日本の風景(棚田)
久しぶりのブログ作成になりました。この夏の間、私はもっぱら戦後の日本史について調べたり考えたりしていました。その中で、元ウクライナ大使の馬淵睦夫氏が著した「国難の正体」に出会ったことは目から鱗のような発見であり驚きでした。世界史に対する見方考え方が少し変わってしまったような気がします。これからの私の記事はこの夏の勉強が表現されることになります。
今回の話はいったい何故、日本はアメリカと戦争をすることになったのかを考えてみたいと思います。よく言われることは戦前の日本は軍国主義国家であった。軍部の帝国主義的野心は満州を手に入れ、その勢いで中国内部を侵略していった。アメリカは中国を救うため、日本を経済封鎖することになった。満州までの返還を要求するハル・ノートを突き付けられ日本は已むを得ず戦争に突入した。というシナリオが広く行き渡っていたと思います。
ドイツ空軍
よく考えると数々の疑問がわいてきます。あの広大な中国を日本が侵略するというのは、どう考えても無理があり、その必要性はないと思われます。またアメリカが中国を救済するために国民の反対を押し切って戦争をしたとも考えられません。しかも日本を潰すために無差別な空爆を繰り返し、挙句の果てに原爆まで投下するという徹底ぶりと無条件降伏まで戦うというのは何故でしょうか。
そもそも日本が戦争に突入する前にヨーロッパではナチスドイツにより戦争が始まっていました。ヴェルサイユ条約の圧政からヒトラーは立ち上がり、ナチスドイツを率いてユダヤ人を迫害し、生活圏を獲得する目的でソ連に攻め入りました。だからといって、アメリカが日本と戦争をする理由はないと思います。日米戦争はヨーロッパの戦争とは無関係なのです。だとすると何か外に原因があり目的があったのではないでしょうか。
日本海海戦
それは日本人が気づいていないことですが、日本という国の存在が原因だったのです。実は日本人は当たり前だと思っていますが、日本人の実力は世界では脅威だったのです。欧米文化を吸収し、日本流に作り替える力、特に工業の分野では抜群の力を発揮したからです。明治維新以来、東洋の島国だった日本があっという間に先進国の仲間入りを果たしてしまいました。日露戦争でロシアのバルチック艦隊を破った海軍力には世界中が度肝を抜きました。
軍事力だけではなく外交力でも世界を驚かせました。第一次世界大戦後のパリ講和会議では日本の代表は人種差別撤廃の条約成立を提案しました。これには議長を務めたウィルソン米大統領が吃驚し、苦し紛れの反対演説でどうにか先送りしました。世界の中心だった英米は日本を抑え込まないと大変なことになると実感したのです。その後日英同盟は解消され、日本を封じ込める作戦が秘かに練られていったのだと推測されるのです。
F・ルーズベルト
第一次世界大戦後は混乱の残るヨーロッパと繁栄を謳歌するアメリカでしたが、1929年にアメリカ発の大恐慌時代を迎えます。日本は関東大震災や昭和の金融強硬にも遭いながらも、大恐慌からは真っ先に立ち直りました。そして満州に進出することになり日本だけが活躍し始めました。恐らくこの段階で日本潰しが本格的に始まったのだと思います。ソ連のスターリンの謀略が始まり、アメリカのF・ルーズベルトは中国を助けるという名目で戦争準備を整えます。
1936年に起きた「西安事件」から日中戦争が仕組まれ、翌年から泥沼に引きづり込まれます。その頃からヨーロッパではヒトラーによる戦争が始まりましたので、日本潰しには又とないタイミングと口実が用意されたと言えます。後はアメリカが参戦するための大義名分、日本からの先制攻撃を待つだけです。経済封鎖も石油の禁輸は事実上の宣戦布告です。日本軍による真珠湾攻撃もアメリカ軍はレーダーによる観測で事前にキャッチしましたが、衝撃を甚大にするためにハワイには知らせませんでした。日本は完全に仕組まれた戦争に突入してしまったのです。
~~さわやか易の見方~~
******** 上卦は天
******** 陽、大、剛
********
*** *** 下卦は水
******** 問題、悩み
*** ***
「天水訟」の卦。訟は訴訟、裁判、争いである。天にあった水が天と対立して雨が降る象である。複数の人がいれば必ず対立があり、個人も国家も争い事はつきものである。意見と方向が異なるとき争いとなるが、あくまでも自説を通そうとすればますます対立の溝は深く激しくなる。つまらぬ意地を捨てて親愛と協調を心掛けて見ることも大切である。
日本の実力に脅威を感じて日本封じを計画したのは英米であるが、あくまでも英国、米国の国民ではない。英国、米国を支配する強大な勢力である。この強大な勢力こそ世界の金融と情報、軍事を支配する帝国主義を支配した巨大財閥グループである。現在もこの巨大財閥グループによる世界支配は着々と進んでいる。それが世界を一つにしようとするグローバリズムの正体である。
「国難の正体」を著し、日本はグローバリズムを乗り越えねばならないと説いたのは馬淵睦夫氏である。馬淵氏はイギリス、インド、ソ連、タイに勤務し、キューバ、ウクライナ、モルドバでは大使を歴任した。在職中に歴史の謎を体験し、退官後に世界の要人たちの回想録を丹念に調べることにより国難の正体に気付いたという。「国難の正体」は是非手にとって読んで欲しい一冊である。
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