次世代総合研究所・政治経済局

現代の日本および国際政治経済に関する隠れた視点を、国内のどのメディアよりも早く提供するページです

一触即発となった中東情勢

2007年03月28日 01時03分07秒 | Weblog
               (↑ペルシャ湾の英軍)


イランが英国海軍兵士を拘束した事件、前回の2004年のように簡単に片付きそうもないというのが英国内のもっぱらの観測だ。
http://www.ft.com/cms/s/7cd0e1ac-daee-11db-ba4d-000b5df10621.html(FT=フィナンシャル・タイムス3月25日電子版)

 FTは2004年当時(英国兵は目隠しをしてさらし者になったが数日で解放された)とは政治的状況がまるで違うと指摘している。(以下抄訳)

 英国政府は偶発的事故として位置づけようとしているが現在、英・イラン両国はイラク問題や核開発問題でで敵対関係にある。とりわけ土曜日にイラン制裁決議が全会一致で採択されており、両国間の緊張は高まっている。

 イランは英国の行為を不法領海侵犯及び攻撃と表明しているが、拘束された兵士を交換条件に国連制裁の軟化を求める可能性がある。例えば1月に米軍によって拘束された5名のイラン公務員の解放など。

 英国にとって難しいのはイラン政府が必ずしも1枚岩でなく異種勢力の均衡の上に成り立っているからだ。ハタミ政権とつながる親ヨーロッパのイラン改革派はイラン核開発の暫時停止も考えているが、現在権力を衰退させている。

 現在ペルシャ湾には米国海軍の空母が待機しており、圧力をかけているが、イラン政府が今後取る方策は見極めがつかない状況だ。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070324i112.htm
http://www.sankei.co.jp/kokusai/world/070326/wld070326004.htm
(以上抄訳)

 ということは一触即発という事態も考えられるということだ。日本ではたいしてニュースになっていないようだが中東情勢はかなり緊張していると思う。

知事選・政令市長選を占う  

2007年03月27日 01時21分04秒 | Weblog
4月8日投票の知事選・政令市長選の当落を分析してみた。

◎当確 ○優勢 無印は波乱要素候補

■北海道知事選 (候補3)
○高橋 はるみ 53 無所属 (自・公) 現 1 知事
 荒井 聰 60 無所属(民・社) 新 (元)衆院議員

■岩手県知事選 (候補5)
○ 達増 拓也 42 無所属 (民) 新 (元)衆院議員
 柳村 純一 56 無所属 (自) 新 (元)滝沢村長
 ザ・グレート ・サスケ 37 無所属 新 (元)県議

■東京都知事選(候補14)
○石原 慎太郎 74 無所属 現 2 知事  
 浅野 史郎 59 無所属 新 (元)宮城県知事

■神奈川知事選(候補3)
 杉野 正 48 無所属 新 (元)鉄道会社社長
◎松沢 成文 49 無所属 現 1 知事

■福井県知事選 (候補2)
◎ 西川 一誠 62 無所属 (自・民・公・国) 現 1 知事

■三重県知事選 (候補2)
◎ 野呂 昭彦 60 無所属 (自・民・公・社) 現 1 知事

■鳥取県知事選 (候補2)
◎平井 伸治 45 無所属 (自・公) 新 (元)副知事

■奈良県知事選 (候補2)
◎荒井 正吾 62 無所属 (自・公) 新 (元)参院議員

■ 島根県知事選 (候補2)
◎溝口 善兵衛 61 無所属 (自・公) 新 (元)財務省財務官

■徳島県知事選 (候補2)
◎ 飯泉 嘉門 46 無所属 (自・公) 現 1 知事

■福岡県知事選 (候補3)
 稲富 修二 36 無所属 (民・社) 新 (元)民主県副代表
◎麻生 渡 67 無所属 現 3 全国知事会長

■佐賀県知事選 (候補2)
◎古川 康 48 無所属 (自・公) 現 1 知事

■大分県知事選 (候補2)
◎広瀬 勝貞 64 無所属 現 1 知事


■札幌市長選 (候補3)
 上田 文雄 58 無所属 (民・社) 現 1 市長
 清治 真人 58 無所属 (自・公) 新 (元)国交省技監


■静岡市長選 (候補2)
○小嶋 善吉 59 無所属 (自・公) 現 1 市長
 海野 徹 57 無所属 新 (元)参院議員

■浜松市長選 (候補3)

