骨子・戦略は、結構。あとは、実際に条例を可決させ、それをきちんと実行できるかどうかです。
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東京都は20日、独自の基準で受動喫煙対策を強化する条例案の骨子を発表した。
焦点となっていた飲食店の規制では、従業員を雇っている店は、規模に関係なく原則屋内禁煙とする。都内の飲食店の約84%が対象となり、小規模店での喫煙を事実上容認する国の法案よりも厳しい内容となる。都は6月開会予定の都議会に条例案を提出する方針。
都の条例案の骨子は、政府が3月に閣議決定した健康増進法改正案に規制を上乗せする内容となった。国の法案でも飲食店は原則禁煙だが、客席面積が100平方メートル以下で個人などが営む小規模既存店は「喫煙」などの表示を義務付けた上で喫煙可能としている。
都の条例案の骨子は、客席面積に関係なく、従業員を雇っている場合は原則禁煙とした。店主1人の店や被雇用者がいなければ対象外だが、昨年夏の都の調査では都内の飲食店の約84%が規制対象となる。ただし、喫煙専用室を設ければ喫煙可能で、都は喫煙室の整備費用の5分の4を300万円まで補助する。また、シガーバーなど、喫煙を主目的とした施設については、国と同様、喫煙禁止場所にはしないとした。
◇対象は都内全店舗の84%
東京都の小池百合子知事は20日、従業員を雇っている飲食店内は広さにかかわらず、原則禁煙とする受動喫煙防止条例の制定を目指す方針を明らかにした。対象は都内全店舗の84%に及び、政府が今国会に提出中の健康増進法改正案よりも厳しい規制内容だ。6月都議会に条例案の提出を目指すが、影響を受ける飲食業界や都議会で小池知事と対立する自民党の反発が予想される。
小池知事は20日の記者会見で「誰もが快適に生活できるまちを実現するため『人』に着目したルールにした」と強調。2020年東京五輪・パラリンピックまでに全面施行を目指すと表明した。
条例の骨子案によると、違反した喫煙者や施設管理者には罰則(5万円以下の過料)を科す。従業員のいる飲食店は原則禁煙とし、喫煙専用室のみ喫煙を認める。従業員のいない店は、禁煙・喫煙を経営者が選べる。都が実施した飲食店への調査では16.3%が「従業員がいない」と回答しており、この範囲が適用除外の対象となる。
一方、健康増進法改正案は飲食店を原則全面禁煙とした上で「客席面積100平方メートル以下」で「個人経営や資本金5000万円以下」の既存店については、店頭の表示があれば喫煙可にもできる。全面禁煙の適用が除外される飲食店は厚生労働省の推計で55%に上り、条例骨子案は政府の法案より規制範囲を広げた格好だ。
骨子案は、このほか小中高校、保育所、幼稚園は敷地内禁煙とし、屋外に喫煙場所を置くことも認めない。
受動喫煙対策を巡っては「30平方メートル以下のバーやスナックを適用外とする」とした政府の当初案が自民などの反発で後退。同様の条例案を準備した都も政府案との整合性に配慮し、議会提出を見送っていた。【市川明代】
2020年東京五輪・パラリンピック開催を見据えて受動喫煙防止条例制定を目指している東京都は20日、従業員を雇用している飲食店は店舗面積に関係なく原則屋内禁煙にする骨子案を公表した。都内の飲食店の80%以上が対象となる見通しで、当初案に比べて大幅に後退した国の健康増進法改正案に比べて厳しい規制となる。
小池百合子知事は同日の定例会見で「働く人や子供を受動喫煙から守る人に着目した骨子案だ」と強調した。
煙を完全に遮断するスペースを設置すれば喫煙を認める方向で、設置費用は都が助成する。都は当初、店舗面積30平方メートル以下の店を規制対象としない方向で検討していたが、面積での線引きは難しいと判断した。
骨子案では、従業員を雇っていない個人や家族経営の飲食店が原則屋内禁煙の対象外。一方、子供が過ごす幼稚園や保育所、小中高校は敷地内禁煙で、屋外への喫煙場所設置も禁止する。紙巻きたばこに加え、加熱式たばこも規制の対象とする。違反した場合は飲食店店主らに5万円以下の過料を科す罰則も設ける。
都は6月の都議会定例会に条例案を提出。平成32年までに段階的な施行を目指す。
受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法改正案成立のめどが立たない国会を尻目に、東京都は20日、国の方針より厳しい独自の対策を打ち出した。小池百合子知事は「ラグビーW杯や東京五輪が迫っている」として、国会に左右されず条例制定を目指す構え。昨秋の衆院選以降、求心力低下が指摘される中、国との違いをアピールしたい小池氏の思惑が透けて見える。
都は厚生労働省の当初案同様、面積30平方メートル以下を除く飲食店を原則禁煙とする方向で調整。しかし、厚労省が自民党の反対で提出をあきらめ、客席面積100平方メートル以下の飲食店で喫煙を認めるなど例外が多い内容を政府が3月に閣議決定した。
後退する国の動きに都もトーンダウン。「国との整合を図る」として、予定していた今年2〜3月の都議会定例会への条例案提出を見送った。しかし、小池氏はギリギリまで提出にこだわり、「独自規制ができないか担当部局に迫っていた」(小池氏周辺)という。
4月に入り小池氏は加藤勝信厚労相を訪れ、都条例による国の規制への上乗せが可能との確約を得たため、今回の発表にこぎ着けた。骨子案は、国が規制対象外とする客席面積100平方メートル以下の飲食店でも、従業員の雇用があれば原則禁煙となるため、国に比べて規制対象は広がる。
ただ、都議会一部会派や飲食業界、都内各自治体の反発が予想される。都幹部は「以前と比べて知事への注文は厳しくなった」と感じており、勢いを失った小池氏の調整力が注目される。
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受動喫煙 たばこの煙には多くの有害物質が含まれ、他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙にも病気のリスクがある。国際オリンピック委員会(IOC)と世界保健機関(WHO)は「たばこのない五輪」を推進しており、2020年東京大会までに対策を進めたい政府は健康増進法改正案を今国会に提出している。
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5万円の罰金で、飲食店側に守らせることができるのかどうか。さらに、それを調べるのはどうするのか。条例が可決するだけでも大変なのに、その運用方法が気になります。
基本的に、もはや小池都知事、というかいまの政治家たちすべてに何の期待もしていません。ゆえに、この条例成立にも懐疑的です。
しかし、この条例ができたら、世界水準から見たら、まだ不十分ではありますが、小池都政を認めるのもやぶさかではありません。小池都知事がどこまでできるのか、静観させてもらいます。