露子は意識朦朧としていた。
何が起きたのかさえ思い出せない。
ただ自然と落ちていく感覚だけがある。
意識が戻った時に見た物は、悪霊の覗き込む姿だった。
「イタタタ。ごめん。大丈夫よ。。。何が起きたっけ?」
咄嗟に把握できていないかった。
痛みをこらえて考えると、徐々に思い出す。
そうだ振り向いたときに、死霊の肘が目の前にあって、頬を殴られた。
それから・・・それからどーしたんだろう?
悪霊の顔は、前回死霊と戦った時のように、腫れてはいない。
周りの風景を見ても、さほど何も起きているようになかった。
どうしたんだろう。。。。
「ねぇ死霊は?あの悪い男の人は?」
少女は黙って指をさす。
その方角は、閻魔大王がいる方角だ。
そうか・・・閻魔大王がやっつけたんだ。
一番強い存在だから、死霊なんて朝飯前だろう。
だがそれと同時に、目の前に落ちている式神の半分を見つけた。
「式神・・・」
声をかけても返事が無い。
少女が小さく首を横に振る。
「・・・大丈夫。。。式神は何度でも蘇るから・・・」
露子は少女を慰めるように言った。
それは自分への言い訳でもあった。
「ねぇ他の人たちは?」
露子は金太郎や花子がいないことに気付く。
また少女は、閻魔大王の方角を指さす。
「もう。。。あの世に行ったの?」
今度は首を縦に振った。
「そうなんだ。。。さよなら言えなかったな」
露子は少し胸が熱くなるのを感じる。
涙が溢れだしそうだ。
さよなら・・・言えなかった。
何が起きたのかさえ思い出せない。
ただ自然と落ちていく感覚だけがある。
意識が戻った時に見た物は、悪霊の覗き込む姿だった。
「イタタタ。ごめん。大丈夫よ。。。何が起きたっけ?」
咄嗟に把握できていないかった。
痛みをこらえて考えると、徐々に思い出す。
そうだ振り向いたときに、死霊の肘が目の前にあって、頬を殴られた。
それから・・・それからどーしたんだろう?
悪霊の顔は、前回死霊と戦った時のように、腫れてはいない。
周りの風景を見ても、さほど何も起きているようになかった。
どうしたんだろう。。。。
「ねぇ死霊は?あの悪い男の人は?」
少女は黙って指をさす。
その方角は、閻魔大王がいる方角だ。
そうか・・・閻魔大王がやっつけたんだ。
一番強い存在だから、死霊なんて朝飯前だろう。
だがそれと同時に、目の前に落ちている式神の半分を見つけた。
「式神・・・」
声をかけても返事が無い。
少女が小さく首を横に振る。
「・・・大丈夫。。。式神は何度でも蘇るから・・・」
露子は少女を慰めるように言った。
それは自分への言い訳でもあった。
「ねぇ他の人たちは?」
露子は金太郎や花子がいないことに気付く。
また少女は、閻魔大王の方角を指さす。
「もう。。。あの世に行ったの?」
今度は首を縦に振った。
「そうなんだ。。。さよなら言えなかったな」
露子は少し胸が熱くなるのを感じる。
涙が溢れだしそうだ。
さよなら・・・言えなかった。