 鈴木 康友 49 無所属 新 (元)衆院議員
○北脇 保之 55 無所属 現 2 市長


■広島市長選 (候補4)

 柏村 武昭 63 無所属 (自) 新 (元)参院議員
○秋葉 忠利 64 無所属 現 2 市長

 こうしてみると国政最大野党の民主党が相乗りもしくは不戦敗のあまり、接戦は札幌市長選だけであることが分かる(しかも防衛戦)。いったい、昨年の滋賀県知事選の「地方から新しい政治の流れ」というマスコミのコメントは何だったのか。「国会議員になっただけで満足している」民主党国会議員は根無し草だ。今回も小沢一郎のお膝元の岩手以外は勝利できない可能性が高い。

政争の具となるミサイル防衛網

2007年03月25日 00時36分43秒 | Weblog
ドイツのメルケル首相が米国のミサイル防衛網についてはEU全体のスタンスを確立すべきとの考えを明らかにした。http://www.iht.com/articles/2007/03/21/news/germany.php?page=2
(インターナショナル・ヘラルド・トリビューン3月21日電子版)

 メルケル首相は連立相手の社民党が反米の色を強めるのに対し、東欧にミサイル防衛網を配置するという米国の計画に対してEUの共通スタンスを定めるよう呼びかけた。

 メルケルはEU議長国として、2002年の米国のイラク侵攻の際のように欧州は分裂することはできないと述べた。

 ドイツ連立政権は他のEU加盟国よりもミサイル防衛網問題に対して分裂している。社民党のクルト・ベックは米国のミサイル防衛網は新たな軍備競争につながり、NATO内において論議されるか放棄されるべきと述べた。

 べルリン新聞は、ベックはこの問題がCDU(キリスト教民主同盟)にとって痛い問題だけにこの問題を重要視し、社民党のアイデンティティを回復し、旧来の社民党支持者を再び取り戻そうとしていると論じた。(フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングは、ベックは単純で無知、軍備競争を心配するのならテヘランでその表明をすべきと論評した。)

 世論調査は、今選挙があれば左翼党(旧東独共産党)らが9%、社民党30%、保守ブロック33%、緑の党と自由民主党は10%づつ獲得するとの結果を伝えている。

 NATOではドイツで起こっているこの種の論議には困惑している。過去7年間社民党はNATOの同盟としての重要性を軽視してきた。

 NATOのムードは楽天的だとNATO報道官はいっているが、何度かハイレベルの会議がNATO本部であったにもかかわらず米国は同盟国にもロシアにもこの問題を正式に提示していない。

(以上抄訳)

 なるほど、ドイツにおいてはむしろ社会民主党(SPD)の党勢拡大の党利のためにミサイル防衛問題が扱われている面があるようだ。今後もこの問題を追求していきたい。

フランス第三の道

2007年03月23日 19時50分43秒 | Weblog
http://www.ft.com/cms/s/826fccca-d81b-11db-9c85-000b5df10621.html">
(フィナンシャル・タイムス3月22日電子版)

 フランス大統領選の重要な競争者フランソワ・バイルの出現は、魅力的で予想外のキャンペーンぶりでこの数週間驚くべき進展を見せ、フランス民主主義の中道右派のリーダーは火付け役どころではなくなった。

 彼の存在は貴重なもののパフォーマンスは平凡である。 ただし真の中道主義者としてサルコジ、ロワイヤル両候補に代わる安心を与えるように見える。

 フランスの有権者は変化を求めると同時に変化を恐れてもいる。彼らは安心も欲しているのだ。この安心こそバイルが提供しようとしているように見えるものだ。世論調査は彼が容易に勝利者になる可能性も示唆している。

 有権者はフランス経済の低迷を知っている。失業者は非常に多く、持てる者と持たざる者との分断は危険なものとなっている。フランスは国家の過剰な関与と企業精神の過小さに悩まされている。

