蜻蛉・莞爾の無責任漢字樂院

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「ひでり」

2009年12月12日 | 「語句」「言葉」~名詞編(は行~わ行)
【「ひでり」】

≪辞書を調べてみます≫
<日照り・旱>
(1)日が照ること。
(2)暑い晴れの日が続き、雨が降らず、川や池・井戸などの水がかれること。旱魃(かんばつ)。旱天(かんてん)。(3)あるべきものや欲しいものが不足すること。
「女―」


≪「ひでり」と訓読みする≫


カン/ガン han4
ひでり <かわく>
字統:122
0587/04553

<解字(漢語林)>
干(カン)は、暵(カン、ひでり)に通じ、「ひでり(かわき)」の意味。
天の位置に“日(陽)”を置いて、「天によるかわき=ひでり」の意味。 ◆“暵”は、後段で紹介します
●晘は旱の俗字


≪意味合いが「ひでり」≫


ハツ/バチ 慣用:バツ ba2
<ひでりの神>(ひでり)~旱魃
字統:722
1478/13656

<解字(漢語林・蜻蛉)>
犮は、「はらう、取り除く」の意味。“祓”の原字
鬼は、実像の無いような神な存在。
大地から水を「はらい」生物を取り除く神 ⇒ 魃
◆ひでりをもたらす悪神=旱魃


≪「ひでり」が含まれる≫


ハツ/バチ ba2
<美しい女性><熟語:女妭:ひでりの神>
0333/02305

<解字(漢語林・蜻蛉)>
女+魃の省略形。
“魃”より、犮は、「はらう、取り除く」の意味。
“妭”は、大地から水を祓い、生物を取り除く、「ひでり」を起こす女神。
また、祈祷する女性の巫祝・「巫女」のことかも?

<「女妭」についての字統の記載>
人の形をしていて禿げていて、背丈は二~三尺、目は天辺にあり、遠出をすれば風にように動き、その現れる所は、赤地千里に及ぶ大旱魃になると言う。


<これも「ひでり」~字統より>

字統:133
「ひでり」の時、祝詞を収める器のサイ(口)を頭上に載せた巫祝を焚いて、雨乞いをする事を意味する。


≪零れ噺し≫ 
<ひでり大王>
孫悟空が登場する『西遊記』に「ひでり大王」の話しがあります。
カンカン照りの陽射しばかりで、作物は実らず雨乞いを色々な人物が試みるが、うまく行かない。
よくよく大王を見ると、人間に可愛い息子の“沙悟浄:サゴジョウ”をとられた河童のお父さんだった。


≪総評≫
常用漢字への書き換え作業により、「かんばつ」は“干ばつ”とされています。
確かに“干”は、「ほす」の意味なので、間違えではありませんが、
「かんばつ」は「旱魃」と正しい漢字を書かせて下さい。
(文化庁さん、お願いいたします。)



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