次世代総合研究所・政治経済局

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たかが桜、されど桜 

2007年03月14日 22時59分40秒 | Weblog
桜の開花予想が間違っていたことが明らかになり、気象庁観測部長が陳謝した。
http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070314/jkn070314016.htm

 驚いたのは、気象庁では桜の開花予想をコンピュータだけでやっていて、実際のつぼみの大きさなどによる確認、検証などは一切やっていないし今後とも行うつもりはないとしていることだ。

 従って、データ入力に関する障害が生じるとたとえつぼみが小さくても今回のように「非常識な」早い開花予想になってしまうのだ。

 気象庁も牢固とした官僚組織で「末端」の観測所が「異議申し立て」をすることなどは許されないようだ。かつては参考にしていたといわれる各観測所の桜の「基準木」はもはや有名無実になっているのだ。だったらいっそ引っこ抜いたらどうか。

 気象庁は技術者集団である。長官にはじまって各技官に至るまで学歴は「○○大学理学部卒」か「気象大学校卒」である。事務官(法律系)はトップの気象庁次長をはじめ管理部門の一握りの人間に限られる。
http://www.kishou.go.jp/intro/gyomu/index3.html

 はっきりいって今回の「事件」は「小役人根性」と「理系オタク」の相乗効果が生んだ現象だ。最悪というほかない。

 ニュースのコメンテーターの中には「たかが桜」的なコメントをした人物もいたが、ことはそう簡単ではない。うやむやにすべきではないと私は思う。

 第一に、今回の間違った開花予想で経済的に損害を被った業界は数知れない。弁当屋にはじまり各名所の目論見はずれは、今回の事態が、気象庁が技術の粋を尽くした結果予想が外れたのではなく、全くの「ミス」であったのだから損害賠償請求すべき事案に相当する。誰か訴訟を提起してみたらどうか。

 第二に今回はまだ気象、それも開花に関してだったので人命に関わることはなかったが、こんな調子では気象庁が今後、大規模災害が予測される気象事象に対してきちんと予測できるのか疑問だ。どうせ台風や地震や津波や竜巻についても「間違ったデータ」を数々打ち込んでいるのでは、と疑った方がよさそうだ。