関西最大級のカツオ漁拠点・串本漁協(串本町)で、今年の水揚げ額が過去20年間で最悪となる可能性が出てきた。年間の3、4割を占めるカツオの「超不漁」の影響が、ここにきて一段と大きくなった。漁協幹部は「仮に12月まで例年並みの水揚げが続いたとしても、年商10億円を下回る可能性が高く、組合運営の根幹にかかわる事態」と危機感を募らせている。
漁協によると、ここ5年の水揚げ額では2002年が約16億800万円と飛び抜けて良かった。今年と同様にカツオ漁が不漁だった昨年は約11億100万円だった。今年は1~8月の8カ月間で前年同期比19%減の約7億100万円となっている。
春のカツオ漁の全体に占めるウエートが高く、他の魚種も含めると2~5月の水揚げ額の年間構成比は昨年で53・8%。02年の場合は68・7%もあり、70%近くを春季だけで稼いだ格好になっている。カツオの水揚げが02年の半分以下となった今年は50%を切りそうだ。
漁協幹部によると、今のペースで推移した場合、年間水揚げ額は10億円を下回る可能性が高く、「過去20年間で10億円を切った記憶はない」という。
ただ、今年は夏から本格化したイワシなどの棒受け網漁が好調で7、8月の水揚げ額を押し上げている。特に8月は約8200万円と、前年同月のほぼ倍になっている。
また、秋のトビウオや戻りガツオ漁がこれから本番を迎えるため、漁協では「台風明けの漁に期待したい」。来月からはエビ刺し網漁も解禁されるため、その推移にも期待を寄せている。
漁協などは今春から、ケンケン漁のカツオで鮮度良好のものを「しょらさん鰹」の名称で販売。ブランド化による付加価値販売を目指しているが、本格的な展開には至っていない。
今後は築磯や藻場の造成、養殖などによる栽培漁業がより重要になるとみているが、漁協単独の取り組みでは実現が困難とされ、行政のバックアップが求められている。
紀伊民報 2005年9月9日
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漁協によると、ここ5年の水揚げ額では2002年が約16億800万円と飛び抜けて良かった。今年と同様にカツオ漁が不漁だった昨年は約11億100万円だった。今年は1~8月の8カ月間で前年同期比19%減の約7億100万円となっている。
春のカツオ漁の全体に占めるウエートが高く、他の魚種も含めると2~5月の水揚げ額の年間構成比は昨年で53・8%。02年の場合は68・7%もあり、70%近くを春季だけで稼いだ格好になっている。カツオの水揚げが02年の半分以下となった今年は50%を切りそうだ。
漁協幹部によると、今のペースで推移した場合、年間水揚げ額は10億円を下回る可能性が高く、「過去20年間で10億円を切った記憶はない」という。
ただ、今年は夏から本格化したイワシなどの棒受け網漁が好調で7、8月の水揚げ額を押し上げている。特に8月は約8200万円と、前年同月のほぼ倍になっている。
また、秋のトビウオや戻りガツオ漁がこれから本番を迎えるため、漁協では「台風明けの漁に期待したい」。来月からはエビ刺し網漁も解禁されるため、その推移にも期待を寄せている。
漁協などは今春から、ケンケン漁のカツオで鮮度良好のものを「しょらさん鰹」の名称で販売。ブランド化による付加価値販売を目指しているが、本格的な展開には至っていない。
今後は築磯や藻場の造成、養殖などによる栽培漁業がより重要になるとみているが、漁協単独の取り組みでは実現が困難とされ、行政のバックアップが求められている。
紀伊民報 2005年9月9日
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