かめちきの 風に吹かれて

今年はふた味違うかも。

梅と酒と…

2017-03-10 | つれづれ
土のおっちゃんことごうさんを偲ぶ一日。
(私にとってはごうさんというのは諡みたいなもの)

梅宮神社、久しぶりにあの懐かしい、身体が
浄化されるような梅の薫りに包まれる。
松尾大社は日本酒資料館。ビデオで狂言を
やってて、能楽堂で聞くのとはまた違い、
室町時代が近くなる。

道中、市民病院の前の信号でバスが止まり、
おっちゃんがこの世に脱ぎ残していった
魂の抜け殻の欠片を感じ取ろうと精神を
集中してみた。ほんの幽かだったけど。

次はおっちゃんの好きだったという大徳寺の
高桐院のお庭。バス通りも近いのに、
しいんとして無音。聞こえるのは小鳥の声と
葉擦れがして枯れ竹がかぁんかぁんと鳴る音だけ。
拝観客も何人かいても密やかで。
なるほどごうさん好みの庭だなと思う。
まるで昔の嵯峨野の奥みたい。時おり保育園の
子どもの声が聞こえるのもよかったんだろう。
お庭の木の手入れもさすがと感服するほかない
見事な手入れで、自然でありながら細心の
心配りが窺える。
2時間くらいぼんやりしたりお庭を拝見して
ごうさんが座禅を組んでたろうなと思われる
緋毛氈でお抹茶をいただいた。

寒いし時雨れるしで鴨川での献杯はあきらめて、
部屋でお酒と、東京から持ってきた輪島の器と
長田弘の『死者の贈り物』を供える。
供えてから、ちょこちょこやりながら頁を
繰る。なんでごうさんの本棚にあったのか
わからないけど、まるでごうさんの本のように
思えて、いつまでも読んでいた。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ヒイラギの香る | トップ | はぴまいばすで »

コメントを投稿

つれづれ」カテゴリの最新記事