納豆、十年一昔、高知の変わり様
情報プラットフォーム、No.232、4月号、2012、掲載
高知工科大学の創設に関わり高知に住み着いたのが平成9年(1997)4月であり、満15年になる。この「ぷらっとウオーク」の掲載が始まった のは平成14年(2002)5月からであり、十年一昔、総計120編に達している。テーマは様々である。読んだ方から、「好奇心旺盛ですね」と か、「あら探しが上手ですね」などと云われている。
高知に来た時と15年後の今とを比べる。県別統計などからの引用ではなく、街を歩きながら、買い物をしながら、車を運転しながら、新聞・ニュー スを見聞きしながら気付いたことを、記憶の中から取りだして現在と比較する。まずは食から始めよう。
高知にはコンビニエンス・ストアが殆ど無かった。地元資本のお弁当とコンビニを組み合わせた"24時間眠らない「如月」"が目に付くだけだっ た。今では、大手ブランドのフランチャイズ店が多くなっている。
それに対応してか、極端に多かった小さな喫茶店が激減している。{モーニングって 何です}(本誌No.258、3月号(2009)を参照して欲しい。ラーメン店は多かったが、一方で、そば屋とうどん屋は探すのに苦労した。特に そば屋は皆無に近かった。最近は讃岐うどんのチェーン店を多く見かけける様になっている。地元資本の焼肉店や居酒屋はかなり多いが、「食べ放題・ 飲み放題」は期待するほどではなかったようである。また、全国展開のファミリーレストランの勢力は、高知ではそれほど伸びていないようである。回 転寿司は10年前から増えているように思える。全国的な傾向であろうが、居酒屋の客層は酒臭いおじさん層から、家族連れに変化して来ている。
地元資本の店舗が少なくなっているのはスーパーマーケットである。その他に県外資本に押されているのは、家電量販店、パチンコ店などである。最近は県外資本のホームセンターの進出が目立っている。ドラッグ・ストアだけはまだ基本的には県内資本である。
スーパーの商品で大きく変化したものが一つある。関東地方と異なり、殆ど見かけることのなかった(糸引き)納豆が、商品棚の幅も広くなり、銘柄も豊富になっている。健康食品としてのテレビの影響が大きく、関東と関西との消費の差は縮まっているとのことである。ついでに、ダシ汁で食べるトコロテン には吃驚したが、最近は二杯酢や三杯酢のものも並べて売るようになった。なお、トコロテンの食べ方は地域によって様々である。
グローバル化による変化も大きい。果物では、キーウイフルーツや、マンゴ、パパイア、アボカドなどのトロピカル・フルーツが普通に出回りだした のが2000年以降である。国産や高知県産も多くなっている。わらび茸などの名称で出ていたが、今ではエリンギとして名称が定着した茸も10年ほ ど前からである。
2000年暮れに開業したイオン・モールの展開と西武デパート(2002年)とダイエー(2005年)の高知からの撤退、そして北環状道路周辺 の整備が客の流れを変えている。高知駅舎の高架化によって、北側一帯の開発が進み、高知インターから降りたとき、県都高知に到着と思わせる街並み に仕上がっている。
一方で、帯屋町商店街やはりまや橋界隈の往年の賑わいは無くなっている。それにも増して、高知市内、周辺都市の商店街の凋落ぶ りは見事と言って良い。シャッターの降りたまま、そこに画を描くことで盛り上げようとしている。でも、地元スーパーにある良心市は活況を呈してい る。まず、入り口付近にある「かかし市」、「ふるさと市」、「太陽市」などを見てから店内の買い物が始まるようである。
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鈴木朝夫(すずき ともお)
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