コウちゃんの死と花ちゃんの不思議な行動

　花ちゃんの散歩仲間の、Ｔさんご夫婦の愛犬コウちゃんが亡くなりました。白い毛並みをした美しいA.コッカスパニエルで、目が不自由だったそうですが、聞かされるまではそうとは全く気が付かないほど人懐っこい愛嬌のある子でした。「コウちゃん！」と呼ぶと声のした方を振り向いて、嬉しそうに体を寄せてきて甘えていました。
　花ちゃんに怒られてもめげずに、何度も何度も尻尾を振って花ちゃんを慕っていました。
　1年ほど前から激しい下痢を繰り返し、動物病院でも手の施しようのない難病だったそうです。
　コウちゃんが亡くなったその日、昼の散歩から事務所に帰って来た家内が言うには、花ちゃんにあらぬ方向へどんどん引っ張られて見知らぬ場所に辿り着き、家並みを見渡してみると以前聞いたことがあるコウちゃんのお家の近くだと思い当たったらしいです。
　そんな話しをして1時間も経たないうちに、Tさんご夫婦がコウちゃんの死を告げにこられました。
　花ちゃんはきっと、コウちゃんにお別れをしに行ったんでしょうね。