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人の熱き思いが「名物」をつくりあげていく 【名物伝Ⅰ-尾道ラーメン】

2022-01-09 21:52:11 | 地域発展

どんなところへ行っても「名物」といわれるものがある。名物といわれるには、それなりの歴史が積み重なり、そしてストーリーが存在するから名物といわれるようになる。そのストーリーは一つのことを成熟させるために関わった人たちの “熱い思い” 、そして費やした時間とその成果ではないだろうか。

 

今回紹介する、尾道名物はご存じ「ラーメン」と「お好み焼き」。尾道ではご当地グルメとして人気を博している両横綱である。これらは全国的に知られているが、いま風にいうならB級グルメといわれているもの。筆者にとっては子供の頃から馴染んだ生活食であるが、今ではソールフードといわれるものかもしれない。

それらを味わうことが今回の取材の一つだった。訪問初日はラーメン店3軒をはしご、2日目はお好み焼き屋さんを2軒まわった。やはり尾道に来たなら尾道ソールフードを楽しみたいと思っていた。

 

                                                        中華そばの朱

         2019年に閉店した朱華園

 

その名物ラーメンの一つが中華そばの「朱」というお店。尾道市役所からのれんが見えるほどの近さにある。尾道ラーメンを紹介するにはこの朱さんなくして語れないほどの店である。朱さんは2020年の11月に新規オープンしたばかりの新参ラーメン店。それにも関わらず、なぜこの店が名物といわれる存在なのだろうか。尾道市民は誰もが知るところであるが、尾道ラーメンストーリーを紹介する上で欠かせない存在だからである。

2019年6月に惜しまれながら閉店した尾道ラーメンの名店「朱華園」の創業者(故人)の味とメニューを、創業者の奥様と娘さんがそのまま受け継ぎ名店の味を再現し提供する店として朱がスタートした。

 

                朱のラーメン

           朱華園のラーメン

                       

朱華園は、戦後まもなく台湾出身の檀上正儀さんが屋台で創業、その後に店舗を構えそれ以来行列ができる尾道きっての有名スポットになっていった。

豚の背脂が入ったしょうゆ味のスープと自家製の平打ち麺という独特の「中華そば」のスタイルを確立したことで人気が高まり尾道の他店にも広がった。

1990年代以降はこうした中華そばがいつしか「尾道ラーメン」と呼ばれるようになり全国区になっていった。

 

                朱のオーナー

 

その尾道ラーメンの礎を築いた中華そばの味を復刻したいという奥さんと娘さんの並々ならぬ熱い思いが朱ラーメン一杯に込められている。                 

人の熱き思いが「名物」といわれる大きな存在にまで押し上げていくのであろう。

 

尾道・文化紀行ブログ/ https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/


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