ザ・サウンド オブ わんわん The sound of wan wan

ベルジアンシェパードグローネンダールのズースです。

ズースのハーネス・「戦争と平和」挑戦

2024年01月18日 | 
犬の散歩の時、どんなリードで散歩するか、は悩ましいところ。
夫は、チョークという、首のところが輪っかになっている単純なリードが1番良いのだと言う。飼い主の意図が、リードを引っ張ることによって犬に伝わりやすいからだ、と。確かにそのように言われるチョークだけれど、ズースはよく引っ張る犬だし、ときどき首が締まって苦しそうに咳き込むのが気がかりだった。犬に苦痛を与えて言うことをきかせる、ってどうなんだろうか?
イージーウォークというリードがあり、これは先代の犬たちもずっと使っていた。



首より下の胸あたりにリードの繋ぎ目が来て、犬の習性上、引っ張り防止になる形状。便利に使っていたし、今も歩くのが楽なので気に入っているが、これは犬が歩きにくいからよくない、という人もいて、使うのに少し後ろめたさがある。

ネットでいろいろ調べて、ズースのために新しいハーネスを購入した。
フィンランドのフルッタというメーカーのもの。

 なかなかかっこよい。

胸あてもついていて、胸元から肩をすっぽり覆う形状。肩のところにリードの繋ぎ目。歩きにくさはないはずだけど、あまり引っ張らない。良さそう。
夫は、ちら、と見て、「フン!」という感じ。チョークがいいと固く信じてるからなあ。私は、これとイージーウォークを交互に使うことにする。


このところ、夕陽が美しい。朝焼けも美しい。雲も美しく見える。




朝、薄暗い中、ボール取り遊びするズース。

📚📖🕰🐶



ずっと積読、というか読みかけては挫折していたトルストイ「戦争と平和」に着手。
登場人物のメモをとりながら読んでいます。古典外国文学はこれをするにかぎる、と「モンテクリスト伯」で、痛感したので。
まもなく一巻めが終わります。叙事的。描写の細かいこと。戦争の場面は、いまロシアがまさしく戦争真っ最中であることを思う。貴族の描写の場面はロシアの美しい女性を思い浮かべつつ。フィギュアスケートとか体操の選手とか、バレリーナとか。

軽く読める短めの本で息抜きしながらこの超長編を読み進めています。先は長い💦




しろばんば

2023年12月23日 | 



年賀状用の写真の中から。
この犬種はあまりベタベタするのは好きじゃないので、迷惑な顔?



井上靖「しろばんば」読み終わりました。しばし、大正時代の田舎に旅をしてきたような気がします。
平易な文章ながら、細かい情景描写、表面をなぞっているようてありながら人間の心の底まであぶり出すような人物描写、井上靖は文豪だなあと思いました。
最初は、主人公洪作の周りの大人たちの毒がいやでした。たぶん私もそういう毒を感じながら育ったせいか。
洪作が、複雑な家庭環境で育ちながら、健全な心の成長を遂げたのは、おぬい婆さんの我を捨てた愛情があったためでしょう。
大正時代の子供たちの天衣無縫ぶりが楽しかったです。
🎊
孫たちへのクリスマスプレゼントは、毎年、絵本を数冊選んでいました。
去年あたりから、小学生の孫たちへの本選びは難しいなと思い始めて、今年は孫からのリクエストで図書カードを贈ることにしました。
自分で好きなものを選びたいのだそうで。
図書カードだけだとなんか味気ないな、と本屋さんを見ていたら、この本面白い!と、これを図書カードと共にあげることに。
四字熟語と、それにあった犬の写真が笑いを誘います。猫のもあって、それも可愛いけど、犬のほうが表情豊かです。



ほんの少し秋の気配・「モンテクリスト伯」

2023年08月22日 | 
今朝の5時台の散歩は、少し涼しい風が吹いていて嬉しかった。
夜になると、チリチリ虫も鳴いていて、微かに秋を感じる。
早く、秋よ来い。
昨日夕方のズース。
暑くてベロがながーくなっちゃう。かわいそうに。

