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上海☆DAYS ~明天也是好日子~

上海での日々の記録とつぶやきなど。

東洋のベニス~蘇州~。

2014年08月20日 | 旅行(中国大陸)
上海の周辺には水郷がたくさんあるけれど、中でも杭州と並んで有名なのが蘇州。

今まで中国各地を旅行してきたけれど、実はこの一番近い蘇州にはまだ行っていなかった。
3年前に友人が遊びに来た時に行く予定が、体調を崩してしまいキャンセル・・・そのまま行かず仕舞いで今に至っていたのが、
ちょうど蘇州に転勤でやってきた昔の同僚に会いに行くという理由も重なって、今回やっと訪れることに。

雨続きの週だったけれど、この日に限ってほぼ奇跡的に雨が降らず曇り。
観光には涼しくてちょうどよかった。

高鉄(新幹線)に乗って約30分、初めて降りた蘇州駅の印象は、ショボイ。
世界遺産もある有名な観光地なのに、特に目立つ看板も観光案内版もほとんど無くて意外。
インフォメーションデスクに行って地図をもらおうと思ったら、暇そうなお姉さんに「没有(無い)」と一言そっけなく言い放たれる。
やっと見つけた観光案内局で地図をもらい、バス停へ行くも、これまた何番がどこへ行くのか案内版を探すのに一苦労。
まぁ、日本のように至れり尽くせりではなく、何事も自分で聞いたり確認したりしなければならないのは中国に限らないけれど・・・

そうこうしてやっとバスに乗り、最初の目的地、拙政園へ。
いよいよ観光スタート!



拙政園は蘇州で世界文化遺産に認定されている古典園林の中では最大で、中国4大名園の一つにも数えられているとか。
明の時代に造られた庭園で、緑豊かな自然と花、水と建物が調和された美しい庭園。



広いので、園内地図を確認しながら自由気ままに散策。
次から次へとやってくる団体客を避けるようにしながら、なるべく静かな場所を見つけては時折座ってじっくり眺めたりする。
やはり緑豊かな季節が一良いのかな。ただ、人が多すぎて、江南庭園の良さは半減してしまうのは仕方ないけれど。
つい先日、南翔の古猗園に行ったばかりだったせいか、感動は半減してしまったかな。順番も大事(^^;)

拙政園の後は、近くにあるもう一つの庭園、獅子林へ。



獅子林は元の時代の庭園で、太湖産の石をふんだんに使った造りとなっている。
拙政園とはまた趣が異なって、これも中国らしいというか、なかなか興味深かった。
太湖石の築山に上ったり下りたり、くぐったりできるので、子供には楽しいかもしれない。(本来は鑑賞するのだろうけれど・・・)



ただ、ここで園内の植木に立ちションをしている子供がいてビックリ!それを周りの大人も何も言わず。
え~っと・・・これは世界文化遺産なんですけど・・・。観光マナーもまだまだです・・・

獅子林からは、昔ながらの運河沿いの小道、平江路をてくてく散策。



思ったよりもずっと細くて渋り道だけど、こういう風景を見ると、あぁ、水郷の街だなぁと実感する。
ちょこちょことオシャレっぽいカフェや雑貨屋さんもあって、ここまでかなり歩き疲れたので、カフェで一休み。



この後は、友人宅へ行って、ご家族と一緒に食事。
そして翌日は一緒にのんびり観光。

たくさんある蘇州の庭園は2つ見れば十分なので、今度は有名な虎丘へGO!

この虎丘歴史地区は2500年もの歴史があるそうで、宋代の詩人・蘇東坡氏が「蘇州に来て虎丘を遊覧しないのは遺憾なことだ」という
言葉を残しているほどの観光名所。
木々に囲まれた緑の中、丘を少しずつ登っていくと、所々に見どころが現れてくる。

中でも特に有名なのが、剣池。



自然に造られた池で、ここには呉王の剣が3千本埋められているとか、呉王墓の入り口があるという伝説がある神秘的な場所。
左の赤い字は著名な書道家の王羲之の字だそうだけれど、本当かな?

