っく・・・それは困る!」
リアルに困るブラックだったが仕方なく戦うことにした。
いつもどおりの怪人だと思って突っ込むが、ブラックが繰り出す攻撃のほとんどを受けた怪人にはまったくダメージがなかった。
「な・・・なんだって!?」
「スキャンダルの力なめるなっ!!」
カメラのフラッシュで目くらましをしてからの攻撃に隙が見出せず攻めきれずにいたのであった。
「いつもの怪人とは違うのか・・・!?」
「そのとおりだ! 俺には事実を伝える義務があるから教えてやるがな、クリュー様の研究の成果で俺ら怪人はパワーアップしたのだっ!」
「なんだってっ!?」
クリューは今までの敗戦から学びより強力な怪人を送り込むためにさまざまなことをしていたのだった。
そのころユズィはとてつもなく歯がゆい気持ちになっていた。
「くそっ・・・俺のハンライザーが壊れてなければ・・・」
体には異常がない自分が力になれない、これはハンラマンとして屈辱でしかなかった。
「ユズィさん・・・・」
レイさんもかける言葉がない、だがそこに息を切らせた男が突然来た。
「ぜぇ・・ぜぇ・・・・・、出来た・・・ハンライザー・・・改(カスタム)」
「ハンライザー・・・改(カスタム)!?」
「そうだ、従来のハンライザーでは抑え切れなかった脱衣の力を100%解放できる」
「うぉ、なんだか豪華仕様じゃないですか!」
「ただ・・・まだ試作段階なんだ、あまり無茶をしないでくれよ」
「全然大丈夫っすよ、ちょちょっと倒してきます!」
ユズィは気分よくハンライザー改を手に取り走った。
「ずいぶん早くできましたねっ!」
店に残っているレイさんは少し興奮気味で言った。
「いや・・・・実は未完成なんだ」
「え?」
「ハンライザーの脱衣制御装置のリミッターの上限値をつけてないんだ」
「それじゃ・・・?」
ユズィのハンライザーは脱衣の力を使いすぎると、制御不能になってしまうのである。
「いや、今はユズィさんの正義の心を信じよう」
「ですね・・・」