 ☕️📖🍀🍵
記念に書いておく。
ついに「モンテクリスト伯」読み終わった。全7巻。通算2年近くかかったんじゃないか。
途中なんども中断したから。
これ、私が好きなあるエッセイストさんが小学生の頃読んで、読み終わるのが悲しいほど面白かったとエッセイに書いていて、いつか読みたいと思っていた。小学生でこれを読むなんて、信じられない。早熟で賢い子なら読めるのかな。子ども向けの版だったんじゃないかしら?私も昔、こどものころ、「巌窟王」という子ども版は読んだことある。
それはともかく、1巻目はすごく面白かったんだけど、途中から人の名前がごちゃごちゃ、わからなくなって、長らく中断していたら、誰に復讐しようとしてるのかもわからなくなって、迷子になりながら、前に戻って人物を書き出したりして。
気を取り直して読んでいたら、なんとなく繋がって、あ、そうか、と思いながら読み続け…
7巻目は面白かった。ヴァランティーヌが死んだとき、これは生き返る(死んだふり)に違いないと思っておしまいのほうページをめくったら、やっぱり!
そんなこんなでようやく読み終わった、バンザイ。
でも、誰にどんな復讐したんだっけね??
私、あたまわるっ!

もう一回ぼちぼち読んでみようかなあ…




子どもたちの帰省・武田百合子「絵葉書のように」

2023年08月18日 | 
7月末に長男が、この前のお盆の時期に長女が、今週末から次女が、それぞれ帰省。
3人の子どもたちも、青年期をとうに過ぎ、壮年といえる歳となりました。
それぞれみんな、このままならない世を真面目によく頑張って生きている。嬉しいしありがたい気持ち。と同時に自分の人生だけでなく、我が子どもたちの人生も、なんとなく見通せるような気がして、少しものがなしい。ほんとに、人生って短いなあ、と。
でも、彼らはまだその子どもたちと未来を見ることができる。
孫たちはまだまだこれから!

3代で川遊び。じいちゃん、息子、孫。

壮年の息子よ、なにか見える?




ズースと仲良し。

この夏は毎日暑くて暑くて。こんな暑い夏は初めてだという気がする。
ズースも保冷剤を巻いて散歩。しかし、毛の多いズースは毛を冷やしてるだけのような。
保冷剤がただ重いだけて、たいして効果ないかもしれない。

☀️🌞🏖🏊‍♂️

 
大好きな武田百合子さんの新しい文庫本を本屋さんで発見。喜びいさんで購入。
単行本未収録エッセイ集「あの頃」(図書館で借りたことがある)の中から、娘さんの花さんが選んで編集したもの。
厳選されているだけあり、武田百合子さんのエキスが詰まっている。
誰にも真似できない、独特の味。
もともと書くという行為は自分とはかけ離れたものだと思っていたそうで、富士の山荘の記録を書くきっかけを作ったご主人武田泰淳氏の慧眼から生まれた奇跡のエッセイストだ、と思う。




「はるかな国の兄弟」・大阪の寿司割烹・夏バテズース

2023年07月17日 | 
夏休みの子どもの読書みたいな本で暑さの中、少々別世界に旅しました。昔読んだ本ですが再読。リンドグレーンの世界は、学校も家もかなりしんどかった私の子供時代の逃げ場のようなものでした。「やかまし村シリーズ」や「ピッピシリーズ」「名探偵カッレくんシリーズ」など、本の中に入りたい、とどれほど憧れたことか。
スウェーデンという国に、そこはかとなく好意を抱いているのはリンドグレーンの存在が大きいです。根性がないので言語を学ぶこともそこに旅行することもありませんでしたが。
「はるかな国の兄弟」は、どこかジブリ映画を思わせるファンタジーで、この世ではない別の世界で、悪者や龍の怪物と戦う話です。
昔読んだとき、終わり方に疑問を感じましたが、ネットで感想を拾うと、同じように感じるひとが多いようでした。でも、今回読み直して、終わりのシーンにも納得。67歳のリンドグレーンが描きたかったのは、「けちなごみくずではない」人間の真の勇気なのだろうと思いました。

大阪難波の「英ちゃん冨久鮓」という寿司割烹のお店に行きました。美味しかった。私は飲めないけど、のんべえさんには最高の店でしょう。大将さん、ハンサムでいい腕、いい感じ。
それにしても大阪難波は、外国人観光客でいっぱい。すごい人混み。街並みもなんというかディープな雰囲気。人に酔いそうでした。
すかすかで夜は暗い神戸に帰ってきたらホッとしました😆

