山口 香の「柔道を考える」

柔道が直面している問題を考え、今後のビジョン、歩むべき道を模索する。

コーチにも賞金

2010-02-12 15:35:10 | Weblog
 IJFは理事会の一致によって、大会でメダルを獲得した場合、選手のコーチにも賞金を出すことを決定した。といっても賞金の財源を新たに増やしたりするのではなく、これまで選手が獲得していた賞金の20%がコーチに与えられるというものである。様々なスポーツにおいてコーチにも賞金が与えられるのは柔道が初めてかもしれない。(私が知らないだけかもしれないが)

 先日行われたグランドスラムより実施された。私は現地に行っていないので様子がわからないが、ホームページによれば表彰式にコーチも出て行き、賞金を受け取るようである。

 賞金の善し悪しについては意見のわかれるところだと思うが、IJFのやり方に気になる部分がいくつかある。まず、表彰式で行うことである。グランドスラム東京大会では1位~3位の選手にそれぞれ金額の入ったボードが渡され、選手が降壇するとボードと引き換えに現金が渡されていた。そんな印象を受けるのは私だけかもしれないが、非常に安っぽく映った。賞金を渡すのは良いが、これ見よがしに公然と受け渡しをするのは「品がない」感じがする

 今後は、コーチも表彰式にのこのこ出て行って、ありがたく賞金を受け取ることになる。何も呼びつけなくても、後で渡せばいいことである。また、呼びつけて大仰に渡すほどな額でもない。

 賞金は選手のもそうだが、各連盟の方針で処理される。例えば、日本の場合は個人コーチというわけではないので連盟が受け取ることになる。(選手の分は、一部が選手に渡される)選手強化は連盟が資金を出して行っているケースが殆どだと思うので、そうであれば連盟に渡して、そこから選手もしくはコーチに支給という形をとってもいいと思う。

 オリンピック競技になっても、国際的なスポーツになっても柔道は柔道である。安っぽい見せ物のようになってしまうのではないかと心配である