みちのくレースのおたのしみ

岩手競馬にまつわるあれこれ。とか。

ミニ場外は、どう作っていけばいいでしょうか

2004年09月23日 | 岩手競馬
 この22日に発表された競馬組合の経営改革基本方針。少なくとも2年後までに21億円のコスト削減を、という部分はさておき、今後の増収策のひとつとして取り上げられた「市街地の小規模場外」について、ちょっと考えてみたいと思います。

 これまで岩手競馬が進めてきたテレトラックは、基本的には郊外型のものでした。最も初期のテレトラック宮古と、競馬場に併設された盛岡・水沢以外は郊外型であり、最近の三本木や山本、十和田はその典型といえるものですね。
 かつては好調岩手競馬の、今は拡大路線の失敗・赤字転落の、それぞれ象徴のように言われる郊外型・劇場型テレトラックですが、そうして郊外へ出て行った必然的理由はいろいろとあるわけですし(生活範囲そのものの郊外化・市街地での開発コストの高さ・反対運動etc)、岩手競馬が通過型ではなく滞留型を指向したスタンスという部分もあって、それは今でもテレトラックやら競馬場やらの需要を底支えしている面がありますから、今になってデカイ・(コストが)高いという点だけを批判するのはよくないでしょう(つがるや山本は需要の読みの部分で「?」と思いますが・・・)。

 とはいえ、北東北の主要エリアでの旗艦店的なテレトラック整備はだいたい済んでしまった感がありますし、現状の経営状況では大型テレトラック建設に手を出せない。また、郊外展開が一段落して今度は「郊外過ぎて行きづらい」という声も出てきた。そこで注目されるようになったのが、小規模な発売所を市街地の中心部近くにつくる、という発想です。
 これは今になって突然浮かんできたものではなくて、岩手競馬では競馬会館に発売機を設置するという計画をずっとやってきたもののうまくいかなかった、という経緯もあったりしたのですけれど、道営のミニ場外が好評な事に後押しされる格好で、切り札的な位置づけにもなってきました。

 そんな道営のミニ場外とはどんなところかと思い、Aiba静内とAiba浦河に寄ってみました。
 どちらも大きさはほんとうに小さくて、静内は、水沢競馬場1Fの休憩所くらい?浦河はそれよりもひとまわり小さい感じ。そこに4台ほどの自動発売機と払い戻し機が置かれています。実況やオッズ表示に使われているのは普通の家庭用のテレビで、これが汎用品のラックに並べられています。あとはベンチと、出馬表などを置くラック。こんなもんでしょうか。発売機の向こうには係員さんが常駐しているようです。
 オッズ表示モニターがちょっと足りない感じはしましたが、設備そのものは必要最小限にして十分といっていいでしょう。なんというか、「至れり尽くせりのレストラン」というよりは「セルフ式のファストフード」という感じでしょうか。

 どちらに行った時も数人のお客さんが競馬を楽しんでおり、ミニ場外が定着しているなと思いましたが、ひとつ気になったのはその入りづらさ。狭い空間にいかにもな濃い雰囲気が流れており、“ここで初めて馬券を買ってみたい”と思う初心者の方には、ちょっと入りにくいかもしれない、と思いました。
 すでに競馬場や場外馬券場で馬券を買い慣れた人にはよいものでしょうが、初心者のレベルにある人には使いづらいかな、という感じ。
 岩手でミニ場外を作る場合、やはりある程度上級者対象となるのでしょうが、より広く初心者や家族連れも対象に含めるのなら、かなり工夫しないと行きづらい所になってしまうでしょうね。

 ちょっと話が変わるのですが、大阪のウインズ梅田、この周辺にあるパチンコ店ではGCが映るモニターを置いてある店がけっこうあって、馬券はウインズでまとめて買っておいてレースはパチンコをやりながら見る、というお客さんが珍しくなかったものでした。レースがゴールに近づくとパチンコを打つ手を止めてモニターに見入る、みたいな。
 ま、全場発売なんてやってなかった10年ほど前の話ですし、パチンコ台の方も大きく変わってしまっていますから、今はそんな頃のようにのんびり両方楽しむ、というふうにはいかないかもしれないけれど、パチンコと馬券というのは案外相性がいいのかなと思いますね。パチンコ店の中に馬券発売機。いっそ玉やメダルで馬券を買えるとか。あ、これは違法か(^^;)。

 いっそついでに、競馬・競輪・競艇、全部買える場外なんてどうでしょうかねえ?システムの方は案外簡単に対応できると思うんですよ。一般に「3競」と呼ばれている割にはファン層が分かれているから、大幅な相乗効果は無いかもしれませんが、“テレトラックに行けば一カ所で全部買える”とファンの方に認識してもらえれば、足を向けてもらうポイントになるんじゃないかな・・・と思うんです。どうでしょうか。