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あれこれ備忘録

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人工島文書の銀行団提出、福岡市が一部市議に明かす

2005年08月09日 16時12分56秒 | 福岡県・市
 福岡市の人工島事業で、第3セクター「博多港開発」の融資銀行団に対し、市が2001年3月、「損害を与えないことを確約する」とする文書を提出していた問題で、市港湾局幹部が当時の一部有力市議には文書の提出を明かし、内密にする了解を得ていたことがわかった。

 文書はその後の公金投入のきっかけになったとみられ、この「議会工作」もあって、文書の存在は隠された。市と議会の関係を巡っては、情報公開請求の文書開示前、市港湾局が特定の市議に開示予定文書を提示していたことが明らかになったばかりで、市とチェックする側の議会の関係が改めて問われそうだ。

 当時、人工島推進派だった有力市議が読売新聞の取材に対して明らかにした。

 それによると、この市議は、2001年3月に文書が提出された当時、市港湾局幹部と面会。銀行団が事業の採算性を不安視し、融資継続に難色を示しているとの説明を受けた後、「実は、融資をつなぎとめるために、銀行団に対し、内々に支援表明文書を出した。議会では明らかにしない」と言われた。

 これを聞いた市議は、事業に影響が出る可能性や議会での混乱が予想されることなどから、公にしないことを了承したという。

 市議は「市が事業に責任を持つという文書であれば、事業にとっては良いことだと思った。当時は反対派議員の追及も厳しく、内密にしたいという市側の気持ちも理解できた」と話している。

 これに対し、市議に説明したと指摘された港湾局幹部は「その件については記憶にない」と話している。

 市の議会工作については、同文書の情報公開請求に対し、文書が開示された今月2日の直前、市港湾局が選んだ議員に対してのみ、開示予定文書を渡して説明していたことが判明している。開示請求者への配慮よりも議会対策を優先した姿勢や、議員によって差をつける手法に批判が出たことから、市港湾局幹部は3日夜、「誤解を招く行為で、不適切だったかもしれない」と述べていた。

読売新聞 2005年8月6日

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福岡市が市県民税421万円をミスで過徴収

2005年08月06日 13時03分59秒 | 福岡県・市
 福岡市は4日、税額を算定する電算システムを導入した2002~05年度に、実際より多く算出した所得を基に市民税と県民税を課税し、53人から計421万5200円を過剰に徴収していたと発表した。9月までに還付する。

 市によると、税務署への確定申告で、納税者が会社などから得た報酬を営業所得として申告したにもかかわらず、電算システムが自動的に給与所得としても計算。これを職員がチェックせず、課税の参考にした。

 誤って徴収した額の最高は、早良区の会社役員に対する132万1500円。実際より高く請求したのは86人の694万7500円にのぼったが、今年度の33人は納期までにミスに気付いて調整した。市財政局は「多大な迷惑をかけ、おわびしたい」と話している。

読売新聞 2005年8月4日

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人工島文書の事前提示、福岡市幹部は「誤解招き不適切」

2005年08月04日 19時22分00秒 | 福岡県・市
 福岡市の人工島事業で、第3セクター「博多港開発」の融資銀行団に対して市が「損害を与えないことを確約する」との文書を提出していた問題で、情報公開請求者への開示前に、市が一部市議に対し、請求者団体を明かして開示予定文書を提示していたことが3日わかった。複数の市港湾局幹部は同日夜、報道各社に対し、第三者への事前提示について「誤解を招く行為で、不適切だったかもしれない」と述べた。

 文書は、市民オンブズマン福岡が請求し、2日午後に開示された。市港湾局幹部は1日から2日午前にかけて、複数の市議に対し、開示予定文書を持参して文書提出の意図を説明。自宅訪問を受けた市議によると、幹部は「オンブズマンの情報公開請求で開示しなければならないので、事前に説明する」と述べたという。

 これについて、市側は3日夜、市議62人のうち、説明が必要な市議として42人を選び、1日から2日午後までに27人と面会し、不在の15人には文書を含めた資料を関係者に託したことを認めた。

 情報公開条例で非公開情報とされる請求者名を外部に漏らせば、地方公務員法(守秘義務)に違反する可能性がある点について、市側は、担当職員への聞き取りだけを根拠に「請求者名は明かしてはいない」とした。

 文書を示した理由については、「文書が開示されるため、意図的に事前説明したわけではない。人工島に関する最近の報道について説明する資料の中に、開示予定文書が入っていただけ」と釈明。しかし、請求者に開示してから、必要があれば第三者に説明するのが一般的な流れであることを認めた上で、「たまたま公開直前で、好ましくない時期だったかもしれない」と述べた。

