「確かに・・・・確かに欲と言うか、煩悩があるのは認めます。それが人だから。ずんばばばぁや式神のように純粋ではいられない。でも、欲があってもその中から何かを選択する時は、人は決めることが出来ます」
「それが良いことだと言うのか?」
「はい」
「どこがだ」
「決めると言うことは、決心する。選択をするということです。選択をして人は成長も失敗も経験する。そーいうことです。でも決心をすれば人は強い」
「強い?どーいう風に?」
「私の魂と引き換えに、皆をあの世に連れて行ってください」
「魂と引き換えに?おまえの魂はいずれ消滅させる。あいつらとの引き換えにはならない」
「私の願いを叶えるって言いましたよね?」
「う?それがお前の願いということか?」
「はい」
「あいつら・・・と言うのはあまりにも漠然としているが」
「漠然ですか?」
「そうだ。一人だけ名前をあげろ」
「それって変です!一人だけって約束していないじゃないですか」
「約束?」
「はい。私達人間が欲があると言いましたけど、閻魔大王さんは嘘があるんですか?」
「嘘?」
「だってそうでしょ。願いは一つだけと言いました。一人だけとは言ってません」
「なるほど・・・・わかったならばあそこの岸辺にいる奴らを、この世に入れてやろう。ただし人はだ。式神はこの世には入れん」
「式神はどうなるんです?」
「どうもならん。あいつは人の心が作るものだ。心が消えれば消滅するし、心が通えばまた生まれる」
『露子。私は大丈夫。紙だからいつでも生まれては消える。心配しないで』
露子の心を探っていたのか、式神の声が聞こえた。
「でも・・・」
『たぶん。私を作った人があの世にいるから。そこに戻るだけだよ』
「そうなんだ・・・でも本当に?本当なの?」
『本当よ。以前も・・・大昔だけど私は生まれて、人の身代わりに消えた。そんなことあるのよ』
「だったら・・・・」
『心配しないで。心はいつも露子と会話できるから』
「わかった」
「それでいいのだな?」
閻魔大王が聞いてくる。
しかし露子は違っていた。
助けたいのはあそこにいる連中だけではない。
ここに来られなかった仲間達も、地獄に落とされた九尾狐も助けたい。
そして悪霊も死霊もだ。
「それが良いことだと言うのか?」
「はい」
「どこがだ」
「決めると言うことは、決心する。選択をするということです。選択をして人は成長も失敗も経験する。そーいうことです。でも決心をすれば人は強い」
「強い?どーいう風に?」
「私の魂と引き換えに、皆をあの世に連れて行ってください」
「魂と引き換えに?おまえの魂はいずれ消滅させる。あいつらとの引き換えにはならない」
「私の願いを叶えるって言いましたよね?」
「う?それがお前の願いということか?」
「はい」
「あいつら・・・と言うのはあまりにも漠然としているが」
「漠然ですか?」
「そうだ。一人だけ名前をあげろ」
「それって変です!一人だけって約束していないじゃないですか」
「約束?」
「はい。私達人間が欲があると言いましたけど、閻魔大王さんは嘘があるんですか?」
「嘘?」
「だってそうでしょ。願いは一つだけと言いました。一人だけとは言ってません」
「なるほど・・・・わかったならばあそこの岸辺にいる奴らを、この世に入れてやろう。ただし人はだ。式神はこの世には入れん」
「式神はどうなるんです?」
「どうもならん。あいつは人の心が作るものだ。心が消えれば消滅するし、心が通えばまた生まれる」
『露子。私は大丈夫。紙だからいつでも生まれては消える。心配しないで』
露子の心を探っていたのか、式神の声が聞こえた。
「でも・・・」
『たぶん。私を作った人があの世にいるから。そこに戻るだけだよ』
「そうなんだ・・・でも本当に?本当なの?」
『本当よ。以前も・・・大昔だけど私は生まれて、人の身代わりに消えた。そんなことあるのよ』
「だったら・・・・」
『心配しないで。心はいつも露子と会話できるから』
「わかった」
「それでいいのだな?」
閻魔大王が聞いてくる。
しかし露子は違っていた。
助けたいのはあそこにいる連中だけではない。
ここに来られなかった仲間達も、地獄に落とされた九尾狐も助けたい。
そして悪霊も死霊もだ。