次世代総合研究所・政治経済局

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宮内庁の配慮?

2007年02月27日 03時46分37秒 | Weblog
 皇太子の47歳誕生日の記者会見に併せ、宮内庁より「東宮御所でカルタ遊びを楽しまれる皇太子ご一家」なる映像・写真が提供された。

http://www.yomiuri.co.jp/features/impr/im20070223_01.htm

 いまどきカルタ(百人一首)をする家庭も少なくなったろうが、テーブルの上でカルタをする家はもっと珍しいだろう。

 宮内庁提供の映・画像がこのようになった理由としては
①普段のカルタは床(絨毯)で行っているが皇太子や皇太子妃が膝を突いている図は適切でない(「行儀」が悪い、もしくは靴で歩くところにモノを置いたり手を着くのは「不潔」と感じさせる。(宮内庁提供の写真をよくご覧いただきたい))との配慮から宮内庁が公開用の映・画像に限ってこのような図にした

②普段から東宮家ではこのようにテーブルでカルタをしている。(理由は上記①の())の2つの可能性があるだろう。


 皇室は明治以降、あらゆる日本人以上に洋式の生活となり、普段の生活も就寝時以外は靴を履くこととなったからやはり②なのだろうか。

 ところで靴には室内用と外出用があるのだろうか?分けているのでは靴を履いている意味がないように思うが。

 それにしてもテーブルの上に百枚のカルタを置くのはかなりキツそうである。

 結局どちらなのか私にはわからないが、いずれにしても室内で靴を履いている日本人はかなり例外であり、そのひとつに皇室があるという事実、私はかなり不自由な生活なのではないかと思う。

幕末に「玉」(ぎょく)と隠語で呼んでいた天皇に対し、明治以降洋式の生活を強要した元勲たちの自宅の生活はどうだったのか。

「オフレコ」別冊『小泉官邸の真実-飯島前秘書官が語る!』を読む

2007年02月27日 02時09分03秒 | Weblog
19日ブログで前総理大臣秘書官飯島氏の著書『小泉官邸秘録』を紹介し、それほど「秘録」になっていないことを述べた。田原総一朗も同じような感想を持ったと見え、このほど同誌においてインタビューをしている。その結果、前著よりはかなり興味深い内容となった。
http://www.ascom-inc.jp/book/978-47762-0378-0.html

 個人的には、①郵政省は郵政民営化が話題にならぬようドイツの郵政民営化についての記事を規制した、②小泉は普段は生々しい政治の話ではなく、全く別の雑談をしている。飯島には愚痴をこぼしたりする、③3回の総裁選tも党員名簿を使わなかった、④睡眠時間は3時間半だった、などの記述は興味深いし、訪朝をはじめとする節々でのエピソードもそれなりに興味深いものが多い。

 秘書論としても傾聴すべき発言がある。「秘書に政治家になりたいという心があったらそれは議員の母屋を取ることになる。ちゃんとやっていれば秘書が選挙に出るチャンスはありえない」秘書に母屋を取られたり、秘書を次々と議員にして嬉々としている手合いは熟読玩味すべき言葉だ。

 小泉はまた議員会館の一室に戻っているという。これについても飯島は「別に事務所を構える必要などない」と淡々としたものである。

 しかし、一番印象に残ったのは、小泉自身は吹聴しないし、熱心でもないが、地元の公共事業は飯島氏が一手に引き受けていたということだ。そういう意味で小泉はいい秘書に恵まれていたといえる。しかも飯島氏は小泉が代議士になったと同時に公設秘書になっており、以来運命をともにしている。双方にとってまたとない代議士であり秘書であるのだろう。

 読後、一服の清涼感があった。

誰か安倍にことわざを教えよ

2007年02月24日 13時13分58秒 | Weblog
 郵政落選の衛藤氏が安倍首相意向で復党し参院比例で公認される方針となった。党執行部は認めない方針だったが、首相の強い意向で転換したという。
http://www.asahi.com/politics/update/0224/001.html

 これには公明党もヘソを曲げるだろう。というのも江藤の地元大分県で公明の比例票が江藤に流れるからだ。最近の選挙では「選挙区では自民、比例区では公明候補を」と連呼するのが自民の選挙スタイルになってきているから、創価学会が本気にならないとすると自民の参院選ではキツくなる。

 江藤氏は安倍首相と昵懇の仲とのことだが、私情が優先する政治家には日本はまかせられぬ。前任者で「非情」に徹した小泉首相とは対照的である。閣内で安倍氏が軽んじられるのもむべなるかな、である。