読売新聞 2005年8月4日

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「人工島事業で損害与えず」福岡市が銀行に確約文書

2005年08月04日 19時07分09秒 | 福岡県・市
 福岡市の人工島事業に絡み、市が2001年3月、第3セクター「博多港開発」の融資銀行団に対し、「(博多港開発が)経営困難な事態を招いたときには、市の責任において本事業を遂行し、損害を与えないことを確約する」との文書を提出していたことが、2日わかった。

 行政がこうした文書を出すのは異例で、文書の存在が明らかになったのは初めて。同事業にはこの後、この“密約”通りに次々と公金がつぎ込まれており、専門家は「明らかに損失補償、債務保証の約束であり、地方自治法に違反する」と指摘している。

 市民オンブズマン福岡の情報公開請求に対し、市が同日、文書を開示した。

 文書は、2001年3月30日付で、山崎広太郎市長名で、協調融資幹事銀行の福岡銀行頭取と、当時の日本興業銀行(興銀)の頭取あてに出された。「アイランドシティ整備事業の博多港開発に対する融資について」という題名で、融資の継続を求めている。この中で、市は、人工島事業を行う博多港開発について「市の都市、港湾政策に基づいて実施されることからして、本市が事業の将来性、採算性に十分配慮し、経営の安定を図り、融資の返済等が滞らないように責任をもって管理、監督します」と表明。融資銀行に損害を与えないことを確約している。

 こうした事態に至ったのは、市が1999年の大規模事業点検で事業継続を決めた後の2000年3月、興銀が「100億円の赤字が出る恐れがある」と、博多港開発への融資中止を申し出たことが発端。他行からも不安の声があがり、博多港開発が当時の社長、志岐真一被告(67)(特別背任罪で公判中)の名前で、銀行団から市の支援表明を求められたとして、市長に文書を出すよう求めていた。

 市がこの文書を出した後、銀行団は再び事業の採算性を懸念し、融資継続に難色を示したことから大きな問題になった。そこで市は02年、博多港開発から土地を買い取って公園整備を行うことや、同社への緊急融資制度(上限200億円)を創設することを銀行団に示し、ようやく融資継続を取り付けた。さらに、04年には資金繰りに苦しむ博多港開発の開発地区を約400億円支出して直轄化を決定するなど、文書の内容に沿った支援を行っている。

 自治体の第3セクターへの債務保証は法的に禁じられているうえ、同市はこれまで、株式会社に対して損失補償を行わないという明確な方針を示していた。この文書の存在は議会でも明らかにされていなかった。

 先月21日、志岐被告が被告人質問で文書の存在を示唆したことで初めて発覚。山崎市長は26日の定例会見で、「損失補償などを約束した文書はない」と否定した。

 2日の取材に対し、山崎市長は「事業をやり遂げるという市の姿勢を示しただけのもの。銀行との間でも、この文書が損失補償や債務保証ではないことは合意している」と説明した。

 斎藤文男・九州大名誉教授(行政法)の話「地方自治法では、支出に関する契約や行為は、議会の議決や予算の定めに従わなければならないと規定している。損害を与えないということは、市が債務や損失をかぶること。市が勝手に債務保証を確約するこのような文書を出したとなれば、違法行為だ。納税者の市民に無断で経済的負担を強いる内容であり、住民監査請求の対象にもなり得る」

写真は、人工島事業について、福岡市が銀行団に対して「損害を与えない」と確約した文書の一部

読売新聞 2005年8月3日

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人工島赤字試算文書を福岡市が「捜査当局押収」と非公開

2005年07月29日 08時23分45秒 | 福岡県・市
 福岡市の人工島事業の収支試算が1999年の事業点検の際、200億円の赤字から黒字に書き直されていた問題で、市は26日、市民オンブズマン福岡(児嶋研二代表幹事)に対し、すでに公表している黒字試算以外の二つの試算文書について、公開しないと通知した。

 第3セクター「博多港開発」のケヤキ・庭石購入事件で、関係文書が捜査当局に押収され、保管していないという理由。オンブズマンは「市は押収された文書の種類も示さずに非公開と決めており、説明責任を果たしていない」と反発している。

 この問題を巡っては、博多港開発の幹部が、市の指示で試算を2回書き直したと証言。市も、99年に事業継続を決定した根拠として公表した約40億円の黒字試算以外に、赤字試算が存在したことは認めている。

