先日、ある局との交信で『ボク、3アマで「通信憲章」も出題されているのに、どうして10MHzと14MHzが出られないのか理由がわからないんです』と聞きました。なるほど、素朴な質問でした。以下は、私なりの見解です。
【写真:第三級の運用でも、キューバとかできるから10・14に固執しないで】
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◆要は『運用の中身は「資格」が担保する』という総通の見解です。
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今は第三級も『通信憲章』が出題されるのですね。
私が電信級を取得した時代には、
そういうもの(笑)は、出題の対象外でした。
基本的には、無線工学・電波法規とも『電話級と同じ』といっても
過言ではありませんでした。
1,電話級:10W以下、8MHz以下21MHz以上の『電話』
2,電信級:10W以下、8MHz以下21MHz以上の『電信』
つまり、PhoneとCWをやるには『両方』を取得しないといけない時代でした。
要するに、現在のように第三級を取れば、
10・14MHzを除き、
MAXで50Wの運用ができる『イチバン、コスパのいい資格』ではなく、
電信級では『Phoneには出られない』という時代でした。
さらに電気通信術試験も『欧文の1分間25文字の送受信』でした。
苦労して取得しても『Phoneには出られない』という奇異な資格でしたね。
信じられないかも知れませんが・・・。
さらに、平成元年ごろまで?(と記憶しています)、
電話級の有資格者は『電気通信術』のみパスすれば、
電信級の資格が付与された時代が『少しの間だけあった』のです。
簡単にいうと『1分間25文字の欧文の受信試験に通ったら電信級に格上げ』。
その後、電信級は『第三級』と呼称が変わり、
空中線電力が25Wに増力、さらに50Wに増力されています。
増力を期待し『滑り込み』で『受信試験のみで電信級を取った人』も多いです。
法改正の目的が『何だったのか』は、私は知りませんが。
さらに、第一級、第二級とも『欧文25文字』に緩和された時期もあり、
第三級を持っていたら『電気通信術の科目合格扱い』の時期もありました。
今も『電話級から、簡素化された電気通信術のみパスした旧電信級』が多く、
その人たちは『法規の試験で「通信憲章」を出題されていない』という背景があります。
また通信憲章の試験にパスしたからといって14MHzでバンバンDXができるか。
まぁ、そこそこはできますし、第二級資格を駆使すれば、
200W免許で平均点の200~250エンティティくらいは可能です。
でも、道路で言えば『高速道路に、660ccの軽四で合流するようなもの』。
そこそこの速度は出せても『下手すりゃ煽られる』のが実情。
200Wの無線機で、並み居る1kW(もしくは1kW超えのDXer)に、
立ち向かうとなれば、アンテナで実効輻射電力でkW並みにできないと、
ぶっちゃけた話『14MHz帯に出られるだけ』という話ですね。
まぁ、住宅事情を抱えながら『工夫』で乗り越えているDXerもたくさんいます。
しつこいですが、第四級の法規の出題範囲には『通信憲章』は含まれていません。
かといって、第三級と第二級、第一級の『通信憲章』出題は異なります。
第三級の場合は『通信憲章、通信条約及び無線通信規則の簡略な概要』です。
第二級以上は『通信憲章、通信条約及び無線通信規則の概要』で、
第三級の試験科目に記載される『簡略な概要』は、
国際的にはNGという見解(私見)です。
(参考:無線従事者規則・第五条の20~23項を参照してくださいね)
まぁ、今や『45,550円』を払ってe-ラーニングで2アマが取れる時代です。
第三級の『簡略な概要』と、第二級以上の『概要』について、
詳しく調べたことはありませんので『何が異なるのか』は、知りませんが、
簡略だから、並み居るDXerだらけの10・14MHz帯では、
きちんと『概略』をわかっていないと許可されない、
という風に解釈しています。
なぜ『かつて2アマ以上の許可だった18MHzに3アマが出られるの?』
それは、私に聞かれてもわかりません。
まぁ、WARCバンドで運用者が少なかったころだからなのか(笑)、
詳しいことは、管轄の総合通信局の担当係官に聞いてください。
総通の見解は『運用の中身は資格が担保する』の一言です。
毎度おおきに。ほんじゃーね!!
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