🍺🍣🥢🍻

暑いので、ズースもバテ気味。
5時からの早朝散歩でもけさはきつそうでした。毛皮着てるんだもんね。






YouTubeの旅行記も面白いけれど。。。

2023年07月07日 | 
この頃、いわゆる旅系YouTubeをよく見ています。
まあ、たくさんの人が自分の旅行をYouTubeで紹介していること!外国も国内も見たいところを検索すればたいてい出てきます。
世界中を旅しながら、その様子をYouTubeにあげている人がいます。いいカメラで撮られた景色は臨場感たっぷり。食事の様子も映像で見れば、匂いまで伝わってきそうです。説明の言葉は最小限で充分。
更新を楽しみに映像を日々楽しんでいるのですが、最近、本棚から引っ張りだしたこの本。


知人に10年ほど前に謹呈していただいた紀行エッセイの本です。
一度目を通しているのですが、再読してみると、昨今の映像の旅行記に慣れた脳と目に新鮮で、驚きました。
1987年からほぼ20年にわたり、ご夫婦で欧米を旅行した際の紀行文で、写真ではなく、著者である奥様ご本人の油絵がたくさん添えられています。
飛行機や列車など交通機関での様子から建物、風景、人々、食事の内容など五感全てに触れたことがらが、実にこまごまときめ細かく綴られています。
紀行のエッセイは、焦点を絞らないと、子どもの作文のようになる、と教わったことがあるけれども、歴史、絵画の教養や、おとなとしての観察眼や見識に裏打ちされたこの本の文章はその限りではなく、すみずみまで読み応えがあって、旅心をそそられます。
映像や写真ではない、文章で伝える魅力、というものを再認識したのでした。
📖☕️✈️🚄🥂🌴

暑くなりました。
少しでも涼をとりに水辺に行きたい。
ズースは臆病なので水にはいるのはあまり好きじゃなさそう。
泳がせてみたいね。










食にまつわるエッセイ集・洋食屋さん

2023年07月01日 | 
阿川佐和子さんの著書で「残るは食欲」というエッセイ集がありました。(読んでいないので内容はわかりません)
高齢になって、物質的な欲がめっきりなくなりました。街に出て、デパートに行っても、買うどころか品物を見歩く興味さえなくなっていて我ながら驚いたりします。
でも!おなかはすきます。
これはとてもありがたいこと。
体調が良いという証拠ですので。
まさしく残るは食欲だ、と思うきょうこのごろです。

最近、図書館で借りて、食についてのエッセイ集をまとめて読みました。このほかにも、「おやつ」とか「お弁当」とか「朝ごはん」とかいろいろありました。
現代作家から故人となった懐かしい名前まで、古今の作家の食に関するエッセイが、集められていてなかなか興味深い。
江國香織さんや武田百合子さんや村上春樹さんのような好きな作家のエッセイは既読のものも結構ありました。
武田百合子さんが、ご主人の作家、武田泰淳さんが枇杷を食べる様子を描いた「枇杷」は名作だなあとあらためて。短いエッセイですがあんなに生々しい芳醇な文章はめったにないです。
左上はこの前作ったオムライス。

神戸は洋食屋さんの激戦区です。
最近あまから手帖で見て行った、行列のできる洋食屋さん「SAEKI」。
ミックスフライ定食は、有頭エビフライ、チキンカツ、コロッケ、ミンチカツの盛り合わせ。コスパも良いです。
夫は神戸で2番目に好きな店になったんだそうです。(1番は神戸キチンという洋食屋さん)

🍀📖☕️🍽

ズースも一緒に茅の輪くぐりをしました。
健康祈念。

川までの散歩も慣れました。遠く感じなくなった。

朝の散歩コースのお地蔵様には、日々の感謝をささげます。




散歩の影・「貧しき人びと」「日本近代随筆選」

2022年01月24日 | 


散歩のとき、左側の川の向こう側に影がうつっていたので、スマホで撮ってみたら、結構いい感じに。なんだか穏やかな散歩に見えます。ほんとうは、5歳のズースに引っ張られたり足にリードがからまったり、向こうから来る犬に吠えつくのをやめさせたり、いろいろ戦いながら歩いているのです。
でも、いっぽうで、実は散歩は、私にとって半瞑想の時間でもあります。マインドフルネスの瞑想の本や、仏教の呼吸の本で教わったように、呼吸を数えたり、リードを持つ手の感覚を感じたり…。『いま・ここ』を感じながら歩く練習をしています。


