経営者のための聖書講座

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No.152 ネヘミヤ(3):リーダーの現状認識

2008-11-10 22:52:24 | エズラ、ネヘミヤ、エステル
リーダーの役割とは何だろう?
ネヘミヤ記はリーダーシップの教科書のような本である。

「エルサレムの城壁を再建する」。
強い熱意を胸にエルサレムに乗り込んだネヘミヤ。
彼が現地で最初に取り組んだ仕事とは?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
わたしはエルサレムに着き、三日間過ごしてから、
夜、わずか数名の者と共に起きて出かけた。
だが、エルサレムで何をすべきかについて、
神がわたしの心に示されたことは、だれにも知らせなかった。
わたしの乗ったもののほか、一頭の動物も引いて行かなかった。

夜中に谷の門を出て、竜の泉の前から糞の門へと巡って、
エルサレムの城壁を調べた。
城壁は破壊され、城門は焼け落ちていた。
更に泉の門から王の池へと行ったが、
わたしの乗っている動物が通る所もないほどであった。
夜のうちに谷に沿って上りながら城壁を調べ、再び谷の門を通って帰った。

役人たちは、わたしがどこに行き、何をしたか知らなかった。
それまでわたしは、ユダの人々にも、祭司にも、貴族にも、役人にも、
工事に携わる他の人々にも、何も知らせてはいなかった。

  ネヘミヤ記2:11-16
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

長旅の末、エルサレムに到着して三日、
いよいよネヘミヤが活動を開始した。

それは隠密行動だった。
夜中、起き上がると、ネヘミヤはかねてから打ち合わせていた数人と落ち合い、
エルサレムを取り囲む城壁の谷の門に向かった。

一行は谷の門を出ると、竜の門、糞の門と巡りながら城壁の状態を調査した。
城壁は無残にも破壊され、それぞれの門が焼失していた。
特に泉の門から王の池にかけては損壊が激しく通行も困難だった。

ネヘミヤは夜中の内に、破損状況を丹念に調べながら城壁を一周すると
再び谷の門を通って宿舎に帰った。
彼のとった行動は誰にも知らされなかった。

ネヘミヤは自分の目で、これから再建工事に取りかかる城壁の状態を確かめた。
ネヘミヤは現状を認識したうえで工事の計画を練ることにしたのだ。
仮に部下が現状とかけ離れた報告をしたとしてもすぐに見破ることができる。
この隠密行動は適材適所の人材配置をも可能にしたのだ。

的確な現状認識なくしてプロジェクトの成功はありえない。

あなたは現場にどれほど精通しているだろうか?
最近、人知れず「城壁を一周」したのはいつだろう?