 これで内閣支持率は低下の一途をたどるだろう。ひょっとすると参院選前には20%そこそことなるかもしれない。そうなったら総裁更迭だ。いまさら麻生でもないだろうし、ロクな首相候補のいない自民党が何でもアリと捨て身になれば、候補は小泉か石原慎太郎か竹中平蔵しかいないだろう。しかし、日銀総裁ねらいの竹中は当然固辞、以下民主党との泥仕合となるが、こうなると敵失で案外民主党が勝つかもしれない。

 安倍にはロクな友人がいないようだが、誰か「泣いて馬謖を斬る」の故事を教えてやったらどうか。

「泣いて馬謖を斬る」

出典『三国志』「蜀志馬謖伝」

 三国時代の武将である馬謖(ばしょく)が、街亭の戦いで諸葛亮孔明(しょかつりょうこうめい)の指示に背いて独断で布陣し敗戦を招いた責任で処刑された。愛弟子であった馬謖の処刑に際し孔明は涙を流したという。他の武将達の中には「馬謖ほどの有能な将を」と処刑を慰留する者もいたが、孔明は「軍律の遵守が最優先」と処刑に踏み切った。




英国、イラク派遣軍削減/国会議員は中隊長にせよ

2007年02月23日 23時03分53秒 | Weblog
http://www.ft.com/cms/s/4df971fa-c1e4-11db-ae23-000b5df10621.html
 FT21日電子版によれば、英国が今後数ヶ月間にイラク派遣兵の4分の1、1600名を撤退させることとなり、米国のブッシュ大統領もこれを了承したという。実はもっと多くの兵を撤退させる計画もあったがバスラ情勢が混沌としてきたためこの規模になったらしい。これはブレアさえ認めているほどだ。

 ブレアはイラクは新しい段階に入ると言っているようだが、米国が増派を決める中でのこの決定、ついにブレアもブッシュに付き合いきれなくなったに違いない。

 その中で一見矛盾するようだが、英国はチャールズ皇太子と故ダイアナ元妃の次男、ハリー王子をイラクへ派遣するこことなった。
http://www.asahi.com/international/update/0222/016.html

 王子は4台の装甲偵察軽戦車など12人の中隊を率いるとのこと。高位の王族が戦地に派遣されるのは、ハリー王子の叔父、アンドルー王子がフォークランド紛争下の82年に海軍のヘリコプター操縦士として従軍して以来という。まさに「ノーブレス・オブリージ」の実例といえよう。

 一方、日本では、国会で政治家が「戦闘の起こっているところが戦闘地域」など空理空論の応酬をしている。いっそのこと、自衛隊の海外派遣の際には国会議員700名(日本の3倍近い人口の米国の議員は上下両院合わせて535名でしかない)のうち常に4分の1は小隊長か中隊長として前線に派遣するような法律を制定したらどうか。そうすれば国民も少しは連中の言う事にも耳を傾けるだろう。

 これは決して突飛な発想ではない。そもそも戦前の宮家皇族男子の義務は①皇位継承者として備えること、そして②陸海軍人として国民に範を示すこと、であったのだ。戦地で死去した皇族もいたほどである。一考に価すると思うのだが。

北朝鮮へのツケは中韓両国が払え

2007年02月23日 02時25分33秒 | Weblog
 6か国協議で合意された重油供与には米ロ両国とも積極的に加わるつもりがないようだ。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe7000/news/20070214i112.htm
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe7000/news/20070216i201.htm

 ロシアのアレクサンドル・ロシュコフ外務次官は13日「重油5万トンの支援にロシアは加わらない」と語り、旧ソ連時代に北朝鮮国内に建設した発電所の更新など別の形でエネルギー支援を行う用意があると表明した。

 一方、米政府もエネルギー支援には加わらず、食糧などの人道支援だけを実施する方針で、重油5万トン相当の支援については、韓国が単独で実施すると解釈しているらしい。(95万トン相当の支援については、換算価格4億ドルを日ロ両国を除く米、韓、中3か国で均等負担)

 大いに結構。国内事情を優先して北をツケ上がらせた関係国にはキッチリと負担をしてもらいたいものだ。わが国は独自のミサイル防衛網開発宣言でもしたらいい。


 時に米国は国務次官のメグロポンテが来週東アジア諸国をする(FT電子版20日記事)
http://www.ft.com/cms/s/fb8aa396-c150-11db-bf18-000b5df10621.html