パールはだいぶ元気になりました。脳卒中の後遺症がずいぶん消えて、足がしっかりしてきたし、頭の傾きもなくなりました。八割がた以前にもどっています。
ただ、おなかの調子がいまひとつです。時ならぬ時に「ウンチ」と言うので、大変。夜中は寒くて眠い。でも、パールのためならエンヤコーラです。

産経新聞夕刊の「ビブリオエッセイ」という読書投稿のエッセイの欄があるのですが、そこで読んで興味をもった「貧しき人びと」。初老の子役人マカールと少女ワーレンカとの間にかわされる往復書簡で、お互いの身の回りのことを描いているのですが、暗いです。寒くて貧しくて辛い。なぜこの歳離れた2人が恋仲のような間柄なのかは謎です。

「日本近代随筆選」は、森鴎外、北原白秋、岡本かの子、太宰治、正岡子規、夏目漱石
川端康成などなどそうそうたるメンバー揃い。時代が違うとエッセイ読むのも一苦労。文章も背景と現代とは違うので、想像力も必要。エッセイだからって軽くは読めませんでした。
内田魯庵の「随筆問答」の随筆に関する自嘲的な問答がおもしろかった。


「日日雑記」武田百合子

2021年12月14日 | 



武田百合子さんのエッセイを読んでいると、生きるとは「見ること」なんだな、と思います。「観察すること」「見たものを言語化すること」。
武田百合子さんを評して、よく天真爛漫と言われますが、たしかに思うままに欲望に従って生きているように見受けられます。人間関係においては、他人を操作しようとしたり、評価しようとしたりするのではなく、あるがままに見て、あるがままに写し取っている様子が小気味よい。
「聞くこと」が大切、と言われるが、同様に物事を、人を、そのまま「見ること」が人生そのものだと、このエッセイを読むと思わされます。




休憩中なのに邪魔しないでよ、とパール。
ちょっかい出したいズース。



遊ぼ遊ぼ・ねにもつタイプ

2014年03月21日 | 
久しぶりに仲良しのミラちゃんと会って、パールが大喜び。
「あそぼ!」



しかし、ミラちゃんのほうが強いよ。





散歩道で、梅と松。竹もあればよかったのに・・・。







久しぶりに本をご紹介。
小川洋子さんのエッセイで知りました。小川洋子さんお気に入りの本だそうです。
この作者の頭の中の妄想を文章にしたものですが、その妄想がどこまでがほんとでどこから嘘なのか、わからない。
どれもみな面白いです。電車の中で読んだら絶対に吹き出すので要注意ですよ。

ねにもつタイプ (ちくま文庫)
岸本 佐知子
筑摩書房

ふうちゃんの災難・シルバー川柳

2013年05月31日 | 
先日、外出からもどって、留守番の3匹に挨拶しようと部屋にはいったとたん、息をのんでしまいました。床にも壁にも血がてんてんと飛び散っているのです。
壁にかかった写真や、テレビの画面まで・・・。
犬が怪我してる、もしや、3匹で喧嘩でもしたんだろうか、今までしたことなかったのに・・・。
よく見たら、ふうちゃんのしっぽの先から血が。
気が動転して獣医さんに駆け込みました。診察の結果、どこかに挟んだようでしっぽの先が少しちぎれてると。だいじょうぶ、薬も必要ない、とのことでほっとしました。
今、我が家は外壁工事の真っ最中で、この日は、家の洗浄作業のため、ふうちゃんの一番嫌いな豪雨のような音がしたらしく、おびえて走り回ってしっぽを怪我し、そのまま暴れて血を振りまいたようです。
ふうちゃん、災難でした・・・。





深田池の青鷺、ニケとパールを連れて近くに寄っても逃げなかったので、ぱちり。かなり人間慣れ・犬慣れしてきていますね。





数日前、お散歩のとき、話題に出たのですが、「シルバー川柳」の本。
老化を笑い飛ばそう。
「シルバー川柳2」も出ています。

私の気に入りの句は

「その昔 恐竜見たかと 問うひ孫」(シルバー川柳2)

シルバー川柳 (一般書)
クリエーター情報なし
ポプラ社

パールのへんがお。小さな町の風景

2011年06月13日 | 
パールご機嫌顔。


まばたきするとこんな顔。




久しぶりに本の紹介を・・・。
「小さな町の風景」は、著者が生まれた新潟県高田をモデルにした短編集です。
飾り気のない言葉で、たんたんと、でも詩情豊かに語られるお話に心がなごみます。
いくつかは教科書にも登場しているらしいのですが、知りませんでした。