 オンブズマンは19日に情報公開請求。赤字試算のほかにも、約40億円の黒字試算に関する土地売却単価や金利の算出根拠の開示も求めていたが、市は同日、「存在しない」と答えた。

読売新聞 2005年7月27日

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福岡市が人工島事業収支赤字試算の存在認める

2005年07月29日 08時10分10秒 | 福岡県・市
 福岡市の人工島事業の収支試算が1999年の事業点検の際、200億円の赤字から黒字に書き直された問題で、市が初めて赤字試算の存在を認めたことが25日、わかった。市が共産党福岡市議団(宮本秀国団長)に出した回答書で判明した。山崎広太郎市長は12日の会見で存在に否定的な見解を示しており、同市議団は「赤字試算を隠して事業継続を決めたのであれば、市長の重大な公約違反」と反発。市議会に対し、公共工事の不正再発防止調査特別委員会の開催を要請することを決めた。

 収支試算の書き直し問題を巡って、山崎市長は「200億円もの赤字を出すような事業なら、まず銀行が手を引く」などと述べていた。

 同市議団は14日、市長あてに「収支試算の改ざんが行われたか」などとする質問状を提出。22日付で市長名の回答があったという。

 回答書によると、赤字試算について「(第3セクターの博多港開発が)事業費や金利などを高めに設定した場合の試算を市に提示した。事業の厳しい状況の理解を得るために試算を行ったと聞いている」と説明している。

 市が書き直しを指示したとされる点については、「試算の前提条件などについて博多港開発と協議を行った上で、約40億円の黒字試算に決定した」と回答。事業点検プロジェクトチームが、市港湾局などと話し合い、99年8月ごろに山崎市長を含む三役に収支試算や事業の方向性を報告したとしている。

 共産党市議団の宮本団長は「回答で、赤字試算の存在を認めたことは重要だが、『改ざん』については明言を避けており、まともな調査を行ったとは思えない。今後も真相究明のための徹底調査を求めていく」と話している。

 今回の回答書について、山崎市長は、読売新聞の取材に対し、「回答書は見ていないし、内容はわからない。私の意向と違うことでないのであれば、市長名を使って文書を出すことはよくあること」と答えた。

読売新聞 2005年7月26日

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「人工島事業で福岡市が銀行団に損失補償約束」志岐被告が証言

2005年07月25日 09時25分53秒 | 福岡県・市
 福岡市の人工島事業の収支試算が1999年の事業点検で黒字に書き直された問題で、第3セクター「博多港開発」の元社長、志岐真一被告(67)が21日、福岡地裁の公判で「社長になり、約40億円の黒字試算の計画を引き継いだが、土地売却単価が高過ぎて非常に甘いと感じた。市はその後、融資を渋る銀行団に、将来の損失を補償する旨の文書を出した」と証言した。

 市は黒字試算を根拠に事業継続を決めたが、水面下で博多港開発の債務を肩代わりする“念書”を出していたとなれば、事業点検の信頼性が根幹から崩れることになる。

 この日は、博多港開発のケヤキ・庭石購入事件で、商法違反(特別背任)に問われた志岐被告の被告人質問が行われた。

 弁護人が99年6月の社長就任の経緯について質問したところ、志岐被告は「山崎広太郎市長から『助役をやめてくれれば社長に推薦する』と言われ、従った。就任時、すでに事業継続は決まっていた」と述べた。

 事業点検で出された黒字計画については「2002年に土地売却を始めることになっていたが、埋め立て免許が交付された5年前の計画から何も進んでいなかった」と指摘。「道路など具体的な基盤整備が全く決まっていないのに、土地売却単価も当時の相場の1.2倍で設定されており、見直しが必要だった」と説明した。

 一方、事業点検直後、融資銀行団のうち、当時の日本興業銀行が融資の中止を申し入れるなど、銀行団との調整が難航していたことを認めたうえで、「市の第3セクターに対する債務保証は法的に禁じられているが、市が銀行団に損失を補償する文書を差し入れた」とした。現在、事業を統括している市港湾局事業管理課は「損失を補償する内容の文書が存在するかどうかは確認中だが、市は株式会社に対して損失補償を行わないという明確な方針があり、文書を出したとは考えにくい」と話している。

 人工島事業を巡っては、01年秋、十数行の銀行団のうち鹿児島銀行などの融資停止が発覚。博多港開発からの返済が滞ることを懸念した銀行団の要請で、市は02年、緊急融資制度(上限200億円)を創設するなどし、融資継続を取り付けた。市は89年の計画案発表以来、「税金を使わない独立採算事業」と言い続けてきたが、市民からは「崩壊した事業への実質的な債務保証」との批判が出ていた。

