その声に反響するように風が動いた。
この世界で、風が起きたのは2回目。
先程の風は強い生の風だった。
今度のは優しい暖かい風。
皆の想いが、暖かい風となって露子を包んだ。
皆露子の気持ちを分かっている。
三途の川を挟んで、二つの想いが重なった。
生の風が三途の川を越えた。
その瞬間に、露子の身体が消えていく。
生の世界に戻されている。
閻魔大王にまだ願いを言っていない。
「待って!!」
露子が叫んだが、その言葉はかき消された。
次に気付いた時は、皆の側だった。
「みんな。。。。なんで。。。なんでここに来たの」
「そりゃ露子が心配だからさ」
「バカよ。私のために」
「バカはおまえだよ。なんで一人で乗り込んだ」
「一人じゃないもん」
「ずんばばばぁと九尾狐か。。。俺達も同じ気持ちだ」
「九尾狐、助けなきゃ」
「もう遅いよ」
金太郎が言った。
「なんで?まだ消滅していないんでしょ?地獄だよね?」
「地獄と言うのは一度入ると抜けられないんだ」
「でも入れるんだから、出れるでしょ」
「出れないよ。出口が無いんだ」
「入った場所から出ればいいじゃん」
「それが出来るなら、、、、」
言葉を濁す。
「どうしたの?」
「出る前に消滅してしまうんだ」
「出るには消えるしかないんだ」
「えっ?」
「地獄は絶対に束縛された世界じゃないらしい。でも出るには消えるしかないんだ」
「誰に聞いたの?話した人がいるなら出た人もいるんでしょ」
「ううん。出た人はいない。鬼の門番が教えてくれた」
ハンチングの男が言う。
「俺さ。背後霊になる前に、一度あの世に行ったんだ。その時に霊界の案内役を一度していた。地獄の案内役の鬼から聞いたんだ」
この世界で、風が起きたのは2回目。
先程の風は強い生の風だった。
今度のは優しい暖かい風。
皆の想いが、暖かい風となって露子を包んだ。
皆露子の気持ちを分かっている。
三途の川を挟んで、二つの想いが重なった。
生の風が三途の川を越えた。
その瞬間に、露子の身体が消えていく。
生の世界に戻されている。
閻魔大王にまだ願いを言っていない。
「待って!!」
露子が叫んだが、その言葉はかき消された。
次に気付いた時は、皆の側だった。
「みんな。。。。なんで。。。なんでここに来たの」
「そりゃ露子が心配だからさ」
「バカよ。私のために」
「バカはおまえだよ。なんで一人で乗り込んだ」
「一人じゃないもん」
「ずんばばばぁと九尾狐か。。。俺達も同じ気持ちだ」
「九尾狐、助けなきゃ」
「もう遅いよ」
金太郎が言った。
「なんで?まだ消滅していないんでしょ?地獄だよね?」
「地獄と言うのは一度入ると抜けられないんだ」
「でも入れるんだから、出れるでしょ」
「出れないよ。出口が無いんだ」
「入った場所から出ればいいじゃん」
「それが出来るなら、、、、」
言葉を濁す。
「どうしたの?」
「出る前に消滅してしまうんだ」
「出るには消えるしかないんだ」
「えっ?」
「地獄は絶対に束縛された世界じゃないらしい。でも出るには消えるしかないんだ」
「誰に聞いたの?話した人がいるなら出た人もいるんでしょ」
「ううん。出た人はいない。鬼の門番が教えてくれた」
ハンチングの男が言う。
「俺さ。背後霊になる前に、一度あの世に行ったんだ。その時に霊界の案内役を一度していた。地獄の案内役の鬼から聞いたんだ」