小さな町の風景 (偕成社の創作文学 (44))
杉 みき子
偕成社

今年の本屋大賞

2011年04月18日 | 


今年の本屋大賞の1位と2位の本を読んでみました。

1位は「謎解きはディナーのあとで」 東川篤哉著 小学館

感想は・・・よくも悪くも軽いです。チョー軽い感じ。なので気楽で面白いのですが、ミステリー好きにも、読み物好きにも、少し物足りないのでは、と思いました。でも楽しく読めます。

2位は「ふがいない僕は空を見た」  窪 真澄著 新潮社
これ、とてもよかったです。最初はある理由でぎょっとするのですが・・・。
登場人物がつながっている5つの短編で成り立っています。
みんな問題を抱えた人物で、誰も救われるわけではないのですが、すがすがしい読後感でした。




ノラや

2011年02月24日 | 
ノラや (中公文庫)
内田 百けん
中央公論新社


きのう2月22日は、にゃんにゃんにゃんの猫の日だったそうです。(竹島の日でもありますが)
この「ノラや」は、最近読んだ、「百年読書会」(重松清 編著 朝日新書)にはいっていたものです。
「百年読書会」は朝日新聞紙上で企画実施された読者の投稿による読書会を、重松清さんがまとめた本で、さまざまな感想が読めて興味深いものでした。
「ノラや」は明治生まれの随筆家内田百間が、行方不明になった愛猫のノラを案じて、悲嘆にくれる日々を綴ったもので、新聞折込広告を出したり、ラジオでよびかけたり、英文の広告まで出すが、見つからず、毎日大泣きする百間おじいさんの様子に、深く同情しながらも、どこかユーモラスな名随筆家の筆に、思わず笑いもこみあげてきます。
昭和30年頃ので番犬としてつながれて飼われていた犬よりも、家の中にいる猫のほうが可愛がられた時代なのかもしれません。
「百年読書会」の投稿では、猫嫌いな人たちから「猫がいなくなったくらいで」とか「気持がまったく理解できない」という感想も寄せられていましたが、このブログを観に来られる動物好きのかたたちは、百間先生の深い嘆きにきっと心から共感できることでしょう。
私も、最近、ふうちゃんが行方不明になって焦る夢を見たばかりで、ありありとそのときの気分を思い返しながら読みました。
大切なものを失う気持ちは万人共通のはずですしね。


久しぶりに4匹一緒に写りました。




ミーナの行進・ニケとパール相似形の頃

2010年02月14日 | 
最近、読んだ本に「当たり」が多くて嬉しいのですが、小川洋子さんの「ミーナの行進」はその中でも特別大当たりでした。
本を人に薦めるのは、それぞれの好みもありますからなかなか難しいですが、このブログに遊びにきてくださる本好きなかたたちにおすすめしたい本です。(本好きなかたは既読かもしれませんが・・・)
語り手は中学生の少女、朋子。ミーナはその従姉妹で、ドイツ人の血をひく小学校6年生。
1972年の阪急芦屋川にある洋館を舞台にした一年間のこと。
洋風のお屋敷の中の非現実的でファンタジーのような部分と、実際に1972年に起こった出来事が絡み合って話が進みます。
どのページにもそこはかとないユーモアと心地よい幸福感が詰まっています。そこにからむ悲哀や不安感とのバランスも絶妙。
阪神間に住む人は、出てくるケーキやさん、パンやさんも、「ああ、あそこ」とわかるし、甲南病院や六甲ホテルも登場します。
ミュンヘンオリンピックをよく知る世代はなおさら楽しめるかもしれません。
金メダルをとった男子バレーボールチームを好きだった人はなおさらぐっときます。
「赤毛のアン」をはじめて読んだときのような感覚に似ているかも。ああ、すてきな話だった~ときっと思えますよ。
ミーナの行進 (中公文庫)
小川 洋子
中央公論新社

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一年前パールが来た頃です。
ニケが最初いやがっていたので、受け入れてくれないかなあ、どうなることかなあと思っていたら、ふと目をはなしたすきにこんな格好で座っていました。
優しいニケがこの後、どんどんパールを受け入れてくれました、おねえさんとして。