もう一つは、蘇州のシンボルともいえるこの虎丘塔。

 

961年に建立されたレンガの塔。
古いものの保存状態は良いのだけれど、地盤沈下で最大傾斜が3度59分と結構傾いている「蘇州の斜塔」。
中国では、本当に古いものは壊されてしまって残っているのが少ないので、こういう史跡は貴重かも。

丘を降りて戻り、この後は運河を走る船に乗って移動。



運河の両脇には、古寺などの歴史建築や昔ながらの家並みが続き、「東洋のベニス」と称される景色が楽しめる。
洗濯物を干していたり、小さなキッチンでご飯を作っているおばあさんがいたりと、古い町並みに住む人々の日常生活を垣間見ながら
最後は賑やかな山塘街へ到着。
車で移動するよりも水郷らしい蘇州の風情が愉しめるので、このコースはなかなかオススメ。



観光用に整備された山塘街には、中国伝統工芸のお店や蘇州名物を売るお店などが並んでいるので、冷やかしながらぶらぶら。
少し脇道に入ると、いつものように地元の人々が囲碁をしていたり、寝ていたり、中国人の日常の風景が。
夜の山塘街も赤い提灯に明かりが灯って、素敵みたい。

昔は上海は何もない小さな漁村にすぎず、歴史的にも古く栄えていたのは水路の発達していた蘇州や杭州などこの地域。
なので今でもこの地域は商売の上手な実業家やお金持ちが多いのだとか。

確かに、蘇州は所々に古びた雰囲気が漂っていて、上海には無い歴史が感じられる街だったかな。



東北で出合った味。

2014年05月09日 | 旅行(中国大陸)
旅の楽しみの一つはその土地の食事。
でも、今回も食事に関してはイマイチで、取り立てて紹介するほどのものはなく・・・(^_^;)

そもそも、東北料理と聞いても餃子以外にはピンと来ず、調べても情報が少なすぎ。
寒い所だからか、身体を温める羊肉や「狗肉鍋」をよく見かけたのと、吉林省は朝鮮族が多いので、
韓国焼肉のお店もあったけれど。

お店の人にメニューの中でオススメの東北料理はどれかと聞いてオーダーしたのが、土鍋で
白菜と豚肉を煮込んだお鍋みたいなもの。(冒頭写真)
想像と違ったのは、酢漬けした白菜を使っているところ。これがザウアークラウト似た味で
生姜も効いたお出汁が、雪の降る寒い夜に冷えた身体を温めてくれた。

ハルビンでは、せっかくなのでロシア料理のレストランへ。
歴史建造物を利用したこのレストランは市内では一番有名なようで、とっても賑わっていた。

 

周りを見ると、ほぼ全てのテーブルで、野菜のスープと黒い壺に入ったものとパンを食べている。
お店の人に聞くと名物料理だというので、迷わずオーダー。

レストラン脇の売店で行列を作って買われていたパンは、ごくごく普通、バターはNG。
キャベツが入ったピリ辛のスープ(パブリカかな)と、壺の中でぐつぐつ煮えたぎって(このれている)のは
ビーフシチューみたなもので(海老、豚肉、牛肉から選べる)、何だかボルシチが別々になって
出てきたみたいな感じだけど、これはとても美味しかった。

国土の広い中国で各地に特色ある食文化や歴史もあるけれど、今までの大陸旅行を振り返ると
どれも「普通」であって、記憶に残るような食事にありつけなかったのは残念。

ただ、夫が出張先で接待された時の食事は違うようで、やっぱりそれなりの所に行かないと
感動モノの美食には出会えないのかもしれない。
それは日本人の舌が肥えていることもあるだろうけど、上海で食べる中華料理が地方と比べて
洗練されていて、レベルが高いんだなぁ~と実感。

中国各地の料理、本場と多少違うと言われても、上海で食べていれば十分かな。


ハルビン~ロシアの面影残る街。

2014年05月07日 | 旅行(中国大陸)
長春から新幹線に乗って約1時間。
中国最北部の黒龍江省にある省都・哈尔滨(ha1 er3 bin1)=ハルビンに到着。

ハルビンと言えば冬の氷雪祭りが有名。
なので、「なんでこの時期ハルビン?」と聞かれることが多いのだけれど、我が夫の目的は街歩き。
-30℃の中でそれは無理なので、暖かくなったこの季節を選んだというわけ。

とは言え前日には雪が降ったし、もっと寒くて新緑には早いかな思ったら、意外にも上海と同じくらい
緑が眩しく、良い頃合いだった。



ハルビンはロシア帝国が造った街なので、中央大街(1450m)には1900年初期に建造された洋風の
歴史建築がたくさん残っている。

 
  
今ではホテルやレストラン、デパートなどとして使われていて、洋風建築にいかにも中国らしい
派手な看板というのが何とも不釣り合いな組み合わせで、価値が半減。まぁ、面白いけれど。

そんなハルビンの西洋建築の中でも有名なのが、ソフィスカヤ寺院というロシア正教の教会。



ロシア独特のドーム屋根の重厚な建築が、ひときわ異彩を放っている。
内部はもう老朽化してかつての荘厳さは伺いしれない。現在は教会としてではなく、ハルビン市の
建築の歴史が分かる資料館になっていて、昔の街の様子を知ることができる。

 