 フランスは変化を支持しグローバルな競争を歓迎し、自信を回復する必要がある。シラクはこの12年、改革を約束しながらそれをしないことの連続だったように見える。

 サルコジは大統領への意欲は過剰で、変化と改革を提案しているが及び腰のところがある。サルコジの国家アイデンティティは右派にはアピールするものだが中道主義者には危険に映る。

 ロワイヤルは魅力的な選択肢を提供しているように見える。 しかし彼女の参加型民主主義は明確な政策を作り出すことに失敗し、彼女は社会党の古いドグマの擁護と拒絶の間で揺れ動いている。

 バイルは右派でも左派でもない。パリのエスタブリッシュメントに対してはよそ者であり、古きフランスの価値-敬虔なカトリック信仰、農業への従事、親欧州-を体現するピレネー出身の田舎者である。

 彼の政党は議会で多数派を形成する見込みはないので連立政権を提案している。彼が欲しているのは弱い大統領府と強い議会、自律的な財政と小規模ビジネスへの支援である。

 その抱負は尊敬に値する。しかしバイルはコンセンサスのためにあいまいな提案をすべきではない。 彼に必要なのは包括的な経済プログラムであり、公共サービス改革への明確なビジョンだ。

(以上FT抄訳)

 今ひとつ魅力に欠けるサルコジ、ロワイヤル両候補に代わるダークホースが漁夫の利を得そうだ。 当選する可能性が高いとは「第三の男」の出現から目が離せない。

潘基文あやうし

2007年03月23日 03時28分57秒 | Weblog
国連事務総長の潘基文(パンキムン)がイラクのマリキ首相と会見をしている時、突然100メートル先に爆弾が落ち、会場は激しく揺れて潘基文は思わず身をかがめた。(BBCニュース)
http://www.bbc.co.uk/

 BBCでは繰り返し映像を流しているが、落ちたのは迫撃砲かロケット弾で、記者会見場からわずかに100メートルだった。

 潘は一瞬身をかがめたが、その後も怯えた様子だった。マリキ首相は平然としていた。両名に怪我はなく会見を続けたが、潘らの頭上には天井から細かな破片が降ってきた。

 今回の攻撃はバグダッドで各国外交官や米軍が滞在する国際ゾーン(グリーンゾーン)
を標的にしていた。

 今回の訪問は潘にとって事務総長として初めてのもので、事務総長としては2005年のアナン以来。アナンは2003年8月にバグダッドの国連本部が爆破され、デメロ大使ほか21名が死亡して以来職員を引き上げている。

 (以上BBC抄訳)

 映像でも会場が激しく揺れる様子が分かった。今回の攻撃も潘基文を狙ったものなのだろうが、事務総長が万一死亡したらどうなったろうか。

蒋介石と訣別する台湾

2007年03月23日 01時06分19秒 | Weblog
 台湾ではすでに陳水扁総統の方針で「中正国際空港」を「台湾桃園国際空港」に名称変更するなど蒋介石(「中正」の蒋介石の別名)離れが起こっているが、ついに「中正祈念堂」にもその流れが押し寄せたようだ。(エコノミスト最新号より以下抄訳)
https://www.economist.com/world/asia/displaystory.cfm?story_id=8861553

 今週、蒋介石像を軍事基地から撤去したために国防相(國防部部長)の李傑は国民党を除名された(与党は民進党だが国防相は国民党から任命していた)
http://www.ey.gov.tw/ct.asp?xItem=4579&ctNode=16&mp=1

 台湾では蒋介石の治世は正当に検証されていない。独立を志向している民進党は、2万8千人が殺されたといわれる2・28事件60周年を期に蒋介石批判を強めている。その一環として民進党は巨大な蒋介石像のある「中正祈念堂」を「台湾民主主義記念堂」改称し、 この聖域の周囲の壁を撤去する案を発表した。すでに先月、国営企業が「中華」の名称を外している。通りの名からも蒋介石の痕跡は払拭されているし、硬貨から蒋介石の像を撤去する構想もある。

