じょじょりん文庫

読書好きで雑読。ゴルフ好きでへたくそ。
気の向くままに本ネタとゴルフネタを書かせて頂いています。

銀河英雄伝説 その2 田中芳樹

2011-02-21 | 小説
銀河英雄伝説〈1〉黎明篇 (徳間文庫)
田中 芳樹
徳間書店


以前、この本についてはブログで書かせて頂きました。
昔も今も好きな本ですが、最近、CSのファミリー劇場でアニメの一挙放送をしていまして、録画したものを出勤前に毎日見ています。

この本のあらすじは以前のブログを見て頂くとして、この本の中には、けっこう「う~ん」と思わせる金科玉条があります。

民主主義について、主人公の一人のラインハルトがもう一人の主人公のヤンに言った「民主主義(原作では民主共和政という言葉になっている)とは人民が自由意志によって自分たち自身の制度と精神をおとしめる政体のことか」という言葉があります。
最近の与党の有り様を見ていると、なんか考えさせられてしまいます。
賄賂と疑われるような類の金銭をもらって高額の不動産を所有した政治家が、臆面もなく自分の党の党首を「国民の意志に反していることをしている」なんて批判しているのを聞いたりすると、人に物を言えるのは自分の手がクリーンの人だけではないかなどと思う私からすると、理解できません。そして、そんな人を自分が次回も当選したいがためだけ(だと邪推してしまう)に味方して会派の離脱宣言をしたりする、全然マイナーな新人議員の有様を見ても、理解できません。
こういう状況にしてしまう人たちを当選させたのは、私たち国民ですし、もしかしたら「人民が自由意志によって自分たち自身の制度と精神をおとしめる」ことになってしまったのかもしれません。もっとも、前の与党が良かったとも思いませんが。

ヤンが養子のユリアンに「人は勝つことだけを考えると、際限なく卑しくなる」と言う件もありますが、こうした与党の有様を見ていると、本当にそうだな、などと思ってしまいます。

私が一番なるほど、と思うのは、やはりヤンがユリアンに言った
「偉人の伝記などを子供に見習えなどというのは、善良な人に異常者を見習えと言うに等しい」という言葉です。
やはり偉人というのは、何かを犠牲にして偉大な業績を残す人のことでしょうし、何かを犠牲にするということは何かが欠落してしまうということでしょう。その何かというのは、たぶん人間的に必要な何かであることが多いと思いますので、常人は模範にしない方がよいとつくづく思います。
努力すればかなう範囲で自分の夢を追いかけるというのが正しいあり方なのかな、と思います。努力する範囲であれば何かが欠落することもないでしょうから。

とりとめもなかったですね。

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