 三橋良士明(よしあき)・静岡大教授(行政法)の話「自治体の第3セクターへの債務保証は法的にできないとの見解もあり、この文書は俗に言う『隠れ債務保証』と言える。税金を納める市民に説明もないまま損失補償のリスクを引き受ける文書を交わしたとなれば、大問題だ。自治体の透明性、情報公開が求められる時代に逆行している」

読売新聞 2005年7月22日

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地域情報紙、発行相次ぐ 福岡市・商店街

2005年07月25日 08時50分51秒 | 福岡県・市
中高年向けミニコミ

 福岡市内の商店街で、地域の歴史やイベントなどを載せた情報紙の発行が相次いでいる。インターネット全盛時代だが、「ホームページ(HP)では顧客の中高年層に読んでもらえない」と紙に回帰。同じく苦境にあえぐ市内の印刷業界も「紙媒体に立ち返る動きはありがたい」と歓迎している。
(山田菜の花)

 「春日市や大野城市の夏祭り情報も載せよう」「孫の写真を載せるコーナーを作ったら、おじいちゃんたちが喜ぶかも」

 福岡市博多区の西鉄・雑餉隈(ざっしょのくま)駅そばにある、銀天町商店街の店主や周辺の会社経営者ら9人が今月1日、ビルの一室に集まった。地域情報紙の紙面打ち合わせだ。

 商店街の主な客層は中高年だ。その世代に確実に情報を届け、子供や孫を連れて商店街を歩いてもらえば、若い世代にも魅力を知ってもらえる。紙という「原点」に返ることには、そんな狙いがある。

 A4判4ページ。「よござっ書」創刊号には店の紹介に加え、「家族の絵コンクール」、買い物客と地域の歴史を紹介するコーナーも盛り込んだ。印刷代などは飲食店などの広告料でまかなう。

 16日から配布を始めており、今週中に博多区南部など3万5千世帯のポストに投げ込む。

 商店街は20年ほど前まではすれ違うのも大変なほどごった返していた。だが、バブル崩壊に九州随一の商圏・天神への一極集中が追い打ちをかけ、ここ数年は空き店舗が目立つ。

 昨年5月、ネットで情報発信しようとHPを開設したが、1年間のアクセスは3千件。HPを通じてクーポン券を出した店も、客足が増えることはなかった。

 「話題を発信し、イベントを通じて人の流れを呼び戻そう」。今年3月、雑餉隈地区で障害者福祉施設を運営する浜崎--削除--さんが呼びかけ、情報紙の発行も動き始めた。中高年のためにベンチなどの休憩所を設置することなども検討中だ。

 市によると、商店街を中心とした地域情報紙は銀天町商店街が4例目だという。

 こうした動きを印刷業界も歓迎する。

 博多区吉塚3丁目の印刷業、篠崎--削除--さんは、近くの箱崎商店街などが昨年12月に発行を始めた地域情報紙の印刷を請け負った。

 伝票など書類の印刷が中心だが、企業の経費削減やパソコンの普及などで、バブル期より4割以上も売り上げが落ちている。「仕事が増えるのは歓迎。商店街にも印刷業にも景気回復の起爆剤になれば」と期待を寄せる。

朝日新聞 2005年7月20日

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福岡市・人工島事業、赤字200億円を黒字43億に改ざん

2005年07月15日 10時27分34秒 | 福岡県・市
 福岡市の第3セクター「博多港開発」のケヤキ・庭石購入事件を巡り、福岡地検から事情聴取を受けた同社の経理担当幹部が、市が1999年に人工島事業の計画見直しを行った際、「実際の収支試算は200億円の赤字だったのに、市港湾局の指示で43億円の黒字に書き直した」と供述していたことが8日わかった。

 市は同年、黒字試算を根拠に反対派を押し切って事業継続を決定。その後、土地の売却収入が見通しを大幅に下回り同社は経営難に陥り、市が約400億円を肩代わりする事態に至っている。

 事業を継続するか否かの見直しが行われたのは99年4月。前年、財政健全化を公約に初当選した山崎広太郎市長が点検を指示した。市は同年9月、同社が担当する都市機能用地(約126ヘクタール)の収支予測を約40億円の黒字と公表し、事業継続を決めた。