 与党民進党は12月の国会選挙や3月の総統選挙を前に政治的姿勢を明確にし、2・28事件を内省人と外省人との衝突として位置づけることで台湾の古傷をえぐるのみならず、中共政府をも不安にさらす。中共政府は蒋介石とは不和だったが、台湾が蒋介石の遺産と決別することで中国本土とも決別することは彼らの懼れるところなのだ。

変質する「教育」現場

2007年03月22日 02時48分49秒 | Weblog
 3月20日放送第255回日経スペシャル「ガイアの夜明け」を見た。 
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview070320.html

 「 「公立」vs「私立」~教育再生の最前線では~」と題し、教育の現場で今何が行われているか、①居酒屋チェーン「ワタミ」創業者の渡邉美樹氏が再建している「郁文館夢学園の再建の様子、②公立でありながら他校の10倍の予算で土曜日の補習授業で早稲田アカデミーの講師を利用する千代田区立九段中等教育学校など、③公立中学教師の苦悶などを扱う。

 ①では旧来の年功序列制度を廃止し「360度評価」という、校長、同僚の教師、保護者、生徒による評価結果を教師の賞与に反映するという成果主義を導入していた。

  しかし、どうも私はこうしたやり方には違和感を覚えた。①では50%プロジェクトとして予算の50%が人件費と予め決められている。評価を賞与に反映するのは当然にしても、ある教師の評価が上がることと別の教師の評価が下がることがイコールなのは現実的にはおかしい。もともとパイが変わらぬからそうなる。私なら合格やリピート数(教師の評判がいいので兄弟が入学した等)、教師全体の質の向上に応じた弾力査定分として10~20%をとっておき、残り30%でパイの取り合いをさせる。渡邉の発想は昨日より今日、今日より明日の売上げが上がっていくという居酒屋の「日銭商売」の発想から出ていない。

 教師全体の質を向上させるという発想がなく、「(相対的に)劣る者は去れ。代わりはいくらでもいる。」という使い捨ての発想のようだ。マニュアル通りにバイトを使う居酒屋と学校教育の人材開発を同列に扱っているのは、渡邉が「教育再生会議」の委員でもあるだけに看過できない問題だと感じた。

 解剖学者の養老猛司も言っているが、要するに教育とはどこかで「オレのような人間になれ」といっているわけで通常のモノを売るのとは質的に異なる。だからよく小中(高)生が「先生が嫌いだからこの科目がきらいになった」といっているのは実はある意味正しい判断なのである。その科目を勉強しているとこういうイヤなヤツになるという実例が目の前にいたら勉強する気がおこらないのも当然だからだ。

 ②にしてもカネで予備校教師を引っ張ってくるというのでは「予備校に行かなくても予備校の授業が受けられる学校」という以外に何か特色があるのか。これで進学率が上がって校長の「業績」になるというのはなんとも安直だ。

  実は、わが研究所の教育部門にもあるマンモス私立一貫校の生徒たちが在籍している。英語の場合、同校で成績トップのA君は研究所教師の熱心な指導もあって、トップクラスに入っており、中学3年で英検2級合格、すでに学校の教材は大学入試問題を使っているが、中の下クラスのB君は高校1年でも学校ではそれ以下の教材を使っている。

 更に問題なのはB君の場合、労働意欲が湧かない理由があるのか学校の教師が休みがちな上、試験問題は既習の英文物語のストーリーを日本語で書かせるというものが半分もあり、実際、英語の試験にはまったくなっていない。だから生徒も「こんな難しいもの試験に出ないよ」とまともに勉強しようとしない。それがますます学力低下に拍車をかけるという悪循環だ。

 思うにこのマンモス校では上澄みの少数精鋭の生徒だけが「金の卵」であって、あとの生徒は集金マシンとしかみなされていない。

 こうした「集金術」は「イヤなヤツは去れ」という態度で対象が教師と生徒の違いがあるだけで本質は①のワタミ商法と全く同じだ。教育が教育に名を借りた集金法になるとともに「再生会議」で商人が持論を声高にのべる。

