--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

最後の休日

2006-12-11 | 南極だより・生活
「建物内禁煙について」というのが、国立極地研究所WEBにアップされていました。
クリックしてビックリしました。
皆さん、来年1月1日から極地研の建物の中ではたばこを吸ってはいけませんよ(喫煙したいは研究棟1階の喫煙室にどうぞ)。
それでは渡井さんからの南極だよりです。
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2006年12月10日(日) 晴れ 最後の休日

あと一週間ほどで48次隊がやってくる。

夏作業は新たにやってくる隊が行うので、47次隊は建築作業はないのだが、基地内に運び込まれた食糧と燃料を除いた物資の輸送は我々で行わなければならない。
引継ぎももちろんしなくてはならないし、これらを通常観測・業務をこなしながら行うのだ。

そんな訳で夏作業期間中は休日が基本的に無い。
天候や作業の進捗状況などにより1-2日は設けられることもあるようだが。

今日は47次隊最後の休日となった。

しかしながら徐々に慌しくなっている基地では完全な休日とはならない。
越冬終了時の持帰り物資のリスト提出期限は今日の24時までだ。
午後には今度持ち帰る故障した雪上車の履帯を外してまとめておく作業も行う。

休日らしいことといえば氷上で1時間ほどソフトボールが行われた。
がゲームではなくノック。
48次隊との親善試合で勝つための特訓なのだ。
これも48次受け入れ準備の一環なのかもしれない?

48次隊が昭和基地に近づくにつれ、追い出されるような、なんとも寂しい気持ちになる。
全力を尽くして後悔しないようにやってはきたが、あれをしておけば良かったと思うことがあるのも事実。
このなんとも寂しいような不安定な気持ちは、しらせが48次隊員を乗せてフリマントルを発った時に一番強く感じた。

が、第一便が近づき準備が活発化するとともに、この気持ちは薄らいでゆく。
現実の慌しさで余裕もなくなってくるのであろう。
トラックの荷台に乗ると必ず感じる夏作業の高揚感も手助けしているに違いない。


#たくさん働いて役目を終えた雪上車
何年越冬したのだろう?


#履帯も外されクルクル巻きに

-----12月10日本日の作業など-----
・シリンダー加熱真空引き
・雪上車履帯丸め
・ソフトボール特訓(=氷上ノック)
・公用品・私物持帰りリスト作成
・CO2, CH4, CO, O3濃度分析システムチェック

<日の出日の入>
日の出 なし  
日の入  なし  
<気象情報>
平均気温-1.0℃
最高気温2.8℃(1228) 最低気温-4.7℃(0333)
平均風速2.0m/s
最大平均風速3.3m/s風向NE(0310) 最大瞬間風速4.2m/s風向NNE(0402)
日照時間 16.1時間

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越冬は越冬交代まで。
確かにそうなのですが、夏は忙しくて越冬の最終章をのんびり楽しんでもいられないようです。
今日から夏作業日課になって朝ご飯も早くなるのだそうです。
最後の休日はのんびりとはいかないまでも、それなりに休日らしく過ごせたようですね。
氷上ノックは遊びではなく特訓??
昨年、46次に貫禄を見せつけられたので、今度は48次に1年越冬した貫禄を見せつけないとですよね。
帰る荷物の準備も始まっているのですね。
隊員一人一人の荷物だけでなく、全体の物資、廃棄物など、持ち帰りの物資を見極めるのも大変なことだと思います。
故障してしまった雪上車は「もう十分働きました」というくらい塗装がはげ、勲章の傷がついて誇らしげです。
役目を終えて帰るものたちをとても愛しく思えるのは、どうしてなのでしょう。
白瀬南極記念館で見たときよりも、南極展で見たときよりも、ずっとずっと愛しく思うのは、1年間雪上車の働きを見てきたからかも知れません。
きっと隊員さんたちは私よりもっとそう感じていることでしょう。
一緒に働いて一緒に帰る物たちを大事に大事に梱包する姿が浮かんできます。

さて、47次隊が建設作業をしていた頃、46次隊はどんな仕事をしていたのだろう?というのは、私の中ではちょっとした謎だったのです。
単に日常の観測や業務だけをこなしていたとも思えないし・・。
引き継ぎの時には46次隊の様子をかいま見ることができたけれど、そのほかは毎日建設作業の話題やはじめて見る昭和基地の施設や自然に夢中でしたから、ふとよぎる疑問は言葉になることもなく頭の奥にしまわれていました。
これから去年の疑問が解き明かされるのです!
48次のニュースを聞くたびに、渡井さんから伝染したのか、南極だよりが来なくなるのが寂しいのか、もう終わってしまう・・という残念な気持ちだったのですが、ちょっと元気が湧いてきましたよ!
あと2ヶ月あります。
新しい出来事が2ヶ月分あるということですから、まだまだ楽しみますよ!!

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2 コメント

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もうすぐ・・・・ (U隊員の嫁)
2006-12-11 21:58:23
 48次隊もオーストラリアを出発し、昭和基地でも受け入れ準備が進んでいるようですね!!渡井さんやみ・くりさん、そして48次隊員の方のブログを見ていると、「1年経つのって本当に早いな~」とつくずく思います。主人も無事、ドームふじに着いたと連絡がありホッっとしています。酸素が薄く、「頭が痛い」なんて、言ってましたが・・・・。もうすぐ、第一便がドームふじにも到着するようです!!他のドーム隊員の方も、日本からの荷物きっと楽しみにしているでしょうね!!でも、それと同時に越冬終了が近ずいていることも実感するのでしょうね。
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U隊員の嫁さま (み・くり)
2006-12-13 02:03:10
お久しぶりです、こんにちは!!
本当に1年ってあっという間ですね。
こんなに早く時が経つとは思いませんでした。
U隊員さんも無事にドームふじに到着されたのですね。
内陸旅行中は昭和基地のように自由にインターネットや電話ができる環境にないみたいなので、かなりご心配だったのではないでしょうか?
着いてからも、毎日富士山の頂上で生活するようなものですから、大変ですよね。
ドームふじでは、これからが本番で、ギリギリまで帰ることを考えられないかもしれないですね。
第一便が無事に届きますように。
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