今日はウズと隣国アフガニスタン問題について語ろう。
アフガニスタンにおける対テロ戦争支援の拠点としてキルギスのマナス米空軍基地は重要拠点であることは前述したが、米軍はもともとウズベキスタン国内のカルシ・ハナバード空軍基地を利用していた。しかし、警備隊が無防備のデモ隊数百名に対して発砲する事件を起こしたアンディジャン事件以来、ウズの空港使用を取りやめていた。

2005年の記事
<BBCなどによると、中央アジアのウズベキスタンで先週からアンディジャン事件の裁判が始まっている。一方、この事件をきっかけにウズベキスタンとの関係が悪化したアメリカ合衆国は、年内の基地完全撤退でウズベキスタン政府と合意した。
BBCによると、アメリカ合衆国は2001年9月の同時テロ以来、ウズベキスタン南東部の空軍基地を使い、アフガニスタン方面での作戦の拠点としていた。しかし今年5月13日にアンディジャン事件が起きて以来、ウズベキスタン政府の対応を米政府が強く批判したことから、ウズベキスタン政府が反発し、撤退を要望していた。フリード副長官はタシュケントでイスラム・カリモフ大統領と会談した後、報道陣に対し「ウズベキスタン政府は米軍が撤退するべきであるということを明確に述べた。この問題についてこれ以上議論するつもりはない」と語った。また関係悪化がアンディジャン事件とそこでの人権問題に端を発することを認めた。>
2005年のアンディジャンのデモ


しかし、今ではNATO軍によるアフガン戦線補給の半分がアフガニスタン紛争への補給線でもある北方ルート(NDN)を通じたものであり、その実に98%をウズベキスタン経由が占めているのである。
以前はパキスタンがアメリカのアフガニスタン戦略にとって必要不可欠なパートナーだったが、米・パキスタン関係は今年5月、イスラマバード近郊に潜伏していた国際テロ組織「アルカイダ」の最高指導者ウサマ・ビンラディン容疑者が米軍に殺害されて以来、悪化したため、中央アジアルートの意味合いが増してきたのだ。
一方、人権、労働、消費者問題などの20団体が、世界でもっとも抑圧的な体制のひとつだとされているウズベキスタンに対して軍事支援を行わないよう求める書簡を、ヒラリー・クリントン国務長官に対して送った。
ウズベキスタンは、綿の収穫のために200万人の学校の生徒を毎年動員しており、児童労働の酷使だとして非難されるなど、その人権状況には疑問も多いのだ。付け加えると生徒だけではなく、我が大学の教員も綿摘みに動員され、先日ようやく解放されたばかりだ。
続く