次世代総合研究所・政治経済局

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苦境にあえぐヒラリー

2007年03月12日 01時25分07秒 | Weblog
 米民主党大統領候補として最右翼とされてきたヒラリー・ロドハム・クリントンが苦戦しているとの観測がもっぱらになってきている。https://www.economist.com/world/na/displaystory.cfm?story_id=8779362

「エコノミスト」3月3日号では『Hillary under pressure」と題してこの問題を取り上げた。(以下部分訳)

 先週ヒラリーは突如、公民権運動の故地であるアラバマ州セルマの教会へと演説地へ変更、対立候補のオバマと同時刻に300ヤードのニアミスをした。

 民主党候補にとって黒人票は重要だ。ワシントンポスト紙とABCニュースの調査では1ヶ月前に60%対20%とヒラリーの圧倒的有利であった。市民権運動の指導者からの支援を組織化できなかったり、オバマ自身にゲットーの経験がなかったり、母親が白人であることが黒人票を十分に獲得できない理由とされていた。

 ところが今や44%対33%でオバマがヒラリーを黒人票では抜き去った。70% の黒人はオバマに好意的印象を持っており、ヒラリーは夫の遺産に頼ることはできないこととなった。

 ヒラリーには史上初の女性大統領の可能性があるが、オバマには史上初の黒人大統領の可能性がある。ヒラリーの「史上初」のセールスポイントは弱体化したのだ。

 オバマは10年以上にわたって築きあげられたクリントン王国に斬りこんでいる。ヒラリーはイラク戦争に賛成しそれを撤回しないために反戦勢力に対して弱く、その点オバマは反戦経歴については申し分がない。

 ハリウッドで開かれたオバマの資金集めの催しではジェニファー・アニストンやモルガン・フリーマン(映画ディープインパクトで黒人の米国大統領を好演)らの大物俳優が参加した。ジョージ・クルーニーやハル・ベリーも支持を表明した。

 現在ヒラリーのオバマに対するリードは僅かに12ポイントといわれ、しかもヒラリーの不支持率は高い。ヒラリーの支持/不支持率は49/48 (オバマは 50/30 )

 ブッシュ王国とクリントン王国に違いはあるのかというような論調も出ており、こうなるとかなりヒラリーは苦戦するだろう。