 日本では同氏の来日が話題となっているようだが、これは中韓両国訪問の「ついで」ということになるだろう。場合によっては平壌訪問の可能性すらあるらしい。その場合には2000年のオルブライト訪朝以来の米国高官訪朝となる。

 もっとも、6か国協議の合意でライス国務長官はタカ派から相当批判されているようで、メグロポンテ級の人物の訪朝は実際には難しくヒル国務次官補になるだろうとの見方もある。

 この時期だからこそ政府高官の訪朝が合意を進展させるという意見もあるようだが、では7年前のオルブライト訪朝は何だったのか。いずれにしても米国には自重を求めたい。



現実味を帯びる対イラン開戦

2007年02月21日 02時11分28秒 | Weblog
 いよいよ米国のイラン攻撃態勢が整ったらしい。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/6376639.stm

(以下BBC放送抄訳)

 米軍によるイラン緊急空爆計画準備が完了した。ターゲットは空軍基地、海軍基地、ミサイル施設、軍事指揮センター、ナタンツ、イスファファン、アラク、ブッシャーなどのウラン備蓄&各施設となっている。米国は攻撃計画ではないとしている。

 開発している核兵器が確認された際やイラク国内での軍事行動にイランが関与していたことが明らかであった場合に攻撃が開始されるだろうというのがBBC記者の観測だ。

 爆撃は航続距離の長いB2ステルス爆撃機になるらしい。

 イギリスの前イラン大使は、今回の措置が却ってイランに敵愾心をかきたてさせ逆効果になる場合もあると語っている。

 国連決議では、イランに対し、ウラン備蓄を2月21日までに停止するよう呼びかけており、イランがこれに応じない場合には更なる経済制裁を課こととなっている。

(以上抄訳)


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 日本国民には唐突な空爆準備完了のようだが、この日程は国連決議に即したものなのだ。米国のイラク攻撃は一層現実味を増しているといえるだろう。


『小泉官邸秘録』を読む

2007年02月19日 23時07分22秒 | Weblog
『小泉官邸秘録』(飯島勲・日本経済新聞社)を読んだ。
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/31815621

 ブログを読むと本書に対する評価は二分されているようだ。いわく、「秘録」の名に値せず。いわく、指導力に関する素晴しい本だ。云々。

 私は、飯島氏のみが知りえた部分に注目すれば一読の価値ありといえると思う。それは①小泉総理がリーダーシップを発揮し、かつ側近しか語りえない出来事についてのエピソード、②官僚組織を活用するに当たってのノウハウ、の2点に集約できるだろう。

 ①については、医療保険改革に及び腰な厚労省に対し、総理が直接厚労相事務次官を本人人事にも言及して叱責した話、②については、特命チームとしての連絡室参事官の起用と外遊への同行、元建設事務次官の牧野轍氏の総理秘書官への起用などが挙げられるだろう。

 全般に(外務省を除き)著者は官僚組織と官僚の能力には信頼を置いており、官僚組織の不文律には配慮ていたことが分かる。たとえば郵政民営化準備室長に前農水次官を起用した際、各省次官より高い地位とするため内閣補佐官に併任した話などは役人的視点からも興味深い話だろう。全般的に外務省の前例踏襲主義に対しては批判的な論調となっていた。

 このほか、よく知られた話として田中真紀子外相の罷免、郵政民営化解散での候補者擁立の経緯なども書かれているが、この部分の舞台裏や経緯をもっと詳細に知りたいと思ったのは私だけではないだろう。

 著者の、各国大使は官僚でなくその国について造詣の深い(例えばイタリアについて塩野七生を挙げていた)人物にしては、との提案は大いに同意できた。

雅子妃本、出版断念へ(FT抄訳)

2007年02月18日 04時39分56秒 | Weblog
日本の皇室、皇太子妃に関する書籍出版を阻止(FT電子版2月17日)
http://www.ft.com/cms/s/3f525fb0-be2c-11db-bd86-0000779e2340.html

(抄訳)
 日本皇室からの前例のないクレームにより国内最大の出版社は皇太子妃の苦労に関する書籍は出版中止に追い込まれた。

 豪州人ベン・ヒルの英語版著書「雅子皇太子妃-菊の玉座の囚われ人」は日本で大きな関心と論争を巻き起こし、アマゾンで日本語以外の書籍売上げ第一位となった。

 同書は日本皇室を取り巻く官僚組織、宮内庁から、天皇皇后、及び皇太子に対して不正確かつ不敬であるとして猛烈な攻撃を受けた。

 同書は皇太子徳仁と世界最古の王室に嫁ぎ、男子を産むことができずにうつ病となったことで知られる元外交官雅子の結婚を扱う。

 同書は、雅子妃が暮らしている尋常ならざる世界や、雅子妃を後継ぎを生むように迫る宮内庁の圧力を明らかにするとし、雅子妃はついには体外受精まで試みるに至ったとのべる。また、著者は序文で、夫婦の関係は制御不能な力によって壊れたと述べている。

