経営者のための聖書講座

永遠のベストセラー、聖書からビジネスのヒントを学ぶ

No.2 イサク:人材の見極め

2007-08-28 22:37:46 | 創世記
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エサウはヤコブに言った。
「お願いだ、その赤いもの(アドム)、そこの赤いものを食べさせてほしい。私は疲れきっているんだ。」
彼がエドムとも呼ばれたのはこのためである。
ヤコブは言った。
「まず、お兄さんの長子の権利を譲ってください。」
「ああ、もう死にそうだ。長子の権利などどうでもよい」とエサウが答えると、
ヤコブは言った。
「では、今すぐ誓ってください。」
エサウは誓い、長子の権利をヤコブに譲ってしまった。
 創世記25:30-33
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組織とは人材の集まりである。
人材の素質を見抜き、適所に配置することは、経営者の重要な役割である。
人材の見極めが組織の帰趨を決すると言ってもよい。
それが自分の後継者についてであるならば、なおさらのことである。

アブラハムの跡取りとなったイサクは、父から受け継いだ事業を
順調に拡大させながら年を重ねた。
彼にはエサウとヤコブという二人の息子がいた。
イサクは自分の後継者を長男のエサウにしようと決めていた。
エサウは彼の嗜好に合っていたからだ。
また、長男を後継者に任命するという年功序列人事は、
当時もあたり障りのない妥当なものであったのかもしれない。

しかし、神の見方は違っていた。
神の目にエサウはイサクの後継者とは映っていなかった。
エサウは、ただ一杯の食物のために長子の権利を譲り渡してしうような
弱さを内面に抱えていた(ヘブライ12:16)。
それに引き換え、弟のヤコブには、彼のその後の人生にも見られるような、
一種意志の強さのようなものが備えられていた。

イサクは「目がかすんで」いて、この兄弟の将来を
「見破る」ことができなかったのだ。

結局、妻の計略によりイサクはヤコブを後継者に任命することになるのだが
(詳しくは創世記27章を)、
神は明らかに、イスラエルの族長に、アブラハム、イサク、ヤコブと
連なる系図を望まれたのだ。

経歴や単なる「好み」で人事を行っていないだろうか?

「目」を研ぎ澄まし、天からの視点で人材を眺め直してみると、
いつもとは違った評価が生ずるかもしれない。