ヒルネボウ

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腐った林檎の匂いのする異星人と一緒 34 ゲーム(STAGE44 夜驚)

2024-02-17 23:34:02 | 小説

   腐った林檎の匂いのする異星人と一緒

    34 ゲーム(STAGE44 夜驚)

金曜日の深夜、あなたは悲鳴をあげて目覚める。

奇妙な匂いが室内に充満している。腐った林檎の匂いのようだ。

あなたはのろのろと起き、ベッドの端に座って一息ついてから立ち上がる。

窓を開く。夜風を浴びてベッドに戻りかけ、堅い何かを踏む。それは卵の殻だ。奇妙な匂いは孵化した卵の匂いだ。

戻りたくない。どこへ? ベッドへ? それとも…… 

後ずさり。窓辺に佇む。

ここに居たくない。この部屋に居たくない。この町に居たくない。この時空にいたくない。

何かがあなたの横を素早く通過する。それは窓の外に浮かび、あなたをからかうように揺れる。小さな椅子。あなた用の椅子だ。孵化したばかりの、あなたのためだけの椅子が、ゆっくりと上昇する。

あなたは外階段を駆け上る。途中、片方の靴が脱げ、落ちる。構わず、急ぐ。

屋上に立つあなた。

遊弋する椅子。建物に近づくかと思うと、遠のく。微妙な距離。可能と不可能の判別が不可能な距離。

あなたは邪魔なネグリジェ脱ぎ捨て、残った片方の靴をその上に載せる。

生まれたままの姿となり、あなたは片膝を曲げる。

祈りに似て、決意に似て、憧憬に似た思い。いつかの思い。いつだったか、思い出せない思い。過去に空想した未来の思い。つまり、今の思い。それを思い出す。

きっかけのために、頭の中で銃声を思い浮かべようとする。

ところが、本当に銃声が響いた。

パン! 

弾けるようにダッシュ。

ジャンヌ・ジャンプ! 

あなたのゲームは終了しました。

 

 


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