鍼灸如何に学ぶべきか~科学的鍼灸論の構築のために~

鍼灸の理論と術にかかわる初歩的・基本的な問題を中心に科学的=論理的に唯物論を把持して説(解)いて行きたい、と思います。

語彙力について〜語彙力と文章力〜

2019-06-26 07:49:04 | 日記(2)
「語彙力」ということが流行っているらしい。それはそれで結構なこととは思うものの、語彙力=文章力と錯覚されているのでは、と。

今朝のNHKで、今SNS上で「語彙力」ということが流行っていて、文書の最後に「語彙力」とつけることで「言葉足らずであるが意を汲んで欲しい」という意味で使うらしい、それとともに「語彙辞典」等が売れている、とされていた。

自身も文章を書くことを始めた当初は、今に至るもであるが、文章力の無さに、それを補うものとして「語彙力」の必要性を痛感した、しているので、「語彙力」をつけたいと「語彙辞典」を購入して使う方の心情は我がこととしても理解できる。

しかしながら、NHKの番組を見る限りでは、「語彙力」を問題とされているかたは、言語表現の過程的構造をまったく知らない、知ろうともしていないのだと残念にも思えた。

端的には、文章を書くということの認識から表現への過程的構造を、それは、自身のアタマの中の像を文章に書ける形へと成して、それを文章として書くでなければならないのに、それが本来の文章を書くである、あったはずなのに、自身の書きたいことを「語彙辞典」で調べてみて、気の利いた言葉で書く、が「語彙力」である、とされてしまっている、と思えた。

これではまるで、鍼灸初心者が、患者の過程的構造を知ろうとすることも無しに、病気や病証を並べて、どれが正しいのか、とアタマをひねっているようなもので、百年経っても診断力へとはなっていかない、どころか誤診へとも繋がって行きかねない、のと同じことで、語彙力の向上が文章力の向上へとは繋がって行かないのでは、と。

遺憾。

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