左足が激痛で 上がらず
ズボンがはけない
母と義母は九十代で
身支度に三十分かかると言ったが
私は、七十だ
この小娘がと 昔なら言われそうだが
今は ばあさまなので
昔から小柄なので
この子婆がと いうところだろうか
天に向かって 唾をはきたいが
唾が落下した時
咄嗟によける俊敏さがない
ので
杖をつきながら 庭仕事などしている
ため息がでる元気もなく
ワープロに向かい
ため息を発散する
ため息は いやに元気だ
杖とは 無縁だ
増長し
ここぞとばかりに
駆け抜けていく
このパワーは どこからくるのか
激痛のパワーは偉大である
下がれ下郎、といわれても
下がらない
立っているだけで 精一杯、
ぱっ と花が咲く
次々に
花が咲く
まだ まだ
ぱっ
ぱっぱ
終わりは
きれいに 咲いている、
R3.5.18