ビリーは倒される寸前薄れ行く意識の中でひそかに思っていた。
このままハンライザーが壊れれば自分もパワーアップさせてくれるのではないかと、だがそんなのは生きていればの話だと踏ん張って立っていた。
「っへ・・・・パワーアップした怪人なのに・・・ちょろいじゃないの?」
「な・・なんだと!」
ブラックは次の一撃を耐えれないことを知っていた、だが最後の強がりを見せていた。
「貴様・・・・俺を侮辱するとは・・・、よっぽどフライデーされたいらしいな?」
「僕はそんな・・・やましい事してないぜ?」
「くそっ・・・・、生意気な貴様は・・・スキャンダルではなく、葬ってやる・・・そうすれば明日の朝刊を賑わすことができるぞ?」
「っへ・・・オッパーブはその程度の事しかできないのかよ・・・」
「なんだと?」
「もっとでかいことをするのかと思ったぜ」
「フッフッフ・・・俺様から情報を引き出そうというのか、しかし残念だ、沈黙もまた報道なんだよ!」
きっと来る仲間のために、奴の情報を1つでも多く引き出そうとしたが、相手の方が一枚上手だった。
「・・・あばよ・・・みんな・・・」
少し覚悟の決めたセリフ、そんなことはお構いなしに怪人はブラックに攻撃した。
だがその攻撃は中断されるのであった。
「待てっ!!お前の相手はこの俺だ!」
「ユズィ・・・レッド!!」
「ほう・・・もう1匹いやがったか、だが、同じことだ!」
「超脱衣! 下着フォーム!!」
通常では下半身は普通に着衣しているのだがそれすら脱ぎ捨てる、まさに半裸を超えた存在になった。
ちなみに、しっかりパンツは履いてるので安心して欲しい、モザイク処理という状況だけは避けている。
「なんだ!?脱いだだけじゃないか!」
「レッド・・・・?」
「ブラック、休んでてくれ!」
そうして一歩ずつ近づいてきたユズィには威圧感があった。
「な・・・なんだ!?」
ユズィは一発殴ってこいといわんばかりに親指で自分を指した。
「ぐ・・・貴様!!脱いだぐらいで俺を倒せると思うなよ!」
怪人はその挑発に乗り思いっきりパンチをぶちかました。その攻撃で吹っ飛ぶレッド。
「しまった・・・・スキャンダルする前に倒してしまった!」
しかし、何事もなかったかのように立ち上がる。
「ってぇ・・・結構力があるな」
「なんてやつだ・・・、しかしお前が変質者なのは事実! 報道させてもらう!」
スキャンダル男爵は連続攻撃を繰り出す。
「反撃できまい! 俺様の報道ラッシュの威力とくと味わうがいい!」
だが、ダメージはなかった。
「な・・・なんだと!?」
「それが本気か?なら俺もいくぞ!!」
先ほどまでブラックを子供のようにねじ伏せていたスキャンダル男爵を、たった一発の蹴りで倒したのであった。
「ぐぁ・・・う・・・・・うぁあ・・」
「す・・・すごい!」
ブラックは感心していた、だがその一瞬の隙を見つけた怪人は巨大化薬を飲んだ。
「くそぅ・・・みんながいないのに」
だがそこで司令から連絡が入った。
-そこにフェアリーロボを単体で送る、そいつで倒してくれ!-
ユズィは仕方なく了解してフェアリーロボに乗り込んだ。
「今まで見たのよりちっちゃいじゃねえか!」
『お前なんてこいつ一体で十分だ!』
「そんな強がり言ってられるのも今のうちだ!」
その言葉のとおり強敵スキャンダル男爵の攻撃でたじろいでしまう。
『単体じゃパワーが足りないのか・・・・、それじゃなくてもアイツは強敵だ』
「ようし決めた!明日の朝刊は”ハンラマン敗れる!”の見出しだな!」
『っく・・・好きにはさせないぞ!』
だが思わぬ助っ人が現れたのであった、突如の攻撃で注意が一瞬そちらのほうへと行く。
「ぐぁ・・・背後からとは卑怯だぞ!」
そこにはシルバーパックがいた。
『レッド、待たせたな』
『お前は・・・シルバー!?助けに来てくれたのか?』
『ああ、こいつは強敵だ、2人で倒すぞ!』
『おう!』
そういい2人はおのおの得意攻撃を繰り出す。
『脱衣剣!』
「ぐぉ・・・まだまだ!!」
『ストリップキャノン!』
「ぐ・・・うごおおおお!!」
スキャンダル男爵はまるで灰になるかのように消え去ってしまったのだった。
「シルバー・・・助かったよ。だけどあんたの正体は?」
「・・・・・今はまだ言えない、だがお前たちの敵じゃないということだけは確かだ」
そういい夕焼けに埋まる姿を見てユズィは思った、なぜそこまでして正体を隠すのか。
本当に味方なのかが心配になってきたのであった。


次回予告!

ビリー「いやあ、スキャンダルされなくて本当に良かったですよ」

スー「まあ、ビリーさんはスキャンダルされそうだもんな」

ビリー「ひでー・・・」

レイ「まあ・・・アトモスフェアのブラックリスト客ですからね」

ビリー「ええ!? そんなのあるんですか? 助けてくださいよユズィさん・・・」

ユズィ「・・・・んー、誰かに見られてる気がするんだよなぁ・・・」

ビリー「え?」

ユズィ「いや、なんかずっと視線を・・・」

レイ「うは! まさか・・・・」

ユズィ「いやもっと・・・嫌な感じが・・・」


次回 第25話 「零の恐怖」

お楽しみに!