次世代総合研究所・政治経済局

現代の日本および国際政治経済に関する隠れた視点を、国内のどのメディアよりも早く提供するページです

少子化「対策」というけれど 

2007年03月10日 01時19分27秒 | Weblog
 少子高齢化、特にその「少子化」についてはすでにその原因と対策について論じつくされた観がある。しかし本当にそれらは抜本的な対策たりうるのか、といえばかなり疑問な気がする。

 たとえば、今日、私は銀座の外れのカジュアルカフェに立ち寄った。これは小売店舗内にあるセルフサービス方式の店で、デリカッセンも兼ねているほか、アルコール類も飲める店だった。

 合わせて20くらいの4人がけテーブルのほか、壁際にずらっと2人掛けのテーブルがあるのだが、ある壁面を見たところ思わず目を見張った。

 というのも、11名、ずらっと見事に壁を背にしてOLまたは家事手伝い(死語か?)風の20~30代の女性が1名づつ1人で食事をしていたからだ。無論、アルコールを嗜みながらの人もいた。

 金曜の夕刻であったから1週間の疲れを癒す上での「至福」の時間なのだろうと勝手に推測したが、決してカップルで食事をするのに不釣合いな店ではない。むしろ「やや」お奨めでさえあると思う。デリカッセンで扱っている軽食はデパートの地下で人気があるようなメニューだったし・・・・・

 ただひとついえることはこの女性たちはこのひとりの時間を心地よく過ごしているのであろうということだ。

 人間、確かに1人の方が気楽で楽しいこともある。そしてまた、現代社会はこの20年ほどこの「1人お気楽」の効用を高める路線をひたすら邁進してきたといえるだろう。もはや社会も人も元には戻ることはできないだろうと思う。

 こうした人々が多数になっていく社会では、もはや社会構造の転換に合わせるほかに、少子化を食い止める術はないのではないだろうか。

 すなわち、それは事実婚や未婚の夫婦や子に法律的保護を与えることであり、高齢化対策としては年金制度を世代間扶助型から自己投資&応能負担型へ転換することであろう。こうした女性たちは、高齢者となった時にその当時の若者から扶養されたいとは思わないだろうから。