みすぼらしい法廷で証言台に立つ被告人は気まずそうだ。暗いスーツに地味なネクタイを締め、老けて見える。
この1年は、76歳の元指導者にとって大失敗だった。何十年にもわたってショーマンだった彼は、数々の訴訟、数々のスキャンダルを乗り越え、威勢よく振る舞ってきた」

【画像ギャラリー】トランプ政権のホワイトハウス報道官
「だが彼はオフィスを離れると、脱税の罪で起訴された。満員の法廷の中、彼は丸まった書類の束を読み上げる。かつては考えられなかったことが実現しようとしている──この国の元指導者は有罪判決を受けるのだ」 「日付は2012年10月19日。その男は、長年イタリアの首相を務めたシルヴィオ・ベルルスコーニだった」 これは、ドナルド・トランプ大統領がこの先罪に問われる可能性を報じる「ニューヨーク・マガジン」による記事の冒頭である。
トランプが起訴される可能性
混迷を極めながらもジョー・バイデンの勝利が決まった米大統領選。今回の選挙は、トランプにとって「ホワイトハウスに留まれるか否か」以上の問題であった。 というのも、彼にまつわる様々な疑惑や犯罪に関する捜査、そして訴訟が進行している現在、トランプは大統領という立場を失い一市民に戻れば、その追求を免れることは難しいのだ。
たとえば「USAトゥデー」はバイデンの勝利に伴い「起訴される可能性大──トランプ氏がホワイトハウスを去れば、大統領という『免責のマント』は消える」という記事を出している。 歴代のアメリカ大統領で罪を問われた者はひとりもいない。ニクソン大統領はウォーターゲート事件に関与していたことを暴露され辞任したが、トランプは「ニクソンが直面したものよりもさらに危険な終盤戦を目前にしているのかもしれない」と米「ニューヨーカー」が報じる。
トランプは弾劾裁判にかけられ、6回破産し、26の性的不正行為を告発されてきた。そして推定4000件の訴訟を受けているが、免責特権を使ってこれらを回避している。だがジョー・バイデンに敗れた今、後回しにしてきた大量の「問題」と向き合うことになる可能性が高い。
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