 講談社は、日本外務省のヒル氏に対する「無謀な推測と粗雑なロジック」とする批判にもかかわらず日本語翻訳版の出版を3月16日に予定していたが、同社広報は、ヒル氏が今後起こりうる批判に対する謝罪を拒否したので出版中止を決定した、とした。

 ヒル氏は「謝罪すべき歪曲や不正確な記述な全くない」として謝罪を全面的に拒否、昨日、「講談社がこのような決定に追い込まれるように脅されたのは残念だ」と語った。

 ヒル氏と版権元ランダム・ハウス・オーストラリアに対する長い書簡の中で、渡辺允侍従長はハンセン病に対する天皇皇后の姿勢など、事実誤認に焦点を合わせた。同侍従長はまた、天皇の公務をきつくないとしたことについても批判し、1975年に皇太子夫妻(当時)の沖縄訪問時に火炎瓶が投げ込まれたことや、サイパン訪問で天皇が炎天下で祈りを捧げたことを指摘している。

 ヒル氏は間違いを認めており翻訳では訂正するとしたが、講談社は著者の謝罪なしには日本で出版できないとした。講談社の出版中止決定に先立ち、著者は外務省と宮内庁の取った方法は日本国民一般に対して皇室で起こっている出来事を遠ざけようとするなりふりかなわぬ行為だとして非難した。

やはりデタラメだった社会保険庁

2007年02月17日 22時24分10秒 | Weblog
やはりデタラメだった社会保険庁  内政
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基礎年金の番号モレなど記録の不備が5000「万」件あったことが判明した。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070217AT3S1601M16022007.html

社保庁によれば、「基礎年金番号」が何らかの理由で付されていない年金加入記録が、昨年6月時点で5000万件もあることが明らかになった

 この調査は民主党の要求で実施したとのことで、そういう意味では民主党も功あったというべきだろう。

 このままでは年金が知らないうちに減額になっている場合や、支給されない場合や、他人に支給される場合が「日常茶飯事」になるだろう。というより既にもうそうなっているか。

 無責任な役人に任せると一事が万事この「ずさんさ」である。もはや警察と防衛、軍事以外は全て「完全民営化」ということでどうか。



ブッシュの火遊びは止められない?

2007年02月17日 01時24分05秒 | Weblog
 昨日のブログ記事で米国とイランの戦争の可能性について述べたが、ちょうど前後してブッシュ大統領がイラクの紛争にイランが国家的関与をしている可能性があることを示唆した。
http://www.iht.com/articles/2007/02/15/america/web.0215prexy.php

しかし、その「証拠」たるや誠にお粗末としかいいようがない。以下抄訳する(IHT2月16日電子版)

 ブッシュ大統領はイラン政府の一部局(Quds Force )がイラク国内のシーア派に爆弾を供与し、米軍170名を殺し600名を負傷させたと確信していると述べた。ただし、イラン政府高官が関与しているかどうかについては不明と述べている。

 情報筋ではイラン政府高官の関与を疑っているが確証がない。統合幕僚会議議長のペース将軍は、爆弾がイラン製であるからといってそのことがイラン政府の指示ということにはならないと述べた。広報担当のキャルドウェル少将は武器使用の因果関係の情報はイラクで拘留していたイラン人などからの情報だという。

ホワイトハウスはイランをイラク問題のスケープゴートにしようとしようとし、核問題で圧力をかけているのは新たな戦争の下準備だと批判する者もいる。

 ブッシュはイラン攻撃の可能性については否定しているものの、ゲーリー・シック コロンビア大教授(イラン問題)は、爆発や誘拐など偶発的な出来事による戦争突入の可能性について指摘している。(以上抄訳)


 そもそも91年の湾岸戦争にはじまり、イラク戦争でも制服組はいずれも開戦には消極的だった。イラク戦争についてはベーカーが座長をした研究グループが開戦前にペンタゴン(国防総省)が、陸軍参謀長のイラク侵攻後は数十万規模の軍の派遣が必要となるとした意見を黙殺したことが明らかになっている(IHT06年12月11日印刷紙面)

 ブッシュの火遊びもいい加減に止めさせないと米国そのものを崩壊させかねない勢いだ。