かへる 東の国探訪記

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二つの博物館の間

2016-02-14 16:26:04 | 旅行
これが、先ほどまで中にいた美術史博物館である。

向かい側にある建物とそっくりの形をしているが、こちらの方が色が白い。

この双子のような建物は、向かい合うような形で建っているのだが、
その間には広場がある。
マリア・テレジア広場と名付けられている。
名前の由来は、言うまでもなく、中央にいらっしゃるこの御方である。


テレジア様の周囲には、彼女を守るように12人の像が控えている。
宰相カウニッツ候やリヒテンシュタイン候などの臣下の他、台座にはハイドンやモーツアルトもいるらしい。
(が、見落とした。残念
4騎の馬に乗った軍司令官が四隅に控えている


あいにくの曇り空だが、テレジア様の堂々たるお姿をご覧いただきたい


テレジア様は、よく女帝と呼ばれるが、神聖ローマ帝国皇帝の座にあったのは夫のフランツ・シュテファンであった。
彼女の身分は、『ハンガリー女王』『ボヘミア女王』であるが、政治的手腕は夫よりもはるかに上で、
実質的には『女帝』であった。
夫君のフランツ・シュテファンは、現在はフランスの一部であるロレーヌ(ロートリンゲン)公国の公子で、
結婚の際には公国の跡継ぎの座を手放さなければならなかった。
政治や外交には向かない性格だと自覚していたのか、そちらの方は妻に任せて
自分は学問や趣味を極めた人であった。
また、戦争続きで疲弊した帝国の財政を立て直したのも、フランツの功績が大きかったとされる。
シェーンブルン宮殿内にある動物園を大きくしたのも彼の時代である

そして、フランツ1世のもう一つの功績が、この建物内に収められている。

美術史博物館よりも色が濃いこの建物は、自然史博物館である。
ここが、この日のお目当てその2となる
自然科学に大変興味のあったフランツ1世の収集した膨大な標本類をもとに、
世界中の動物・植物・鉱物・化石などを集めた博物館である。
ガイドブックには「向かいの美術史博物館と比べると地味」などと失礼極まりないことが書かれているが、
化石や鉱物大好きなわたしには素通りできない場所である