最後に、ハルビン駅を挟んで反対側、駅前広場のある方へ向かう。
面白いもので、こちら側は先程歩いた小奇麗な雰囲気とは打って変わって、中国のよくある
猥雑な雰囲気を醸し出している。
地方からの長距離バスも到着するので、大荷物を持った出稼ぎ労働者が目に付いた。

そんな駅前広場の一角に、最近オープンしたのが、安重根義士記念館。

 

無料で参観できるこの小さな記念館には、安重根の生い立ちや思想などの資料が展示されていて、
この中から伊藤博文が暗殺された現場であるホームも見ることができる。
日本人にとってのテロリストが、韓国人にとっては英雄となる。
そして多くの中国人にとっては、知らない人だし良く分からない、というのが実情だろう。

ただ、平和を願う想いは万国共通だと思うけれど。



この時期のハルビンの街中では丁香(ライラック)が咲き誇り、甘い香りに包まれていた。


長春~満州国の首都。

2014年05月06日 | 旅行(中国大陸)
中国の東北地方、吉林省の省都である長春。
かつては満州国の首都が置かれ、新京と名付けられた都市。

「日本人が造った町だから、きれいですよ」と長春出身の中国人から聞いてはいたけれど、
駅からまっすぐ南へ延びる人民大街や大きなロータリー、緑豊かな公園やなど、碁盤割に整備された街は
想像以上に立派だった。

所々に旧満州時代の建築遺構があり、当時の様子が少しばかりうかがえる。例えば・・・

 
     国会議事堂そっくりの満州国務院          司法部址      

 
         交通部址                 電信電話(株)址

大連にある洋風建築とはちょっと違って、和洋折衷(中洋折衷?!)というか、面白い外観。
現在も官公庁や大学施設、銀行などとして使われている。

そんな中でも最も重要で見応えがあるのが、偽満皇宮博物院。
(中国は満州を独立国家として認めていないので、中国内では「偽満州」とよぶ)

清朝最期の皇帝であり満州国の皇帝となった溥儀が過ごした宮殿遺構。



ここは中国にとっては愛国主義教育示範場所であり、国辱を忘れないようにと残している負の遺産。
敷地内にも"勿忘九.一八"(9月18日を忘れるな)の石碑が。

建物や館内のものは当時のままの状態で保存されているそうで、溥儀と后妃達の日常生活が
垣間見ることができる。

 
溥儀の寝室や后妃が過ごした部屋、

 
御前会議が行われた場所や、日満議定書が調印された机なども。

この中でも代表的な建物が「同徳殿」。


実際に映画『ラスト・エンペラー』の撮影も行われ、よく出てくるところ。
北京の故宮とここを訪れてからもう一度映画を観てやっと、時代に翻弄された溥儀とその家族の
生涯について、少し理解できた気がする。

敷地内には東北占領史陳列館もあって、いかに日本が中国を侵略し、残酷だったか、そして
それに対して共産党が懸命に戦ったという中国側の言い分がたっぷり展示されている。



反日の強い場所で、完全アウェー状態での見学だったけれど、パッと見では日本人だと気づかれない
のは助かった。
特に気になる言葉も聞かなかったし、ほとんどの人は淡々と見学しているような印象。

心の中ではどう思っているのか分からないけれど。


中国東北の旅。

2014年05月05日 | 旅行(中国大陸)
労働節の3連休。

中国であとどこへ行きたいかといえば、敦煌、雲南省、それから九寨溝。
ただ、雲南や敦煌へ行くには2泊3日じゃ短いし、人気の九寨溝はすごい混んでいるだろうからと、
上海で極楽湯にでも行ってのんびり過ごそうと思っていた。

・・・が、夫が「やっぱり行こう!」と言い出した。

え?この前、張家界行ったばかりですけど、いいんですか?!
ちなみにどちらへ?

「旧満州へ」

・・・。まだ寒いんじゃない? コート、クリーニングに出しちゃいましたけど・・

というわけで、中国東北地方の2都市、長春とハルビンへ行ってきました。

連休中は各地で異常気象に見舞われ、
5月1日の長春の天気は晴れ、気温29度の真夏日。
多くの人が半袖で過ごしていたほど。(↑冒頭写真)

翌日2日は雨。 気温が一気に下がり、午後になるほど冷えてきた。
ハルビンへ移動する新幹線に乗って走り出したら・・・



まさかの雪。気温0度。
天気予報を見てカシミアのセーターとコートもちゃんと準備して行ったけれど、手袋とニット帽が
必要なくらい寒くなるとは思わなかった。
一日でこの気温差は初体験。

そして3日目のハルビン。
これまた一転して快晴。気温13度の爽やかな初春の陽気。



昨晩の雪のお陰で空気も澄んで、飛行機雲がくっきりと。

そんな3日間の旅。
ざざっと振り返ります。