甚六ぶらぶら日記

岩手の穀潰し主婦・甚六の覚書

四ッ家地蔵

2008-01-11 17:14:57 | 盛岡散歩


・四ッ家地蔵(大智田中地蔵尊) 本町通二丁目

 本町通のクランクを滑らかにしたような感じに通りが曲がっている所にこのお地蔵様があるのです。なぜこんな風に曲がっているのか不思議に感じます。
 私は勝手に、このお地蔵様を避けるために道路を曲げて作ってあるのだろうと思い込んでいました。きっとお地蔵様を動かすと祟りがあるとかいう逸話があるに違いない、怖い怖い、と妄想の翼を広げていたのですが、今日その誤解が解けました。

 この道は旧奥州街道に当たります。盛岡の北の関門として、この近くに四ッ家惣門が設けられ、現在お地蔵様のあるあたりに枡形門と番所があったのです。枡形門とは、敵の直進をさまたげ勢いをそぐために直角に二つの門を配置したもので、まさしくクランク状だったわけです。この門の跡にお地蔵様を移設した、というのが真相のようです。
 このお地蔵様は四代盛岡藩主重信公の夫人於俊の方(大智院)の菩提を弔うため、五代行信公が元禄7年(1694)に荼毘跡である東禅寺門前に建立したものです。大正元年(1912)に四ッ家町の有志が遷座を南部家に願い出て承諾され、翌年この地に移されました。以来安産や家内繁栄の守り地蔵として信奉されてきました。
 平成11年、市の有形文化財に指定されました。四ッ家町内会が管理しています。
 

 地蔵堂の屋根の影がお地蔵様の顔を暗く見せていて、これまで何となく近寄りがたい印象を持っていたのです。でも近づいてみたら・・・



 意外にも柔和なお顔。(お地蔵様ですから当然と言えば当然。)
 地元の人たちに大切にされている様子が伝わってきました。こういうお地蔵様がいる町内、いいですね。