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親しい人の受動喫煙から身を守るためには、喫煙を許さないことしかない

2016年09月12日 07時10分25秒 | 離煙ニュース: 科学編

真っ当な専門家の意見です。

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受動喫煙による死亡はどれくらい?
朝日新聞 2016年9月12日06時00分

 受動喫煙の害は実感としてわかりにくいです。その理由の一つは、暴露から疾患の発症までの時間が長いことです。受動喫煙を受けてもすぐに肺がんになるわけではなく、数十年の時間がかかります。また、受動喫煙を受けていない人も肺がんに罹ることがある、というのも受動喫煙の害を実感しにくい理由でしょう。受動喫煙による肺がんの相対リスクは約1.3倍です。

 これは、受動喫煙を受けている人は、受動喫煙を受けていない人と比較して、1.3倍肺がんになりやすいことを意味します。受動喫煙がなくても肺がんになりますし、受動喫煙を受けて肺がんになった人すべての原因が受動喫煙というわけではありません。

 受動喫煙を受けて肺がんになった人が13人いたとしましょう。受動喫煙がなければ10人しか肺がんにならなかったはずです。13人のうちの3人が受動喫煙が原因で肺がんになったのです。受動喫煙による肺がんの相対リスク約1.3倍とはこういうことです。受動喫煙を受けて肺がんになった人の23%(3÷13≒0.23)が受動喫煙が原因とも言えます。

 それほどたいしたことのない数字だと思う方もいらっしゃるかもしれません(とくにJTの関係者などは)。しかし、受動喫煙を受けている人の数の多さを考えると、これは馬鹿にならない数字です。しかも受動喫煙がリスクを上げる病気は、肺がんだけではないのです。脳血管障害や心筋梗塞も受動喫煙によってリスクが上がります。

 受動喫煙による各疾患の相対リスクと集団中で受動喫煙を受ける人の割合がわかれば、受動喫煙のせいで死亡した人の数が計算できます。日本では年間約1万5千人が受動喫煙によって死亡しているという推計があります。

(受動喫煙原因、国内で年間1.5万人死亡 厚労省推計

http://www.asahi.com/articles/ASJ5032JVJ50ULBJ003.html)

 これは交通事故による死亡数よりも多いのです。

交通事故による死亡は受動喫煙と違ってわかりやすいです。交通事故が起きてから死亡までの時間が短いですし、リスクが何倍とかではなく直接的な因果関係が明確です。被害者は確かに交通事故で亡くなったのだと断定できます。一方、受動喫煙については、誰が被害者か特定することはできません。受動喫煙を受けて肺がんで亡くなった人のうち約23%が受動喫煙のせいだろう、という推測しかできません。

 しかし、被害者を特定できないことや被害を実感しにくいことは、被害が小さいことを意味しません。対策をしなくてもいいことも意味しません。受動喫煙に対しては、少なくとも交通事故と同じか、それ以上に対策が講じられるべきだと考えます。「疫学研究だけの結果をもって喫煙との因果関係を結論付けられるものではありません」などと言っている場合じゃありません。

<アピタル:内科医・酒井健司の医心電信・その他>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/sakai/(アピタル・酒井健司)

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日本人は人がよいですから、だれかがタバコを吸いたいといいだすと、「いいですよ」と答える人が多いように思います。実際、全面喫煙可能な居酒屋でも、半数の人がタバコを吸わずに、喫煙者の吐き出す煙を吸い込んでいます。タバコの煙が死ぬほど嫌いな貧乏英語塾長には、理解に苦しむ寛容さです。

こういう喫煙のような悪癖を許す人のことを「イネイブラー(enabler)」といいますが、日本には喫煙に関するイネイブラーが異様に多すぎます。そのせいで、受動喫煙により亡くなる方が減らないのです。

受動喫煙被害から身を守るためには、喫煙者に近づかないことしか方法はあり得ません。周囲の親しい人の喫煙習慣を許さず、イネイブラーでなくなるようにしましょう。


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