 同社の経理担当幹部は、99~2001年にかけて不必要なケヤキと庭石計約7億7000万円分を購入したとして、元社長・志岐真一被告(67)ら3人が商法違反で起訴された事件に絡み、地検から事情を聞かれた。今年5月の公判でも同様の証言をした。

 これらを総合すると、港湾局から計画の見直しを指示された幹部は、事業が始まった93年の当初試算(約36億円の黒字)を基本に、工事費の上昇分や金利変動を99年時の実態に合わせ計算した。

 バブル崩壊で人工島周辺の土地は当時、1平方メートル当たり年間約5000円ずつ下落しており、造成地の売却単価を上げられず約200億円の赤字予測になった。港湾局に報告したところ「黒字でないと公表できないので、何とかならないか」と言われたという。

 その後、借入金の支払金利を低く設定し約16億円の黒字に変えたが、今度は「この程度では金利の変動ですぐに消える。50億円前後にしてほしい」と黒字幅を指示され、土地売却益を水増しして再提出した。

 幹部は「当初から収支は厳しいとの認識はあったが、港湾局の申し入れ通り都合の良い数字を並べた」と供述している。

 市は最終的な黒字収支だけを公表。反対派の市議らは「単なる数字合わせ」と批判したが、港湾局は「実態を反映し適正」と答えていた。

 当時の港湾局幹部は「黒字にしなければいけないという思いで話し合ったのは事実。これを指示と受け取ったのかもしれない。厳しい試算をすべきだったと言われればそうかもしれないが、将来のことは誰にもわからない。大きな投資をした事業を途中でやめるのは難しい」と語った。

 現在、事業を統括する同局事業管理課は「そのようなやり取りは把握していない」としている。

 人工島事業 博多湾を約400ヘクタール埋め立てる計画で、総事業費の当初見込みは4600億円。博多港開発が島東部の1、2工区を造成する予定だったが1工区の土地売却が難航。市は計87億円を緊急融資したが、同社は03年度、50億円の赤字に転落。市は04年、2工区を直轄事業と決定、約400億円を同社に支払い引き継いだ。

読売新聞 2005年7月9日

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「赤字でも人工島継続」福岡市長が会見

2005年07月13日 09時40分11秒 | 福岡県・市
 福岡市の人工島事業を巡り、第3セクター「博多港開発」側が1999年に出した200億円の赤字収支試算が黒字に書き直された問題で、山崎広太郎市長は12日の定例会見で、同年に行われた人工島事業の点検について「事業継続を前提としたものだった」と述べ、当初から事業中止の考えは持っていなかったことを明らかにした。

 山崎市長は、同事業が博多港の地位向上に重要な役割を担っていることなどの認識を示し、人工島事業の必要性を強調。「(点検時から)やらなきゃいけないと思っていた。赤字だからやらないという性格のものではなく、継続を前提に事業費を削ることを考えた。赤字(試算)が出たとしたら、それをどう少なくするかを考えた」とした。

 様々な試算があるなら市民に公表すべきだったのでは、との問いには、「市民に問うものではなく、私が決断すべきことだった」と述べた。

 山崎市長は、前市長時代を「開発型行政」と批判し、98年に当選。99年に十数人のプロジェクトチームを設置、大規模事業を点検したが、人工島は継続事業となった。

 市民オンブズマン福岡の児嶋研二代表幹事によると、99年の事業点検・見直し後、人工島事業の収支試算について市に情報公開を請求したが、最終的な約40億円の黒字試算に関連する文書しか開示されなかったという。市長会見を受け、児嶋さんは、「継続を前提に、適当に作ったデータを出していたとなれば、市民への裏切り行為で重大な問題だ。点検自体が無意味だったことになり、他の事業も含むこれまでの市の説明や取り組み方が信用できなくなる」と憤りをあらわにした。

 一方、この問題で、1999年6月に同社社長に就任した志岐真一被告(67)(特別背任罪で公判中)が読売新聞の取材に応じ、「就任時には既に事業は継続することに決まっていた」と語った。

 志岐被告は、同年3月末で市助役を辞職後、6月下旬に同社社長に転出した。この際、市側から「港湾局長をしていた経験を生かしてくれ」と言われたという。こうした経緯から「事業継続が決まっていないと、自分が社長に行く必要はない。決まっていたからこそ社長になった」と述べた。

 同社の経理担当幹部は、同年7月ごろに200億円の赤字収支試算を提出し、市から「黒字にしてくれ」と言われ、この後、2度書き直させられている。志岐被告は、これについては「知らなかった」とした。

読売新聞 2005年7月12日

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