先月、旅行に行ってお世話になったキルギス。行ってみてキルギスについてもっと知りたいと思っていたところ、キルギス人のアリム・クバト監督の映画が公開されるとのニュース。
天山山脈のふもと
聖なるイシク・クル湖のほとりの
キルギスの小さな村の名もなき電気工の夢は、風車で村中を明りで満たすこと。息子を授かること。
映画『明りを灯す人』10月8日公開<o:p></o:p>
ストーリー
キルギスの小さな村の電気工。村人たちは彼を“明り屋さん”と呼ぶ。明り屋さんは、アンテナの調整や電気の修理など、どんな些細な用事でも自転車でかけつける。時には、裕福ではない家には無料で電気を使えるよう細工したりもする。村人たちの暮らしを第一に考え、みんなからも愛される純朴な男だ。そんな明り屋さんの夢は、風車を作って村中の電力を賄うことと、息子を授かること。そんな中、ラジオから政治的混乱のニュースが流れ、私腹を肥やそうと都会から価値観の違う者がやってくる。穏やかな時間が流れる田舎の村にも変化が起きようとしていた…。<o:p></o:p>
独立宣言から20年のキルギス
<91年にソビエト連邦が崩壊し誕生したキルギス共和国。独立宣言から20年、資源に乏しいこの国の経済は伸びなやみ、幾度かの政変により人々の生活は常に不安定である。本作では、都会でのデモの様子がラジオやテレビのニュースとして報道される。これは2005年の<チューリップ革命>の様子である。議会選挙での不正がきっかけとなり、独立時から大統領であったアカエフの辞任を求める大規模な抗議運動が起った。アカエフは逃亡し政権は崩壊。その後、バキエフが大統領になるも、政治・経済の改革は遅々として進まず、政情不安定が続く。そして、2010年、国民の不満が高まり、大規模なデモが発生。バキエフも逃亡し政権は崩壊する。その後、南部のオシュでキルギス系とウズベク系の民族衝突が発生し、3000人以上の人が犠牲となった。
本作で描かれる小さな村の出来事は、そのような現在のキルギスの国状になぞられる。アクタン・アリム・クバト監督は、ただ単に自国の状況を嘆くのでない。自身が演じた“明り屋さん”が村人たちのために明りを届けるように、本作を通して、勇気や希望、笑いや喜びといった明りを、キルギスの人々の心に灯してゆくのである。>
中央アジアの映画が日本で公開されることなどめったに無いので、少しでも多くの人に観に行って欲しいと思う