 そういえば中曽根内閣でも「臨教審(臨時教育審議会)」というのがあって、後にリクルート事件で逮捕された江副(浩正=リクルート代表取締役会長=当時)という人物が「暴れ馬」として投入されていたっけ。

変質する「教育」現場

2007年03月22日 02時48分28秒 | Weblog
2007/3/22 2:45
変質する「教育」現場  内政
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3月20日放送第255回日経スペシャル「ガイアの夜明け」を見た。 
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview070320.html

 「 「公立」vs「私立」~教育再生の最前線では~」と題し、教育の現場で今何が行われているか、①居酒屋チェーン「ワタミ」創業者の渡邉美樹氏が再建している「郁文館夢学園の再建の様子、②公立でありながら他校の10倍の予算で土曜日の補習授業で早稲田アカデミーの講師を利用する千代田区立九段中等教育学校など、③公立中学教師の苦悶などを扱う。

 ①では旧来の年功序列制度を廃止し「360度評価」という、校長、同僚の教師、保護者、生徒による評価結果を教師の賞与に反映するという成果主義を導入していた。

 しかし、どうも私はこうしたやり方には違和感を覚えた。①では50%プロジェクトとして予算の50%が人件費と予め決められている。評価を賞与に反映するのは当然にしても、ある教師の評価が上がることと別の教師の評価が下がることがイコールなのは現実的にはおかしい。もともとパイが変わらぬからそうなる。

 教師全体の質を向上させるという発想がなく、「(相対的に)劣る者は去れ。代わりはいくらでもいる。」という使い捨ての発想のようだ。マニュアル通りにバイトを使う居酒屋と学校教育の人材開発を同列に扱っているのは、渡邉が「教育再生会議」の委員でもあるだけに看過できない問題だと感じた。

 ②にしてもカネで予備校教師を引っ張ってくるというのでは「予備校に行かなくても予備校の授業が受けられる学校」という以外に何か特色があるのか。これで進学率が上がって校長の「業績」になるというのはなんとも安直だ。

  実は、わが研究所の教育部門にもあるマンモス私立一貫校の生徒たちが在籍している。英語の場合、同校で成績トップのA君は研究所教師の熱心な指導もあって、トップクラスに入っており、中学3年で英検2級合格、すでに学校の教材は大学入試問題を使っているが、中の下クラスのB君は高校1年でも学校ではそれ以下の教材を使っている。

 更に問題なのはB君の場合、労働意欲が湧かない理由があるのか学校の教師が休みがちな上、試験問題は既習の英文物語のストーリーを日本語で書かせるというものが半分もあり、実際、英語の試験にはまったくなっていない。だから生徒も「こんな難しいもの試験に出ないよ」とまともに勉強しようとしない。それがますます学力低下に拍車をかけるという悪循環だ。

 思うにこのマンモス校では上澄みの少数精鋭の生徒だけが「金の卵」であって、あとの生徒は集金マシンとしかみなされていない。

 こうした「集金術」は「イヤなヤツは去れ」という態度で対象が教師と生徒の違いがあるだけで本質は①のワタミ商法と全く同じだ。教育が教育に名を借りた集金法になるとともに「再生会議」で商人が持論を声高にのべる。

 そういえば中曽根内閣でも「臨教審(臨時教育審議会)」というのがあって、後にリクルート事件で逮捕された江副(浩正=リクルート代表取締役会長=当時)という人物が「暴れ馬」として投入されていたっけ。

ムシャラフの危機

2007年03月21日 15時13分13秒 | Weblog
パキスタンのムシャラフ政権が危機に瀕している(FT電子版3月19日)
http://www.ft.com/cms/s/26e5363e-d662-11db-99b7-000b5df10621.html

裁判官の辞職後ムシャラフの危機深まる

 権力の濫用があるとして10日前にとられたパキスタンのIftikhar Chaudhary最高裁長官の停職措置に抗議し、6名の判事が辞職した。ムシャラフ軍人政権の憲法上の危機は深まることとなった。

 ラホール高裁判事のJawad S Khawajaはムシャラフに辞職届の中で「事態が改善されることを待ったがムダだった」と書いた。

 今回の停職についてはパキスタン全土に暴力的抵抗が起こり、先週も2名の判事が辞職している。
ムシャラフは戒厳令の発動や軍隊の出動については否定、今年予定されている国会選挙や大統領選挙は予定通り実施するとした。

 ただし先週、政府は暴力行為に関する積極的報道を禁じる指令を出している

 軍最高指揮官の地位を継続するのかとの問いに対し、ムシャラフは「憲法に従う」と返答した。憲法上は7年末まで大統領との兼任が認められている。

 大統領は情報を公開しなかったことの誤りは認めたものの、政党が今回の事態を利用することに対して警告した。

 前国会議員で反対派のAbida Hussainは、今回の6名の判事の辞職に続く動きが起こるとしている。

 Chaudhary判事の判決の1つは昨年のパキスタン最大の鉄鋼工場の民営化を覆す判決だ。

 ムシャラフは勝ち目のない状況に直面している「Chaudhary判事の停職はムシャラフが想像だにしなかった大きな流れを呼び。ムシャラフの面子が立つような解決も難しい」と人権派弁護士の Asma Jehangirはいう。

 現在亡命中の前首相で反対派リーダーのBenazir Bhuttowhoは危機回避のため停職措置をやめるよう勧告した。フィナンシャル・タイムスによる電話取材に対し、Bhutto 氏は、「最高裁顧問による地位回復の方法もあるが事態は悪化するだろう:と語った。

最高弁護士会会長のMunir A. Malikは、国家反逆罪、テロ行為、財産侵害、集会禁止違反などの罪で80名の弁護士が逮捕されているという。  (以上部分訳)

 ブッシュ大統領の友人のムシャラフもその地位は安泰ではないようだ。もっとも、先日チェイニー米国副大統領が訪問し圧力をかけたとたん、タリバンのリーダーがパキスタンで逮捕されたり、アル・カイダが同国北西部で盤踞するなど反テロ活動にサボタージュの気味があるムシャラフ。ホワイトハウスいつムシャラフを見放すか、そのタイミングを考えているかもしれない。

SATURDAY, MARCH 3, 2007
Pakistan arrests former Taliban defense minister
By Carlotta Gall (The New York Times)
Mullah Obaidullah Akhund is the most important Taliban member to be captured since the U.S.-led invasion of Afghanistan in 2001. But U.S. officials cautioned that the arrest was unlikely to deal a significant setback to the insurgents.

MONDAY, FEBRUARY 19, 2007
Signs of Qaeda resurgence
By Mark Mazzetti and David Rohde (The New York Times)
Al Qaeda leaders have re-established significant control over their once-battered worldwide terror network, American officials said.




たかが桜、されど桜(2)

2007年03月21日 01時22分44秒 | Weblog
20日午後、気象庁の職員が靖国神社に行き、「6輪」の桜が開花しているとして全国に先駆けて東京での桜の開花「宣言」をした。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070320AT1G2002C20032007.html

 実はこの日、午前にも一度同職員が神社に行ったのだが、桜が6輪咲いていないとして開花宣言を見送っていた。

 はっきりいって余計なお世話だ。私は19日に横浜の染井吉野が5輪開花したのをすでに目撃している。

 私は、①3輪で未開花、6輪で開花というのはどういう基準なのか、②そもそも開花しているかどうか役人が決めるべきものか(開花しているかどうかは子供でもわかる。そんなことを決めてもらうために国民は税金を払っているのではないだろう)、③それを多数の報道陣が囲んで放映し、神妙に気象庁職員の「宣言」を見守るとはどういう心理か。まるで「お上」のご託宣を聞くナントカではないか。④開花「宣言」などどうでもいいから(先日データを打ち間違えたとかいう)開花「予想」をしっかりやってくれ。
と思ったのだが、こういう人間は私だけなのだろうか。

 それにしてもこのようなチンケな組織にも「縦割り」があるのか、開花宣言の1時間前に「第3回」の開花予想で、東京は22日(翌々日)と最後までおおハズレの予想をしていた気象庁とは実にお気楽な職場らしい。